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お坊さんの一日。お寺の生活はどんな感じ?

投稿日:2018年8月4日 更新日:

香川に住んでいる僧侶のかっけいです。

私のお寺は宗派で浄土真宗興正派であり、お寺の大きさは地方(田舎)では一般的な規模です。

  • お坊さんの日常生活ってどんな感じ?
  • お坊さんって普段、何をしているの?
  • お寺の朝は早いって本当?

私は時々このような質問を受けます。

お寺というのはどの町にも一つはあり身近な存在なのでしょうが、実際にはお隣に住んでいてもお坊さんが普段どんなことをしているのかを知る人は少ないのではないでしょうか。

そこで今回はごく一般的なお寺のお坊さんが、普段どんな一日の生活を送っているのかを紹介します。

結論を先に言いますと、忙しい時時はお寺が留守になるほど出入りが激しく、暇なときはのんびりしています。生活スタイルは一般の人と大きな違いがない。


[前置き]普通のお寺の一日に関する誤解

お寺のお坊さんって「早寝・早起き」で毎日毎日「修行」しているんでしょう?と真顔で聞かれます。

いやいや、そういうのは本山のように格式の高い寺院や、修行・鍛錬を目的にした寺院の話です。

あなたの街にあるごく普通のお寺のお坊さんは、そんなにあなたのイメージしている早寝早起き・修行が当たり前のお寺は多くないでしょう。

グーグルで『お坊さん 一日』で検索しますと次のサイトが上位表示されます。

6:00起床。身支度をし、寺院の門を開け、境内を清掃する。
6:45朝の読経を行う。
7:30朝食。食事内容は玄米、漬物、味噌汁、野菜の煮つけといったいわゆる精進料理。
8:00檀家の告別式に出かける。
9:00告別式にて読経。出棺、火葬まで立ち会い、その都度、故人の成仏のために読経を行う。
12:00告別式を終え、檀家と食事をとる。檀家から同席を依頼された場合、その後のスケジュールに影響がない場合はなるべくご一緒するようにする。
13:00退席。一度寺院に戻り、別の通夜に列席するための準備をする。
14:00通夜に出発するまでの時間を使って、地域から依頼された講演会での講義内容を整理。
15:30通夜に出発。
17:00斎場に到着。ご遺族に挨拶し、故人を労う。
17:30通夜開始。全ての参列者がお焼香を終えるまで読経を続ける。
19:00最後の参列者が帰宅。通夜終了。遺族に挨拶をし、退席。
20:30寺院に到着。なお夕食はとらない。
21:00この日最後の読経。
21:45身支度を済ませ、就寝準備。

僧侶(住職・坊さん)の1日 「Career Garden」より引用

朝5~6時前 起床。
朝7時前 朝の勤行(ごんぎょう)
16時位から夕方の勤行
帰宅は21時前位になるそうです。
お勤めが終了後 翌日に備えて22時位には寝るそうです。

お坊さんは一日、何しているの?「のうこつぼ」より引用

めまいがするような凄まじい一日の生活ですね。

正直なところ、私はこのような一日を過ごしているお坊さんを身近に知りません。上のサイトはちょっと一般的ではないお寺を紹介しているのでは。(一般的な規模のお寺はそれほどお葬式はありません)

お坊さんの朝は早い?本当かなあ

だいたいお坊さんの生活を紹介しているサイトは「お坊さんは早起きする」って書きます。

間違いじゃないでしょうが、必ずしも正しくもないような気がします。

そもそもどうして早起きをするのでしょうか。理想的な答えは「朝の読経・お勤めをするため」・「清掃をするため」・「規則正しい生活をするため見せるため」でしょう。

しかし地方にある一般的な寺院の場合は、「門の開け閉め」が一番の理由になるのではないでしょうか。

寺院の基本は山門の開け閉めです。

日中、常に門を開けるというのは「どうぞどなたでもお参りください」ということであり、またお墓地のあるお寺では必ずしなければならないことです。門をくぐらずにお寺に参るって、それはお寺としてどうなのよ。

本山や修行の寺は朝の5時6時ごろ「晨朝」に一日が始まり、夕方5時6時ごろ「初夜」で一日が終わります。

一般寺院もこれにならうのですが、そもそも常に門を開けないような寺もありますし(よろしくない)、門だけ開けて二度寝することだってあります。

お坊さんの日常は「待機」と「掃除」

地方のお寺、門徒・檀家を抱えているお寺というのは、土曜日・日曜日が忙しくなります。

祥月命日や法事のためにお宅にお参りに出かけたり、会館・ホテルやお寺を会場としてお勤めをお願いされたりすることもあります。

しかしそれらは基本的に依頼をされてからすることです。つまりお勤めの依頼をされなければ勝手にお参りすることはできません。(当たり前ですよね)

