こんばんは。 香川在住のかっけいです。
香川県内では小豆島の手延べそうめんも非常に有名であり香川県民の私も好んで食べますが、香川県が2011年の10月に急に「うどん県」としてアピールするようになりました。
うどん県って宣言しなくても讃岐のうどんは香川県の県民食なんですから香川県民は今まで通りにおいしく食べていくだけなのですが、土曜日や日曜日になると一部のうどん店では県外ナンバーの車やバイクがあふれるほど停まっており、本場の讃岐うどんをぜひ食べようと来ている人が目立つようになりました。
最近の県外からの讃岐うどん巡りの様子を見て、満足して帰っているのかなあと思うところであります。
というのも、「県外の人は香川県の本場の讃岐うどんを食べて美味しいと感じているのだろうか。」と疑問に思うからです。
讃岐うどんが嫌いな人はいる。私の経験談。
さて、私は生まれも育ちも香川県です。
香川のうどん以外は正直どれもいまいちな味のうどんにしか感じません。
うどんの中では、香川のうどん(讃岐うどん)が最高峰だと感じています。
ということは、その逆もまたあるでしょう。
私が大学時代に県外出身の人と大学近くのうどん店に食べに行きました。
すると、その人は「思ったよりもおいしくないね」・「自分の所のうどんの方が美味しい」と言いました。
理由を聞きますと、「味も駄目」・「麺の食感も駄目」だということらしいです。
なるほど、香川県民の私からすれば讃岐うどんの特徴を全面否定された感じなのですが、私が香川のうどんに慣れすぎてしまっているからその感覚が理解できないのでしょうね。
一方で、香川県の人は讃岐のうどんが好きな人が多い印象。
統計データではなく私の印象なのですが、「香川県の人で讃岐のうどんが嫌いな人は少ないが、県外の人で讃岐のうどんを美味しく感じない人は一定数いる。」ように感じます。
讃岐のうどんと香川県外のうどんの大きな違いは、出汁と麺にあるのではないでしょうか。
- 讃岐のうどん出汁はイリコ出汁がブレンド。
- 讃岐のうどんはコシが特徴的。硬さではない。
全国的に有名なうどんチェーン店に「丸亀製麺」ってありますよね。讃岐うどん風のうどんを提供していますよね。
香川県民には全く受け入れられなくて、香川県ではほとんど活動していませんが、私は一度だけ食べに行きました。
食べた瞬間、「あっ、讃岐うどんじゃないなあ」と感じました。麺は非常によく似ていますが。
関西風の出汁なんでしょうかね。イリコのうどん出汁に慣れすぎている香川県民の私からすれば、違和感だらけの味で正直おいしくなかったです。
やっぱり味の好みって慣れが大きいですよね。
そしてうどんのコシですね。
香川県のうどんは硬いうどんと誤解されているかもしれませんが、それは間違いです。香川県の人でも硬いうどん麺は嫌いでしょう。
讃岐うどんの素晴らしいコシとは弾力感があり、もちもちとした食感、つるつるとした喉越しのことですよね。太さや形は関係ありません。香川の人が小豆島の手延べそうめんを食べるのも讃岐うどんに共通するところがあるからだと思います。
固いうどんが好きというよりも、単純に箸で持って簡単にちぎれるような柔い麺が口に合わないのだと思います。
香川県の人は小さい時から、イリコ出汁・特徴的なコシのうどんに慣れ親しんでいるので、なかなか他県のうどんが口に合わないのでしょう。
ということは当然その逆パターンもあるでしょう。県外の人は讃岐のうどんを食べて、変わったうどんだなあと感じるでしょうから、嫌いな人も出てくるでしょう。
香川県民が讃岐うどんを親しんでいることが分かる場面。おうどんと法事
香川県は非常に狭い県でありながらうどんを提供する場所が1000ヶ所近くあるとされます。
うどんの麺だけを提供するところもありますよ。
高松ではサラリーマンの人がよくうどん店で食事をしていますよね。
あれはもちろん讃岐うどんが好きというのもあるのでしょうが、安くて早くて美味しい近いというのも食べられている理由でしょう。
今回、私が香川県民が讃岐うどんを親しんでいることがよくわかる場面に紹介するのは、法事の場面です。
実は私はお坊さんです。
ですので色んなご家庭の法事に行きます。
昔ほどはおうどんを出してくださる家は減ってきているのですが、まだまだ「香川の法事=うどんの接待」という構図が残っています。
どちらかと言えば、丸亀・多度津・善通寺あたりの土器川よりやや西側の、中讃寄りの西讃側でこのうどん接待がよく見られます。
法事というのは県内・県外に散らばった親族の人たちが一堂に集う場面です。
そのときに、まず一番に讃岐のうどんで接待しますと、皆さん懐かしがって食べます。(一部の人は食べ飽きているような感じですが。)
おうどんを振舞わないと失礼みたいな感覚なんですよ。
もちろん法事の引き出物にもおうどんを用意することもあります。
引き出物用のおうどんは意外と日持ちをするので、60日くらいは日持ちするのもあります。法事の引き出物には最適なこともあります。
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さいごに。讃岐うどんの好きか嫌いかは、慣れ親しんでいるかどうかじゃないかな。
香川県の人がよくうどんを食べるのは、好きというだけでなく、単純にいつでも口にすることができる環境にあるのが大きいと思います。
外に出ますとすぐ近くにうどん店がありますし、人が集まるところに行けば往々にしておうどんが振舞われます。そしておみやげもおうどんです。
香川県の人にとっては、讃岐うどんのあの特徴的な麺の食感とイリコ出汁を幼いころより慣れ親しんでいるがために、「うどん=讃岐うどん」という感覚になっているのではないでしょうか。
讃岐うどんを美味しくない・嫌いと感じている人もこの現象と同じことではないだろうか。
その人にとって慣れ親しんだうどんの味があり、香川県のあの独特なうどんが口に合わない人もいるのだろう。
「県外の人が香川県の本場の讃岐うどんを食べて美味しいと感じているのだろうか」とうどん店に行列を作ってまで食べに来ている人たちを見て、横を通り過ぎていく私は思っているのだが、はたしてどうなんでしょうかね。
香川にあるうどん店でも味の違いがそれぞれにありますので、好みのうどんに出会えたらいいなあと思います