こんばんは。 僧侶のかっけいです。
私は以前の記事で、香川県にある仏壇屋岩佐佛喜堂が香川大学との共同研究により、岩佐佛喜堂が提供したオリジナル塗香が人体に良い作用があることが科学的に実証されたことを紹介しました。
このことは朝日新聞の香川ページや四国新聞などでも年末年始にかけて報道されています。
岩佐佛喜堂はこのオリジナル塗香を「香粉(KOKO)」【読み方:ここ】を「東京ギフトショー Spring2017」で2月8日~10日に出展されています。
2017年3月現在では、香粉シリーズとして4種類が発売されています。
その中で私は今回、「香粉KOKO 012」を購入しました。
香粉012を使い続けてみて感じたことを紹介します。
【追記】説明が長かったので、短くまとめた。
- 香粉は安静時のリラックス効果、作業時の作業効率増加が大学実験により科学的に認められたお香。
- 内容量5gで5000円なので高価なお香に思えるが、一度の使用量は約0.05gと100回分もある。(上の写真は一回分に使う目安の量)
- 香粉01はお坊さん好みの香り、012は爽やかな香りで今回のおすすめ。
- 香りは01・012・170・176のどれも本格的で誰でも気軽に始められる。
- いまいちな点は、香りの持続性がそれほどなく一日に何度も使うかも、また効果が実証されてはいるが目に見えての効果を実感しにくい。
香粉KOKOシリーズの特徴。
現在香粉シリーズは4種類発売されています。
- 香粉01
- 香粉012(←私が購入したのはこれ)
- 香粉170
- 香粉176
これらはそれぞれ香り方が違っています。
これは公式ホームページの商品説明を参考にしますと、
- 香粉012は香粉01と同じ成分にレモンの香りをプラス。
- 香粉170は繊細で上品な香りで、植物の芙蓉(ふよう)をイメージした香り。
- 香粉176はほのかに甘酸っぱく、円熟した香りで、ザクロの実の香りに似ている。
なぜ私が香粉012を購入したのか。
私は実はこの香粉を購入するのにあたって、岩佐佛喜堂の5代目(予定)岩佐一史氏より4種類の香粉シリーズを全て香りを確かめ、実際に塗って吟味させていただきました。
正直この4種類の香粉の香りはどれも素晴らしい物でした。
しかし私の中では「香粉01」か「香粉012」にすぐに絞られました。
それはこの2種類のお香が香川大学との共同研究によって効果が実証されたお香であるからです。
岩佐さんによると香粉170も香粉176も香りの成分が少し異なるだけで、おそらく同様の効果が得られることだと言われていたのですが、私がこの塗香「01」と「012」に注目しているのは、大学との研究によってお香の人体に与える影響を科学的に証明した数少ないお香であるからです。(ひょっとしたらお香の効果を実証したのは世界初ではないだろうか。)
ですので、香粉170や176もおそらく同様の効果があるでという曖昧な理由では、自分にも他の人にも自信を持ってすすめることができません。
だから試供時では香粉01か香粉012で悩みました。
香粉01の感想。(試供時)
私個人ではこの香りが良かったです。
これこそ「THE 塗香」という感じでした。
お坊さん好みのお香の匂いです。
肌にお香をこすり合わせると、始めはほのかな甘みを感じるようなそれでいてしばらくするとガツンと来るハッとさせるような刺激の強い香りを感じさせます。
岩佐さんの説明によるとおそらく丁子(ちょうじ)という生薬漢方が作用しているとのことです。スパイシーな香りがするとのことです。
私がイメージする香りはこの香粉01だったのですが、塗香に慣れていない人にはちょっと刺激があるかなあと感じました。
試供の香粉012の感想。(試供時)
これは香粉01と同じ成分なのですが、レモンの香りがプラスされています。
鼻をお香に近づけるだけではレモンの香りを感じることができなかったのですが、肌にこすり合わせるとレモンのようなフレッシュな爽やかな香りが感じられました。
確かにこの香りだと万人受けしそうだという感じでしたので、今回はこちらの香粉012を求めました。
(私のようなお坊さんは香粉01がより気にいるかも。)
【試供時の感想】
- 香粉01はやや刺激が強く、お坊さん好みの印象。
