丸亀市円龍寺の僧侶かっけいです
ここより下の内容は、2019年の燈籠流しの案内となります
香川県では、8月に入りますとお盆月となります。お盆には、お墓や仏壇の側に、灯籠を置いたり吊ったりして先祖供養をいたします。
毎年お盆のお飾りをしない家でも、葬儀をし故人を送った家では3年間は「初盆・2年盆」としてお盆に灯籠をお飾りすると思います。
丸亀市では毎年8月31日の日に、丸亀市仏教会が主催する燈籠流しの仏教行事があります。迎え火に灯した燈籠は、きちんと送り火をして送ってあげましょう。
今回は丸亀市仏教会が主催している毎年恒例の土器川河川敷の燈籠流しと、自坊円龍寺が行っている灯籠流しについての案内をします。
土器川での燈籠流しは2017年から、塔婆や白木位牌や墓前灯籠も新しく受け付けるようになりました。ぜひ確認してください。
丸亀市仏教会燈籠流し | 円龍寺の灯籠流し法要 | |
法要日 | 2019年8月31日(土) | 2019年8月31日(土) |
法要開始時間 | 午後6時30分~ | 午後7時~ |
灯籠受付時間 | 当日の午後4時から午後6時30分まで | 当日の午後7時までならいつでも可能 |
場所 | 土器川河川敷の蓬莱橋下 | 円龍寺本堂と境内 |
位置 | 北緯東経:34°17’36.1″N 133°48’20.7″E | 香川県丸亀市金倉町372番地の1 |
特徴 | 宗派を超えた仏教行事 どの宗派の人でも燈篭を持ち寄れる 丸亀市外の人でも持ち寄れる 塔婆や墓前灯籠の供養も受け付ける 供養料がはっきりと決められている 読経後は燈籠を川に流さず、その場で焚き上げる | 浄土真宗寺院での灯籠流し法要 当日参加が難しい場合、事前に灯籠を持ち寄れる 円龍寺の門信徒でなくても参加可能 読経後に法話があり、持ち寄った人が灯籠を境内で焚き上げる 30台弱の車がとめられる駐車場がある |
灯籠流しとは?どんな意味があるのか
灯籠流しとはその名の通り、灯籠を流すということなのですが、香川県の場合では、主に吊り灯籠や置き灯籠・回り灯籠をお盆を終えた8月31日に読経の後に燃やす(焚き上げる)ことを意味します。さらにはお墓に置く竹で編んだ墓前灯籠も燃やします。
香川県ではお墓にも灯籠を置いたり吊ったりする習慣があります。関連記事『香川ではお墓にもお盆の灯籠をお飾りする』
香川県でもかつては灯籠を川から海に流していたそうですが、現代では環境に配慮して、川には流さずに火をつけて燃やし、また紙や木材で作られた灯籠のみを燃やしプラスチック製の灯籠には火をつけません。
香川県では葬儀の時に灯籠を購入し、その灯籠を中陰の間お飾りをします。満中陰法要の後に片づけたのち、また百か日法要や一周忌法要、三回忌法要の時に用意します。またお盆の時にもご仏前にお飾りします。
三回忌が終わり3度目のお盆のお勤め(8月15日ごろ)が終わりますと、それまで使っていた灯籠を流す(燃やす)のです。
灯籠流しは、送り火のようなものです。
土器川の燈籠流しは丸亀の夏の風物詩
灯籠流しの行事は、全国各地で見られます。
日程はそれぞれ異なるのですが、必ずお盆の行事が過ぎてから行われます。それはお盆に用意した燈篭はご仏前を彩る荘厳であると同時に、亡きご先祖を迎え入れる目印、迎え火としてお飾りするからです。
そのためお盆を過ぎた灯籠はその役目をおえますので、しまわなければなりません。しかしゴミとして処分するのではなく、送り火としてもう一度灯籠を灯し、仏事を行い供養していたのです。それが全国各地の多くで川や海に流す「灯籠流し」の仏教行事として行われていました。
丸亀市仏教会の燈籠流しは浄土真宗だけでなく、真言宗やその他の色々な宗派の寺院が合同で協力し行っており、宗派の垣根を越えての仏教行事です。ですのでもしも檀那寺が灯籠流しを行っていない場合や、灯籠をどこで流していいのか困っている方はぜひ8月31日の土器川での灯籠流しに持ってきていただけたらと思います。
葬祭業者が独自にしている灯籠供養もありますが、私としては宗教儀式として供養法要をしている土器川の燈籠流しをおすすめします。
主催は丸亀市仏教会ですが、後援やスポンサーには地域の石材店や仏壇店、いくつかの葬儀社が入っています。また丸亀の風物詩と銘打っているように40年以上前から土器川河川敷で焚き上げる燈籠流しを行っていますし、丸亀市長にも案内をしています。
丸亀土器川の燈籠流しは18時30分より法要開始
丸亀市仏教会では毎年8月の最終日である31日に、土器川河川敷(蓬莱橋の下)で燈籠流しを行っております。上に表示しているパンフレットの通りです。
