こんばんは。 かっけいです。
栗は秋の味覚として、栗ご飯やマロングラッセ、栗きんとん、渋皮煮などに利用されますね。
そのほくほくとした食感やほのかな甘みが特徴的です。
収穫時期は9月・10月が最盛期ですが、
植え付け時期は11月のこれからが適期です。
植え付け方法を紹介します。
【果樹】栗の植え付け時期
栗は植え付け適地は九州地方から東北地方となっています。
日本の生産量の割合は茨城県でおよそ25パーセント、熊本県でおよそ23パーセント、次に四国にある愛媛県のおよそ8.5パーセントとなります。
落葉果樹なので冬場は葉が落ち、栗の木は休眠状態になりますが、極端な寒さには弱いです。
暖地である九州や私の住んでいる香川(四国)は、冬場の凍害の恐れは低いので11月~3月の時期に植えつけられます。この11月時期に植えますと、春に植えるよりも根の活着がよろしいので、春先の生長が少しよくなります。
東北などの寒い地域では、1月や2月などの極寒気は芽がやられてしまうことがありますので、11月・12月もしくは3月頃の暖かいころに植えましょう。
栗を植え付けるときの注意点3つ
- 日陰にならないところに植える
- 異なる2品種を用意する
- 植え付け後、低い位置で切らないこと。
1.栗の木を植えて数年後、木が大きく成長してもほとんど実がとれないという悩みを持っている方がいます。
じつは栗の木は日陰を特に嫌う果樹だと言われています。
日陰の当たらない枝は枯れやすくなり、日光がしっかり当たらない枝は花芽が付きにくいです。
花芽とは翌年に花が咲く部分のことです。
2.また花は咲いても実がなかなか取れずに、収穫前の8月にたくさんの生理落下が発生するケースがあります。
じつは栗の木は1品種だけでは実が付きにくい特徴があります。
自家不和合性といい、自分と同じ品種では実を付けにくい性質があります。栗の苗木を買う時は異なった名称の品種を2品種以上買いましょう。
自家不和合性の果樹は多いので注意しましょうね。自家不和合性でも自分の花粉で実をとることができますが、量も質も劣ってしまいます。
補足ですが、果樹にはそれぞれに適した受粉樹というものがあり、花粉の組み合わせによって、果実のできる割合や、大きさ、おいしさが変化してしまいます。これについては後日詳しく説明できればなと思います。
3.植え付け直後は多くの栽培書には、枝を短く切り詰めるように書かれています。これは正しいのですが、注意しないといけないのが栗の木の多くは高接ぎであることです。
上の苗木を見ていただいたらわかりますように、栗の木は接ぎ木の位置が非常に高いです。
なぜ栗の苗木は接ぎ木位置が高いのかは詳しくはありませんが、
接ぎ木作業をするときの利便性があるようです。低い位置ですと、一々しゃがんで作業しないといけないため手間になるそうです。
また、寒い地域での新芽の凍害を防ぐため、芽の位置を少しでも高くする理由があるそうです。
この接ぎ位置が高いことにより、普通の果樹と同じように地上部20~30センチの高さで切り詰めてしまうと購入した品種と違う栗ができてしまいます。必ず接いでいる高さを確認し、おおよそ地上部60~70センチメートルでの高さで切り詰めましょう。
【果樹】栗の植え付け例(香川)
①品種の確認をしましょう。
今回はどちらもPVPの【ぽろたん】と【美玖理】を用意しました。
PVPとは日本国の種苗法に基づく「登録品種」や「品種登録出願中」の品種のこと。
簡単に言うと、この品種を育てて開発した人の許可なしに、自分の商売のために増やしたり、人に渡したり、苗木の商売をしたら駄目だよってこと。
この2品種にした理由は2点あります。
一つは非常に新しい品種であること。
栗の有名な品種に「筑波」、「丹沢」、「利平」など様々な品種がありますが、1950年代・60年代に命名された品種ばかりでもう50年ほど昔の品種です。それにもかかわらず、現在でもこの3品種で日本の栗の6割の生産を占めています。
昔から現在に至るまで長い間、たくさんの量が生産されており、非常に信頼がある品種ですが、せっかく家庭で育てるのであれば、普段食べられない品種を育ててみたくはありませんか。
それがこの【美玖理】と【ぽろたん】です。
【美玖理】は2011年に品種登録されたかなり新しい品種です。
【ぽろたん】も2007年に品種登録された新しい品種です。また今までのニホングリにはなかった、渋皮のむけやすさがこのぽろたんにはあり、画期的な品種です。私たちがよく食べているニホングリは果実が大きくておいしい栗ですが、渋皮がむきにくい欠点がありました。
2つ目の理由にこの2つの品種はお互いに最適な受粉樹であるということです。冒頭に書きましたが、栗の実が落ちる理由に受粉がうまくできていないことが挙げられます。この2品種はお互いにとって一番の栗の品種同士です。
②植え付け場所を決めて植えましょう。
栗は日陰をすごーく嫌います。
なるべく日が当たるところを選びましょう。
周りの土をもみがらを混ぜて、上の写真は果樹を植える位置での植穴を掘っている様子。だいたい、植穴の大きさ縦横60センチ四方、深さ60センチほどにしました。
ここにもみがら10リットルと牛糞堆肥10リットル、肥料分して鶏糞を植穴に入れ、さらに穴を掘って混ぜました。
植穴の用意ができましたら、実際に苗を仮置きしつつ、苗の頭が地面の高さより少しだけ上になる様に調整ます。
この後は水を植穴に注ぎ、苗木が活着しやすいようにします。
水が染みましたら、支柱をたてて、深く差し込み、苗木を再び置きます。
苗木は少しだけ根鉢をほぐして植えました。これは私の癖ですので、あまり気にしないでください。
この後、三角ホーで周りの掘りあげた土を苗木に寄せていき、山を作った。
苗木の周りの土を少しずつ落とし、足で苗木の周りを固めてきます。
これで水のたまり場ができます。
さいごにもう一度だけ、水をたっぷりそそぎます。
後は支柱に軽く縛り付けて、冬の北風に揺れないように注意しましょう。
植え付け後に地上部から高さ60~70センチの位置、接ぎ木部分より20~30センチ上の位置まで切り詰めるのがセオリーですが、私は春に栗では非常に難しい挿し木に挑戦しようと思いますので、切り詰めるのは1月か2月にします。
肥料は2月・7月・10月にしましょう。
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さいごに
栗を自分で作って食べられるなんて魅力的ですよね。
なかなか栗は大木になるイメージがありますし、山で育てるような印象までありますので家で作ろうとする人は少ないかもしれません。でもきちんと剪定をしていけば高さを抑えて育てられるのでそれほど木の大きさについては心配いりません。
日向に植えること。2品種以上植えること、接ぎ木の切り詰める位置を間違えない。
これらのことを守れば必ず上手くいくはずです。
栗の渋皮煮、毎日食べた~い。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。