お寺の法要や葬儀に行くと、「法中」と書かれた案内板を目にするかもしれません。「ほうちゅう・ほうなか」ではなく、「ほっちゅう」と読みます。
法中の言葉は寺院関係の人でなくては使う機会もないので、ひょっとすると法中の意味を知らない人もいることでしょう。
法中とはどんな時に使う言葉なのか
お坊さんが1人しかいない時は、法中とは言いません。
法中は「複数のお坊さんが集まる時に」使われる言葉です。
このように、お参りの人と僧侶たちの使う場所を区別する時に使われます。
法中の文字の意味
法とは「仏法・教え」のことをさします。そこからお坊さんを表す言葉となっています。
似た言葉に「法兄(ほうけい)」、「法弟(ほうてい)」、「法類(ほうるい)」、「法嗣(ほうし)」があります。
- 法兄:先に仏道に入った兄のような人のこと。先輩僧侶に使われる
- 法弟:後輩僧侶に使われる
- 法類:同じ宗派の僧侶のこと。親戚関係のある寺院に使われることもある
- 法嗣:仏法を受け継いでいく人のこと。次の住職に使われる
中とは「連中」のことをさします。同じことをする仲間・集団を表す言葉です。
法中と似た言葉に「講中(こうじゅう)」や「氏子中(うじこちゅう)」があります。
- 講中は、同じ信仰をもつ仲間たち。お互いに支えあうグループ
- 氏子中は 、同じ氏神を祭る仲間たち。氏子のグループ
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まとめ
法中は複数人数のお坊さんが集まる時に使われます。ですので、お寺の法要や葬儀など、お坊さんが多く集まる時、お坊さん用の駐車場所・入り口・控室に「法中専用」の案内板が置かれます。
家でする法事でも複数人数のお坊さんが集まる時は、「僧侶控室」とせずに、「法中控室」と表現したほうが丁寧に感じられます。(もちろんどちらでも問題ありませんが)