2017年からは新たな試みをしています。
これまでは吊り灯籠・置き灯籠・回り灯籠のみを流していましたが、2017年からは塔婆や白木のお位牌、墓前灯籠も流します(焚き上げます)。これは今までも当日に受付に持って来られる方がいたり、仏壇屋からの要望があったからだと聞いています。
プラスチック製のものは今まで通り燃やすことはできませんが、受付に持っていただければ引き取り供養することができます。
なお法要の様子は私は写真に収めていないので、土器川灯籠流しの様子は、例えば後援企業の四宮石材のブログ『燈籠流し』や、丸亀市仏教会役員の蕪村寺のブログ『丸亀市仏教会燈籠流しを奉修』より確認してはどうでしょうか。
灯籠供養料
供養料の例
- 吊り灯籠1個と白木位牌1個の場合、2000円と1000円で3000円となる。
- 卒塔婆を2枚と墓前灯籠2個の場合、1000円となる。
- 吊り灯籠1個と回り灯籠2個(一対)と、卒塔婆1枚と白木位牌1個と墓前灯籠2個の場合、2000円と2000円と1000円で5000円となる。
注意事項
- 例年までは受付時間を「16時~」と案内していましたが、受付終わりがよくわからないとの問い合わせが多かったので、これからは「受付16時~18時半」と表記しています。灯籠流し法要は18時30分からです。それまでに灯籠を持ち込みください。
- 仏壇や仏具は受け付けておりません。お盆燈篭の供養行事です。
- お飾りするお花やお供物は市仏教会が用意していますので、持ち込みは不要です。
- 駐車スペースが十分ではないかもしれないので、早めの行動や会場場所の事前確認をお願いします。
*市仏の役員に聞きますと、駐車場に余裕はあるとのことです。
土器川灯籠流しの会場場所について
- 県道33号線沿い
- 蓬莱(ほうらい)橋の東側たもと付近
- 近くにはホテルニューキャッスル跡地、セブンイレブンや台湾料理味源
- 対岸には骨付鳥一鶴土器川店
- 河川敷には駐車スペースが少ないので、ご注意
円龍寺の灯籠流し。8月31日19時から法要開始
丸亀市仏教会では毎年8月31日に合同の灯籠流しを行っていますが、自坊円龍寺でも8月31日に、ご門徒向けに灯籠流しを行っています。
これは特段珍しいことではなく、香川では灯籠流しとは灯籠を燃やすことでもあるので、お寺や地域によっては灯籠を集めて焚き上げているところもあります。
円龍寺では3年目のお盆まいりを終えたご門徒さんには,当寺でも灯籠流しをしていることをお知らせしています。灯籠流しをされるご門徒さんは19時の本堂での読経開始までに灯籠を持ち寄り、吊り灯籠の方は灯籠を吊り、置き灯籠の人は電球を外して組み立てます。
読経後は住職による法話の後、お寺の境内で順次お参りの人の手で灯籠を燃やしています。次の記事で『2017年の円龍寺灯籠流し法要の様子』を紹介しました。読経から焚き上げまでは30分ほどの法要時間です。
金額について質問を受けますが、ご懇志に金額設定はありません。お気持ちをお供えくださいませ。
広告 - Sponsored Links
灯籠流しはメジャーな仏教行事
灯籠流しは全国各地で行われるかなりメジャーな仏教行事ですが、最近では参加者が減りつつあります。(地域によっては精霊流し「しょうりょうながし」とも呼んでいます)
ひょっとすると、それは家に灯籠をお飾りし、亡きご先祖を偲ぶお盆行事そのものが行われなくなっているからはないだろうか。灯籠が単なる賑やかしとしての道具になってしまい、お飾りし火を灯す中に亡き人を偲ぶご縁を頂いていることに気がつかなくなったのではないだろうか。最近では灯籠が単なる飾りとして扱われることから、葬儀業者の中には葬儀費用で購入している遺族に灯籠をお渡ししなかったり、後でお金がかかるからと言い回収するところまであります。
灯籠とは例えば私たちが、人が参ってくるときに玄関先の灯りを点けるようなものであり、亡くなった人が灯籠の灯りを頼りとして私たちのもとに還り(迎え火)、そしてまた灯りをともしてご先祖を送る(送り火)仏具です。送り火として灯籠流しの行事はお盆を迎えた私たちが最後にする供養です。
灯籠という形はとっていませんが、京都五山の送り火(大文字が有名)もまた、火を灯すことで亡き人を送り偲んでいく大切な仏教行事です。
お盆でお飾りした灯籠はそのまま片づけたり処分することなく、仏教会や檀那寺が主催している仏教行事に持っていき、読経や法話やお焚き上げに参加してください。