毎年ソラマメとエンドウを家庭菜園しているかっけいです。
もう10月の27日で間もなく11月を迎えようとしています。10月下旬ですので来年の春に収穫するマメ科野菜は今が種まき時ですね。
今回はソラマメとエンドウの種まきを説明します。
どちらも比較的簡単に発芽する野菜ですが、ある点に注意しなければ同じ失敗を何度でもしてしまうかもしれません。
発芽に失敗しないための要点
- 種まきをする土(培土)は気相を多く含むこと
- 土(培土)が清潔であること
- 種を水に浸さないこと
- 種を深く埋めないこと
- 水やりをしすぎないこと
もっと簡単に一言でまとめると「種に水を与えすぎず、酸欠状態にさせないこと」です。
発芽のよくある失敗とは種を腐らすこと
たいていの場合、発芽に失敗するのは種がドロドロになっていて、腐ってしまったことではないでしょうか。
野菜の種をまくとき多くの栽培書では、種を半日や一昼夜の間、水に浸しておきましょうと書いてありますよね。そして種をしっかりと土に埋めてあげましょうと書かれていますね。
硬い種を発芽させるには全くその通りなんですが、マメ科の野菜にはその発芽方法は当てはまらないんですね。
マメ科野菜のメジャーな野菜では、ソラマメ・エンドウ・枝豆・インゲン・落花生がありますが、それらに共通して言えるのが、種の腐りやすさです。
種が発芽するための要因
植物の種が発芽するためには次の3つ要素が必須になります。
- 水
- 温度
- 酸素
①水やりは種まきの基本ですね。
おそらく初めて何らかの種をまく人でも、水やりだけはしないといけないイメージがあるのではないでしょうか。
お店で種を買うとたいていはカラカラに乾燥した状態であるはずです。そこに水を与えることで、発芽に目覚めるんですね。しかし物事には加減があります。マメ科の野菜は種まき時にしっかりと水やりをすると、十分に膨れますし、そのときの水で発芽に必要な水分量は確保できているんですね。
②次に温度です。
これもなんとなくイメージできているんではないでしょうか。
例えばですが、気温が氷点下になりそうなほど寒い時期に種をまいたら、発芽するでしょうか。40度を超えるような暑さで発芽するでしょうか。種の発芽にはそれぞれ適切な温度があるんですね。ただし野菜は発芽させるだけでなく、そのあとの生長にも適切な温度、日照などがあるため、いつでも種をまくことができるわけではないんですね。温度をコントロールできるならば、いつでもまくことができますが。
③最後に酸素ですね。
これがマメ科野菜の発芽を失敗する大きな要因だと思います。
①で水を与えると種が発芽に目覚めるといいましたね。植物も生き物ですから呼吸をしないといけないんですね。その時に水気が種の周りに必要以上にあると窒息してしまいます。例えがよろしくないですが、例えば生まれてきたばかりの赤ん坊に、水気を多く含ませたマスクをするとどうなりますか。呼吸が苦しくて生きていられないのではないですか。
実は水やりと酸素には関係性があります。
ポットの中に完全に乾いた土を入れますと、ポットの中は固相(土)と気相(空気)の状態であると言えます。そこに水を注ぐと土の隙間に水が流れ込みポットの中に、土(固相)・空気(気相)・水(液相)ができます。
土の割合は変わりませんので、最初の培土の状態で、水やりしたときの酸素の量が決まってくるわけです。
余談ですが発芽には光の要因があったりもします。しかし今回のソラマメ・エンドウの種まきには関係ないので省略します。
種まきを順番に解説
ここからは実際に種まきの様子を写真付きで解説します。
ただしこれは私のやり方であり、一例としてみてください。
場所:香川県 暖地であるとされる。時期:10月下旬におこなった。香川では10月中旬から11月中旬が適期とされます。
種まきの用意
- 園芸培土:私が用意したのは、10リットル税込み101円の格安の土。清潔であればいいので、一番安くて大丈夫です。
- 種まき用ポット:使いまわしでいいですが、私は事前に水で洗いました。
- 種:採取した種の状態がよろしくなかったので、新しく買いました。
種まきの手順
①培土の調整
格安園芸培土の土のままだと気相が少なく感じたので、気相を増やすための調整をしました。
気相を確保するためにココピートという資材を用いました。なければもみ殻でも同様の効果があると思います。これを目分量で全体量の20パーセント程混ぜました。
↑上の写真が気相を確保した土です。これで下準備完成です。
②土をポットに入れていきます。このとき遠慮せずにしっかりと上の方まで土をいれました。
ポットに土を入れましたら、種をまく前にたっぷりと水をポットに含ませます。
その時に、下から水が流れ出るように少し下を浮かしています。
③種を土に埋めます。ここが一番重要です。
ソラマメを上から下まですべて埋めてしまわないことが成功するコツです。
こうするとソラマメがすごく楽に呼吸ができるようになります。
埋める向きは上の写真の黒いところ「お歯黒」と呼ばれる方を下にして土に埋めます。この部位から根が出てきます。
続けてエンドウです。エンドウは種全体を土に埋めますが、それほど深くする必要はありません。上記の写真のように人差し指の第一関節ほどに私は埋めています。
あまり種を深く埋めてしまうと、過湿状態になり腐りやすくなってしまいます。
④最後にソラマメとエンドウに少し土をかけ、軽く押さえましょう。
これは種を土と密着させ固定させるためでもありますが、毛細管現象によりポットの中の土から水分が上がってくるので、ポット上部の土の湿度がある程度保たれる意味合いもあります。
⑤最後にもう一度ポットに水をかけました。
これで土と種が完全に密着し、また十分な水分が確保されたと思います。
今後はおそらく3~5日で根が土の中で出て、7日から10日間で葉が展開してくると思います。水は土の表面が乾いた時のみ与えるので大丈夫です。毎日すると腐ったりします。水をやるときはしっかりポットの底から流れるほど与えましょう。そうするとポットの中の酸素が新しく入れ替わります。
水やりの頻度を減らすには、上から新聞紙をかけたり、鳥から狙われるのを防ぐために網を張ることを聞きますが、私はしたことがないのでわかりません。
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さいごに。豆は慣れると発芽しやすい
私は今回ソラマメの種をポット一つに2粒ずつ、エンドウを4粒ずつまきました。
農家ではソラマメを1粒ずつ、エンドウを2・3粒ずつまいているそうです。
ただ家庭菜園で栽培するのであれば、種袋の種をすべて使いますと上の写真ほどの量で充分すぎますし、ポットに複数粒まいておけばもしも片方が発芽しなっかたときの無駄が少なくなります。
二つ揃って発芽しないことはまれです。また一本で育つよりも複数本で育つ方がお互いが競争しあって、丈夫に育つとも聞きます。
ソラマメ・エンドウは冬を乗り越えて、春に私たちに可愛らしい花を見せておいしい実をつけてくれます。今日は種まきについて説明しましたが、機会があれば今後の管理も説明できればなと思います。
ソラマメやエンドウなどのマメ科の野菜は種まき用の土に空気の層を多く含ませ、水やりをしすぎて腐らさなければ、無事に発芽できることでしょう。むしろ発芽しやすい野菜だと思うので、種から育ててみてはどうだろうか。
なお今回は種まき方法について説明しましたが、また今後の管理も説明できればなと思います。マメ科の野菜はアブラムシが発生しやすいからね。