Podcast: Play in new window | Download
第48回目のラジオ配信。「7月のぼん」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
たまたまかもしれませんが、私の家に掛けられているカレンダーを見ると、全部のカレンダーの7月15日に平仮名で「ぼん」とあるんですね。
たったの二文字で「ぼん」と書かれても、馴染みのない人からすれば「ぼん」ってなんやねんて思うでしょう。
ぼんって言うのは「お盆」のことで、私の住むところとか全国的には8月にお盆の行事をすることが多いと思います。
今年は規模を縮小するらしいですけど、京都の五山の送り火も8月15日から16日にかけてするでしょう。あれもお盆ですね。
でもカレンダーをみると、7月15日に平仮名2文字で「ぼん」と書かれています。これってなぜでしょうかね。
これはですね。お盆の行事はもともとは7月に行われていたからだそうです。明治にかけて太陽暦に暦が変わるころに、いろんな行事が「ひと月くらい遅れてすることになってもかまへんか」みたいな感じになったんですね。
そんなわけで日本でお盆って言ったら、
- ひと月遅れの新暦8月15日を中心としたメジャーなお盆
- 旧暦7月15日のマイナーなお盆
- 新暦7月15日のマイナーなお盆
まあ他にも地域ごとにいろんな日取りのお盆ができたんですね。
で私の住んでいる香川県は8月をお盆月とも言って、お盆の灯籠や棚をお墓や仏壇にお飾りして、お坊さんや親族が集まってお勤めをするんですが、そもそもなぜカレンダーには7月15日を「ぼん」と書いているんでしょうか。
それはさっきも言ったように、7月15日がもともとのお盆の日だったからですね。
お盆の由来については割愛しますが、もともとこれはお釈迦様がいた時代のインドの生活スタイルと関係があるとされます。
日本ではこの6月から7月にかけては梅雨がありますね。曇りや雨の日が続いて気分が暗くなるのですが、インドでも雨季という雨が降る季節があります。
ただこれは日本の梅雨と違って、だいたい3か月から4ヶ月くらい続くんですね。
また雨の降り方も違って、日本の梅雨はしとしとと降って最後は雷と一緒に激しく降ったりしますよね。でもインドの雨季は、晴れているんだけども、一日の中で急に一時間くらい滝のような土砂降りの雨が降るんですね。それが春から3ヶ月くらい続くそうです。短時間に大量の水が降ってくるらしいです。
インドではこの雨季のおかげで、春から新しい生き物や植物が動きだしてくるんですね。
お釈迦様の時代から、この雨季になるとそういった新しいいのちをなるべく踏み潰さないようにするのと、外で修行するのにはちょっと不便だということで、お坊さんらがあっちこっちに出かけずに、一定の場所や建物の中に集まって修行をするようになったとされます。
お盆の行事のはじまりは、餓鬼世界に落ちている母を救いたい目連が雨季の間の巣ごもりの修行を終えたお坊さんたちにお食事とかを振舞って供養したことが由来とされます。それが7月15日のころとされるんですね。
日本の梅雨は昔みたいなしとしと雨ではなくて、線状降水帯や梅雨末期豪雨(ばいうまっきごうう)といった聞きなれない雨になってきましたね。
インドの雨季みたいに、急に短時間に激しい雨じゃなくて、何時間も何日間も狭い範囲に集中して連続して降り続けるから、まあたちが悪いですね。
今年の雨はどうも気分が乗りにくい雨です。
明日は「ぼん」です。日本ではまだまだ雨は続くようですが、古くからインドでは巣ごもり修行していた僧侶が外に出てくる時です。そして一堂に読経をするそうです。また賑やかに食事をするらしいです。
今年の8月のお盆はコロナウイルス感染予防でなかなかみんなが集まることは難しいでしょう。
ひと月ほど早いですが明日7月15日もぼんなので、めいめいが先祖を想い仏さまに手を合わされてはどうでしょうか。別に8月にならないとお盆をしてはダメなわけではないですよ。昔は7月が盆でしたからね。
7月も8月も先祖を思って仏さまにお参りしましょうね。
「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。