- 香粉012は爽やかな香りで、誰もが好きな香りという印象。
製品版香粉KOKO012のレビュー。
香粉012の箱の中身 。
箱の中には4点入っていました。
- 一つは塗香の説明・使い方・注意事項を記した紙。
- 一つは薬さじ(ミクロスパーテル)。
- 一つはコルクで封をされた香粉が入った瓶。
- 一つは瓶を収納する中袋。
香粉の使い方。
まずは容器の瓶の蓋を開けましょう。茶色の紙袋でコルクが包まれていますので、私はこれを破らずにゆっくりと引き抜いています。あまり力まなくても楽に蓋はとれます。
瓶の口が開きましたら、付属品の薬さじを使います。
この薬さじを瓶の中に入れ塗香をすくいます。意外と簡単にお香は薬さじですくうことができます。
これを手のひらの中心付近に置きます。これはお香が手からこぼれないようにするためです。
そして薬さじをどこかに置いておきます。もう使いません。
(写真の塗香の量は撮影をしやすくするために少し量が少なくなっています。もう少し多い方がいいです。)
この瓶から手に移した香粉を片方の手で軽く取り、首筋や耳の後ろなどに塗り付けていきます。
そしてある程度香ってほしい所に塗った後で、両手を合わせて手のひらで擦り合わせます。
手のひらで擦り合わせながら、手首や手の甲も擦っていき、首筋なども馴染ませるように擦っていきます。
香粉を塗り終われば、最後に瓶の蓋を再び閉じ、瓶を中袋に入れ、薬さじとともに箱へ納めましょう。
(きちんと収納しないと香り物は他へ香りが移り匂いが薄まりますし、ひょっとしたら効果が弱まるかもしれません。高温多湿・直射日光を避けて保管しましょう。)
香粉の香り方。
香粉は箱に収まった状態でもかすかに香っています。
瓶の蓋を開けるとさらに香ります。
しかし一番よく香るのは、香粉を擦り合わせた後です。
塗香は体温で温められることや体の汗や油によって香り立つからです。
擦らずに肌に付けただけでは十分な香りは期待でいないでしょう。
また香る範囲は狭いと思います。
塗香をした直後は塗った本人も凄く香りを感じるのですが、傍にいる人1メートル程度の距離ではほとんど感じられませんでした。
香粉012の満足度
100点満点で満足度を表すと、75点となります。
私の中ではかなり高めの評価です。科学的に証明されたお香だという点でもかなりのプラスポイントですが、香りも爽やかで良かったです。
香粉012の良かった点。
- 僧侶でなくても一般の方でも本格的な塗香が手軽に使える。
- 香る範囲が広くなく、周囲をそれほど気にせず使える。
- 香粉012の科学的効能が実証されているので安心。
- 意外とコストパフォーマンスがよい。
私はお坊さんなのですが、塗香を使う機会というのはそれほどないんですね。
法要時に身体などを清めるために用いる程度で、日常では使いません。それこそお参りでは線香や抹香が多く使われています。
一般の人ではもっと塗香を使う機会が少ないでしょう。
それが誰でも使いやすくなったのは素晴らしいと思います。
また私にとっては香る範囲が少ないことは有り難いことでした。
お坊さん同士の集まりでも集まる前に使ったのですが、特に気づかれてはいないようでした。
この香粉は安静時にはリラックス効果が高まり、作業時にはストレス緩和と集中力UPが香川大学研究により示されており、スポーツや舞台などここぞという時に周りに気づかれずに使用できるでしょう。
私もこの時期は春の永代経法要の時期なので、つとめあいをする前には香粉を塗香してから出かけています。
香粉の販売価格5000円は高い?そうでもないかも。
この香粉シリーズはどれも販売価格が5000円プラス消費税です。
そして内容量が5グラムです。
これは私の印象ですが、他の塗香店や仏壇屋で売られているお香に比べてかなりの割高だと思います。
ネット通販でもざっと見たところ、5グラムだと500~700円程度、20グラムだと2000円程度でした。
他店の塗香の10倍程度の価格だと思います。(私の印象ですよ。)
でもこの香粉シリーズは内容量に対しての価格は高いと感じるかもしれませんが、実際に使ってみると本当はお得な塗香かもしれません。
この香粉には付属品に薬さじ(ミクロスパーテル)が入っています。