お寺でする日常の読経はお寺のお坊さんが自主的にしていることです。それ以外のお勤めというのは「受けの状態」、常に「待ち」のスタイルです。

ですのでお坊さんの大切な仕事は「お寺での留守番」とも言われたりします。電話があればすぐにとれるように、参詣があればいつでも応対できるように。これが大切だったりします。不在の状態は好ましくありません。ですからお坊さんは遠方の旅行できないとも言われますね。

もう一つ大切なことが掃除です。どこの掃除かと言えば「お寺の掃除」です。

先日の記事でもお寺の掃除の大切さを紹介しましたが、やはり掃除をする目的は、気持ちよく参拝していただくことや、仏事に念を入れるためであります。お寺には様々な植物が植わっていますし、敷地面積もそれなりにあります。大きな法要イベントの前には連日夜遅くまで掃除をしても間に合わないので、日々少しずつ掃除をします。

ただ清掃活動は必ずしもしなければならない仕事ではないので、雨の時や厳しい寒さ暑さの日は時間帯を避けたりします。ですので掃除時間や掃除箇所や頻度は各寺のお坊さんごとに違います。

普段は適度にのんびりと、でも繁忙期は休めない

お坊さんは「年中無休」と言われます。的を射た素晴らしい表現です。

年忌法事や祥月命日のお勤めというのは事前に連絡があり予定に組まれているのですが、現実には急に門徒・檀家が亡くなることもありますし、急な来訪(遠方からでも)、いつ来るか分からない電話など、「今日はお寺はお休みです」なんて日はあり得ません。

ただお寺は年中無休なのですが、お坊さんはいつも緊張した状態では身が持たないので適度にのんびりと体を休ませる必要があります。それがお坊さんの一日の過ごし方になりますし、お坊さんによって過ごされ方は違うでしょう。若いお坊さんならゲームかもしれませんし、私ならば寝たりしますかね。熱心なお坊さんならお勤めのないこの時間に仏教書を読んで勉強したり書き物をされたりするでしょうか(想像)。

さて普段のお坊さんは割とのんびりしています。特に月曜日~金曜日の平日はお参りの依頼も少なく、暇なこともあるでしょう。

しかし地方のお寺には繁忙期というのがあります。

例えば8月ならばお盆参り、春秋4月9月ごろなら永代経彼岸のお勤め、11月12月は報恩講参りなどです。仏教宗派によって繁忙期は違うでしょうが、浄土真宗では報恩講が何よりも出入りが激しいです。それこそ冗談抜きで朝6時からお寺を出て日が暮れるまでお寺に戻ってこれないこともあります。ご門徒宅のお仏壇一つ一つにお参りしますので。

暇な時と忙しい時の差がかなりあるのも、地方のお寺のお坊さんの特徴でしょう。お坊さんは会社員じゃないので労働基準なんてないようなもんです。深夜12時に電話があれば業務時間外だから受け付けませんなんてありえない話です。


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さいごに。お坊さんも一般の人と似たような生活だよ

お坊さんと言えば日常は作務衣(さむえ)を着ているとイメージするかもしれません。でも着ていない人も多いですし、浄土真宗ではわざわざ着ないでしょう(私は着ない)。普段はカジュアルな洋服の私服です。

お参りのない時間は、近くのスーパーに買い物に出かけたり、カフェに行ったりもします。

食事も精進料理をわざわざ食べることはなく、例えば今日の私は朝は食パン・昼はうどんでした。寝るのも24時を過ぎたころ、朝は6時や7時頃。普通の人と似たような生活をしています。夜更かしをすることだって多々あります。

ただ一般の人と違う点として、お坊さんはお寺を預かる人・守る人ということです。ですので門の開け閉めや読経、寺院の掃除や運営というのは常にしなければなりません。

また会社勤めの人が土曜日・日曜日の休日や祝日に仕事をしなくてもいいのに対して、お坊さんの場合は逆に、一般の人が休みの日にお参りが増えます。そんな時にお葬式が重なると慌ただしくなります。特定の休日がないのもお坊さんの特徴でしょうか。仕事時間がはっきりしないから残業手当もないですしね。

さいごに余談ですが、地方のお寺というのは護持するのが非常に大変な状態です。

そのためお寺の跡取りや住職がサラリーマンとして一般企業に勤めたりと、お坊さんが副業みたいに見えてしまうこともあります。当然平日の日中にお寺が留守ということにもなるやもしれません。お坊さんというのが職業の一つのようになってしまい、お寺を護持するのが難しくなっている現代、皆さんが理想とするような僧侶としての日常のふるまいというのは地方の一般寺院ではみられにくくなっているかもしれません。そういうお坊さんを見て「あの人は俗な人や」と揶揄するのではなく、そうでなければ生活できないような状態になっているのだとおもんぱかってもほしいです。

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