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第163回目のラジオ配信。「称名念仏」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川の浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。
2022年11月22日配信の今回は、称名念仏について短くお話していきます。
この年末年始の11月12月1月は、報恩講というお参りが浄土真宗では行われます。
旧暦の11月28日が浄土真宗の宗祖親鸞聖人の亡くなったご命日なので、そのご命日前後に、お寺では報恩講の法要が行われ、各御門信徒のお仏壇では、お坊さんがお参りに行き、宗祖のお祥月のお勤めをします。
報恩講は浄土真宗で最も大切な仏事とされ、この時には、宗祖親鸞聖人の書かれた正信偈がお勤めされます。
また私の属する宗派では、お勤めの最後に、ご勧章という本願寺の蓮如上人が書かれたお手紙のご法話も拝読します。
それでこの前、報恩講のお参りに行きますと、お参りに来られた方から、「称名念仏」って何ですかという質問を頂きました。
本願寺の蓮如上人が書かれたお手紙には、「称名念仏」という言葉がでてきます。例えば、末代無智章や聖人一流章とかにです。
称名念仏とは、すっごくシンプルに言えば、「南無阿弥陀仏と称える」という意味です。
ですので、浄土真宗の読み物で、「称名念仏」という言葉が出てくると、「ああ、これは南無阿弥陀仏と仏さまの名前を口にすることなんだなあ」と思っていただけたらOKです。
以下、称名念仏について、もう少しだけ詳しく紹介します。
さて浄土真宗という仏教宗派のご本尊様は、なんでしょうか。
お寺の本堂正面に安置されている仏さまのことです。
浄土真宗のご本尊様は阿弥陀如来という仏さまです。
仏説無量寿経や観無量寿経や阿弥陀経で教えが説かれている仏さまのことで、浄土真宗の人たちは、阿弥陀如来を頼りにしてお念仏を口にしています。
浄土真宗のいうお念仏というのは、南無阿弥陀仏という仏さまのお名号、つまりお名前をとなえるということです。
ご本尊様は阿弥陀如来です。
お寺やお仏壇では、阿弥陀如来様に対して、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏とお名号を称えます。
それが称名念仏をする形です。
わかりにくいことですが、お念仏にもいろんなお念仏があります。
その中でも浄土真宗は称名の念仏です。
称名の念仏以外にどんなお念仏があるか例を挙げますと、例えば観想の念仏があります。
観想の念仏とは、心のなかで阿弥陀様のお姿や極楽の世界を念ずること、つまりイメージするお念仏のことです。
浄土真宗のお念仏は、口に仏の名前を称えるお念仏です。
ただし注意点があって、浄土真宗は、お念仏はもちろん大切なんですけども、信心が阿弥陀仏のお浄土に生まれる大切な要因です。
お念仏はそれたった一つで有難いのですが、そのお念仏のいわれの「信心一つ」もまた有難いです。
信心のないただただ口に唱える南無阿弥陀仏の「空の念仏」は浄土真宗のいう称名念仏とはまた違っています。
「本願を信じ念仏申さば仏となる」は浄土真宗の教えを一言で表したものです。
称名念仏の称は「となえる」という意味の他に「かなう」という意味もあります。
浄土真宗が南無阿弥陀仏と念仏を称えるのは、それが阿弥陀如来という仏さまが、あらゆる人びとを救うために誓われたご本願によるものだからです。
私たちが勝手に、南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏と口にしているのではなく、阿弥陀様の方から、私たちに向かってこれを大切にたもちなさいよと願い与えたお名号です。
このことは仏説無量寿経の四十八願のところで、そのいわれが説かれています。
浄土真宗では、阿弥陀仏が私のために願われたそのお名号とその働きをそのままいただき、そのまま阿弥陀様にお任せすることを信心をいただくといいます。
仏さまの方から、私たちに向かって、南無阿弥陀仏のお名号をご用意して下さっているのですから、浄土真宗はそのまま素直に「ありがとうございます」といだだき、南無阿弥陀仏とお念仏を申していきます。
阿弥陀様は信心も念仏もご用意して下さっているのだから、あとはそれを私たち一人ひとりが素直に受け取るだけです。
浄土真宗の称名念仏の南無阿弥陀仏は、そんなことを言っています。
南無阿弥陀仏のお名号を用意して下さった阿弥陀如来、そして阿弥陀様にお任せしていきますと、その称名の念仏を生涯をかけて教え伝えくださったのが宗祖の親鸞聖人です。
11月12月1月は、浄土真宗では宗祖親鸞聖人のご命日のお勤めの報恩講がつとめられます。
宗祖の命日のお勤めを通じて、南無阿弥陀仏の称名の念仏を伝えてくださった、宗祖やご縁に感謝をしていくのが、報恩講という大事な仏事です。
以上で2022年11月22日配信の「称名念仏」のお話を終えます。
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