これでお香を掬い取るのですが、実はこの時に取るお香とは凄く少量なのです。
私が上で紹介した使い方の写真ではおそらく0.03グラムぐらいでしょう。
岩佐さんによると香粉は一瓶で100回分程度は使えるとのことです。
ちなみに100回分(ひとさじ0.05グラム)はこれくらいの量です。
これくらいの大さじ一杯程度の量を一度に使います。
もちろん人によって1さじの量は異なるのでしょうが、この塗香は本格的なお香(複数の漢方生薬から調香している)なので、少量でも塗香使用者にはしっかり香りますし、効果も実証されています。
化粧品を100回使えると考えるならば、お手頃な価格とも言えるでしょう。(一回当たり50円程度)
いまいちだったところ。2点
香りの持続性に乏しい様に感じられる。
このお香は手のひらや首筋に擦り合わせた時は非常に素晴らしい香りがします。
しかし香っている時間が少ないのではないでしょうか。
擦り合わせた手のひらを鼻に近づけると2・3時間後でも香るのですが、鼻に近づけないと香りません。
ですので私は現在一日3回使っています。
もちろん香らなくてもお香は漢方なので、匂いを感じなくても肌から吸収されるのですが、やはり使っている以上は香ってほしいものです。
寝る直前に使用しても朝になると香りが感じられませんでした。
箱や瓶はおしゃれなのだが、ちょっと不安定に感じる。
普通の塗香は、塗香の粉末だけが売られていて、それをお店が売っている塗香入れの容器で保管するのですが、この香粉は黒色の箱に金文字のシンプルなデザイン、瓶もスマートなデザインになっています。
しかし底面積が狭いのに、垂直方向に高く、ごちゃごちゃした場所では、塗香途中で蓋の開いた瓶が転倒してしまうかもしれません。
私もお坊さんなので、衣を着た状態で香粉を使用しようとすると袂が瓶に当たりそうになり転倒しないかひやひやしました。
効能についての注意事項。
この香粉012及び01は、香川大学工学部の鈴木桂輔教授ら(生活支援工学)の研究によって効果が実証されています。
安静時のリラックスを促進させる効果、作業時の集中力増加による作業効率の上昇が確認されています。
特に作業効率の研究では被験者8人がクレペリン検査をし、8人全員の回答数が増加しています。
(増加率の最低は+2.1%だが、最大の人は+30.6%も上昇しています。お香がないときと比較して。)
繰り返しますが、この塗香は科学的効果が実証されています。
私自身もこれが魅力であり、効果を期待して購入しました。
しかしですね、実際に香粉を使ってみますと、目に見えるほどの効果は実感できませんでした。
それもそうでしょうね。私はスポーツの様にタイムを競ったり、テストの様に学力を数値化していないので。
ですのでこの香粉を塗ったからと言って劇的にリラックスができて、劇的に記録の向上や回答数の上昇があるとは限りません。
あくまでも大学研究により効果が実証されたということです。
私の場合は、人前に出てお勤めをしたり話をする前にこのお香を塗っています。
気の持ちようかもしれませんが、このお香によって落ち着いた状態で臨むことができています。
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さいごに、感想
私が新聞で香川大学の研究によりお香の効果が科学的に証明されたことの記事を見つけた時は衝撃的に感じました。
自分の出身大学での研究発表だということもあるのですが、香川の仏壇屋が研究依頼していたことも驚きでした。
これまではお香の効果をご門徒さんから尋ねられても、人体に及ぼす影響をはっきりと説明することができませんでした。
しかしお香の科学的効能という世界でも研究例が少ないことを、一仏壇屋が意欲的に行動に起こしていたことは私にはすごいことだと感じました。
ですから今回私はこの岩佐佛喜堂が開発したオリジナル塗香を求めたのです。
このお香なら自信を持って安静時にも作業時にも体に良い効果が期待できることが紹介できますし、誰でも本格的な塗香が使えるからです。
願わくは、もっと安価に、もっと使い勝手の良い塗香が発表されることです。
岩佐佛喜堂の「香粉ーKOKOー」の公式ホームページは、こちらです。
以前私が紹介した香粉の効能が実証されたことの記事もよかったらどうぞ。