こんばんは。 かっけいです。
2018年のセンター試験「地理B」で面白い問題がありましたね。
ニュースでは『受験生が発狂・解けない』や『ムーミンなんか知らない』・『ムーミンの舞台はフィンランドじゃない』とまあ否定的な内容が多い印象です。
でも実際に出題された内容を見ますと、地理的観察力や読解力が問われるGOODな問題に私は感じます。
以下、私が感じた地理Bのムーミン問題についてです。
まずはどんな形で出題されたのかを確認しようね。
地理Bは大問が6つあり、ムーミンの問いが出てきたのは大問5の一部です。
大問5はヨシエさんが旅した北欧のノルウェーとスウェーデンとフィンランドを比較した資料を読み解く問題でした。
そして話題のムーミンの問題は問4です。
……どうでしょうか。結構いい問題だと感じませんか。
決して『ムーミン漫画』を知らなくても答えを導き出せますよね。理不尽な問題ではありませんよね。
むしろ大問5の問1・問2・問3・問5の方が難しいくらいです。(新聞等で内容を確認してほしいですが、問1は最も寒い月と最も暖かい月の月平均気温から3か国の正しい組み合わせを。問2は3か国の発電エネルギーの割合を円グラフから読み取り、エネルギー源の組み合わせを。問3は貿易の総輸出額に占める品目別の違いなどから正しい3か国の組み合わせを。問5は公的社会支出と租税負担率からの出題と。どれもある程度の事前知識が問われています。)
ムーミンの問題はサービス問題。余裕があれば誰でも解ける。
今年の地理Bの問題文全体を見ていただいたらわかりますが、アニメや漫画からのイラスト(出題)は大問5の問4だけです。
大問5ですから、試験も終盤に入ってくる頃でしょう。
60分の試験時間ですので集中力も切れてくる頃かもしれません。
ここまでは難しい資料や図表・グラフを読み取り、頭もヒートアップしているでしょう。
そんな時にふと、「ムーミン」のイラストを含めかわいいイラストが出てきたらほっこりしませんか。
またこれは正直サービス問題ですよね。
おそらく地理Bを勉強したことがない人でも、第5問の中ではこのムーミンの問4だけは解くことができるでしょう。
それはこの問題が雑学を問う・クイズのような問題だからではありません。ムーミンを知っているかどうかも肝心ではありません。
もっと言えば、ムーミンのイラストが黒塗りで潰されていても答えを導くことができますよね。
この問4だけは3か国の組み合わせではなく、1か国を例として示し、残りの2か国の組み合わせが問われていますよ。(その時点で選択肢の幅が絞られて単純になっていますし、例に示した1か国(スウェーデン)がヒントですよっといっていますよね
ムーミンの下のイラストにはバイキング・海賊が示されていて、すぐにノルウェーとわかりますよね。するとムーミンはフィンランドですね。
また言語のヒントも「いくらですか」という言葉もスウェーデンの言葉とよく似たのをチョイスしてくれており、このことからも大問5の図1の3か国の地理的要素を見れば、スウェーデンとノルウェーは言語が似ているんだろうなあ想像できますよね。
ムーミンのイラストを単独で出されて、「ムーミンに関する国を選べ」と言われればそれは単なるクイズであり悪問と言われるでしょう。
しかし今回の問題は各所にヒントが散りばめられており、落ち着いて情報を整理できる受験生なら回答を導くことができる「地理の良問」ではないだろうか。
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さいごに。
センター試験は2020年から「大学入学共通テスト」に移行するようです。
出題方式が徐々に変化していくようで暗記だけでは解けない、考えさせる設問の比重がさらに増えるとされます。
地理・歴史は24年度から記述式出題も予定されているようです。
今回のムーミンの問題は時間に追われながら回答している受験生にとって、余裕のある人にとっては良問であり、余裕がなくなった人にとってはクイズのように感じ最低な問題だと感じたかもしれません。
考える力・地理的センスが受験という緊張感のある舞台でも発揮できるかが問われたように私は感じます。
そんなに騒ぐほどだろうかなあ。