こんばんは。 真宗興正派僧侶のかっけいです。
皆さんは団参(だんさん)という言葉を知っていますか。正式には団体参拝と呼びます。
団参とは、ある一寺院(末寺)のご住職が門信徒らと一緒に本山へお参りをすることです。
できれば末寺のお寺は門信徒の人たちに自分の属している宗派の本山がどのような建物なのか、どのような歴史があるのか、どのような場所にあるのかなどなどを身近に知っていだたくためにも、積極的に団参をしたいのですが現実にはなかなかできていないお寺も多くあります。
自坊円龍寺もここ数年、本山興正寺への団参が滞っています。
ですので今回は、団参旅行の計画案を書いていきます。
団参旅行とはできれば毎年継続してやりたいもの。ならば旅行計画は数年単位で綿密に立てておくべきものですよね。
今私が思い描いている構想を綴ります。(まだ実現するのか分からないですし、もしも他のお坊さんがこの記事を読んでいるならば旅行計画を真似しても問題ないですよ。)
団体参拝のメリット。なぜ寺が主催するのか。
団体参拝とは、お寺が自坊の門信徒らを引き連れて本山にお参りすることです。
しかしわざわざお寺が旅行を計画して皆様をまとめることをしなくても、各人がそれぞれ好きな時に本山にお参りすることはできるでしょう。
ではなぜ団体参拝するのでしょうか。(ここでは浄土真宗を例に説明します。)
例えばどこかの旅行会社が「○○寺参拝ツアー」と宣伝していたりしますよね。でもあれって単なる観光ですよね。
つまりはお寺の本堂・伽藍を見てすごいなあ~と関心して、それから拝観料を払って建物内をただ移動し、最後に賽銭やお守り・お土産を買って帰るだけですね。
とりあえずお寺に行っているのですが、ただ行っただけで、そのお寺に対して何の知識や興味も深まっていませんよね。もちろん信仰も。
修学旅行で有名な清水寺や東寺や金閣寺、お遍路さんで有名な四国霊場八十八ヵ所巡りだって似たようなもんですよ。行ったということに満足してるんですから。
- このお寺の歴史はなんだ?
- このお寺はどんな仏さまをおまつりしているのか。
- この宗派はどんな教え・作法があるのか。
などなど、知らずにただフラッと行っているだけです。これではお金・時間を費やしてお寺にお参りしているのがもったいなくないですか。
団体参拝ではお寺の住職が本山に団体参拝の連絡をすることで本山がお参りの人の受け入れを用意してくださります。
「本堂での勤行」・「本山職員の宗派・教義・歴史などの説明」などが受けられます。また普段では立ち入れない所にも特別に入れることもあります。
お寺が主催する団体参拝のメリットは、何と言っても内容の濃い旅行・お参りができることです。
お坊さんの私が考えている団参旅行計画。
どこにお参りするのか。本山は絶対に行くこと。
団参旅行の目的は第一に、本山へのお参りです。これは絶対です。
私の所で言えば、宗派は真宗興正派です。本山は浄土真宗本願寺派西本願寺の隣にある興正寺ですね。
ご門徒さんの中には少なからず本山が西本願寺と勘違いされている人がいます。いいえ違います。本願寺の隣の興正寺です。
一度本山にお参りしてくださればきっと誤解が解けるでしょう。
団参は住職や門信徒が本山にお参りし、読経や説明や清掃活動などをすることによって、宗派や本山の歴史・真宗の教えに出あっていくのです。
京都には世界遺産が17か所ある。
さて京都の本山興正寺に必ずお参りするのですが、それだけではマンネリ化しますね。
幸いに京都という場所は世界文化遺産が17か所もあります。有名な世界遺産は東寺・清水寺、そして金閣・銀閣もありますね。
神社は3ヵ所・寺院は13ヵ所・二条城と寺院以外の所もありますが気にせずお参りする予定です。
17か所あるので毎年2つずつ回れば、およそ10年一回りとなりちょうどよさそうです。
さらには真宗ゆかりの地にも行く予定です。(例えば親鸞聖人の生まれた誕生院や得度した青蓮院ですね。)
いつ京都に行くのか。人が少ない時期に行きたい。
