僧侶のかっけいです。
浄土真宗では11月28日が宗祖親鸞聖人のご命日ということで、10月から1月頃に各真宗寺院で報恩講法要が営まれます。
自坊のお寺でも毎年12月12日に勤めています。あともう少しですね。
一般家庭での年忌法事と同じように、大勢の門信徒が集まるお寺の法要では掃除が欠かせません。
お仏壇の内外を綺麗にするように、お寺でも仏様を豪華にお飾りする本堂の内陣や参拝者が聴聞する外陣を綺麗にします。
また境内の落ち葉や雑草を取り除いたり、見苦しくなっている木を剪定し整えます。
報恩講法要では参拝者にお斎(おとき)を振舞いますので、お食事する場所であるお座敷や給湯室の掃除も必要です。法要に出勤するお坊さんの控室の掃除も肝心です。
- 本堂の内外
- 境内の草木
- お参りに来るお坊さんの控室
- お食事場所・お食事を作る場所
このようにお寺の法要も、皆さまがしている家庭での法事と同じように事前の準備が欠かせません。
そしてこれらの一連の法要準備は、お坊さんだけでやっていることがほとんどです。だから非常に大変なのです。
毎日のお勤めをしながらの法要準備ですよ。直前の一日や二日だけでは法要準備は終わりません。一週間二週間それ以上と時間をかけて法要をむかえるのです。
本願寺派のお寺や門信徒らは「念仏奉仕」という意識があることでしょう。
残念なことに我が派では本山であっても奉仕団という習慣が根付いていないので、門信徒の人達がお寺に行き清掃活動をする光景はなかなか見られません。
念仏奉仕とは、お寺の清掃奉仕活動を通して、お寺をより身近に感じ、また僧侶の法話や接待から真宗の教えを聞きいただき、ますます仏恩報謝の生活を心がける浄土真宗の念仏者としての生き方を振り返るご縁のことです。
お彼岸や年末には進んで奉仕活動をして下さる門信徒もいらっしゃることでしょうが、奉仕活動をしてもらっているお寺は少なく、おそらくほとんどのお寺では法要前のお寺掃除は僧侶自身の手によってされていることでしょう。
お寺の掃除は場所が広く、お坊さんにとって負担が大きいです。また掃除が間に合っていません。
私も毎日ちょくちょく掃除を進めていますが、まだまだ終わりそうもありません。それこそ今は本堂前の色づいてきているイチョウの木からたくさんの葉が落ちるのだろうなあと身構えています。