京都は一年中人が多い都市です。観光名所になればなおさらです。
名所を見に行っているつもりが人混み、人の背中や頭ばかりを見ることになってはちょっとつまらないですよね。
特にお寺が企画する団体参拝では年齢層が高いでしょう。80歳以上の人も参加するでしょう。そうなると人が多いところ長時間移動するのは非常につらいものだと想像できます。
となれば、人が少ない時期に団体参拝したいものです。
京都の観光客が比較的少なくなるのは、「1月中旬~2月いっぱい」・「5月下旬~6月いっぱい」とされます。
京都の冬は雪が舞い・積るほど寒くなるので、お年寄りが旅行するのは得策ではないでしょう。
また6月は田植えといった農繫期になるので、自ずと選択肢は5月下旬になるでしょう。
日帰りかそれとも一泊二日か。
二泊三日の旅行は家を長く空けている感覚なので、なかなか団体参拝旅行に参加してくれなくなるでしょう。
またお坊さんもどんな急用が入るか分からないので、3日もお寺を留守にするのは怖いところです。
では日帰りがいいのか、それとも一泊二日がいいのでしょうか。
非常に難しい選択ですが現状は一泊二日にしようかと考えています。
年配者への体力を考慮すれば日帰りもありそうですが、香川から京都への日帰り旅行は意外とスケジュールが過密となり大変です。
例えば朝早く7時に出発し、昼頃に京都につき昼食をとり本山興正寺に参る。続けてなんとか世界遺産を一か所行き、急いで帰り夜8時に香川に戻る。
日帰りの団参は逆に大変な旅行になりそうです。
旅行費用はどうする。料金設定が難しい。
さて厄介なのが旅行費用です。事前に私が調べた目安の料金は次のとおりです。
- 日帰り旅行:1万円~1万5千円程度
- 一泊二日:3万円程度
- 二泊三日:4万円~5万円程度
この料金はあくまで単なる目安です。
料金が高くなれば当然参加者は少なくなりますし、金額が低ければ赤字になります。
団体参拝を毎年しているお寺から話を聞きますと、ほとんどのお寺が毎年赤字で旅行をしているようです。
試しに5万5千円の団参を計画した寺は、参加者が10名程度だったようです。
かといって安く設定しすぎて赤字で旅行するのもおかしいですし、参加者が40名や50名以上と膨れ上がるのも心配です。
お坊さんも体は一つなのでバス一台での旅行がベストでしょう。そうなると参加人数は30名が丁度いいような感じもします。
なかなか料金設定が難しいですが、一年目は3万円程度で計画してみようかなあと思います。(ちなみに旅行費は宿泊費と食費が多くを占めているので、ここをグレードダウンさせれば予算に収められるかもしれません)
団参旅行計画のまとめ。
- 旅行名称 本山興正寺団体参拝と世界遺産の旅
- 旅行予定日 5月下旬ころ
- 日程 一泊二日
- 料金 3万円程度
- 参拝予定地 本山興正寺プラス、京都にある世界文化遺産2か所
世界遺産は毎年新しい場所に行く。約10年で一周する。 - 定員 30名程度
- 案内方法 3月中旬の永代経法要の案内状に合わせて
- 申込期限 4月4日の法要以降、4月中旬まで
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さいごに。旅行計画を立てるのは難しそう。
毎年ご門徒を引き連れて団参旅行や研修旅行をしているお寺にとっては旅行計画を立てるのは造作もないことでしょう。
自坊円龍寺ではもう長いこと団参をができていません。
お参りに行きますと「いつになったら本山への団参旅行ができるんですか?」と尋ねられるほどです。
お寺としてもなるべく早いこと団体参拝したいのですが、なかなか実現できていません。まずどこのバス会社を選定したらいいのかが悩みどころです。
今回は本山への団体参拝する旅行計画を書き綴りました。
もちろん案ですので、この通りに計画が進むとは限りません。
しかしこのように考えを表明することでこの目標が達成できるように自分自身に発破をかけるのも公表した理由の一つです。