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生ごみコンポストは冬に始めるのがおすすめ.#266

第266回目のラジオ配信。「冬に生ごみコンポストを始める」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

内容まとめ
  • 台所の生ごみはゴミとして出さなくてよくなる
  • 屋外に設置する生ごみコンポスト容器は冬にはじめるのがおすすめ
  • 虫や悪臭の発生といった失敗のリスクがなくなるから
  • 寒い時期は水分の調整がしやすい
  • 寒くても微生物は働いてくれている
  • 落ち葉やもみ殻、稲わらは秋冬が手に入りやすい
  • 米ぬかや微生物資材「カルス」などは必須ではない
  • 炭やもみ殻燻炭もいれなくていい

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。

今回は仏教の話ではなくて、コンポストのお話です。

私が生まれるずっと前から、私の家では屋外に緑色のコンポスト容器を設置して利用しています。

なので、私の家では今までに生ごみをゴミとして出したことはありません。

生ごみというのは、料理をして出る野菜や果物の皮や芯や種といった調理くず、他、食べ残し・残飯、コーヒーやお茶っぱの出がらし、カニエビや貝類や木の実などの殻、鳥や牛の骨などなど、台所ででるすべての生もののことです。

私の家では、そういったものは全部コンポストで土にかえしています。

私はコンポストで堆肥化、土にかえすのが好きなので、今では屋外にコンポスト容器を六基設置しています。

それで今回のお話、屋外設置の生ごみ容器、コンポスターは冬に始めるのがおすすめということをお話します。

すでにコンポスト容器を設置されている方にはあまり関係のない話ですが、これから始めようかなあと考えている初心者には、ぜひ聞いてほしいお話です。

勘違いしてほしくないのは、生ごみコンポストは一年中どの時期でも始めることができますよ。ただし初めての人にとっては、冬の寒い時期の方が始めやすいというお話です。

さて、それではなぜ冬がおすすめなのかというと、理由は失敗しにくいからです。

生ごみコンポストでの失敗と言えば、例えば、ウジ虫やハエが大量発生した(気持ち悪い)や、嫌~なくさい臭いが発生して蓋も開けたくないといった状態のことです。

冬場の生ごみコンポストはそういった失敗がないので、初心者の方にはとてもおすすめ時期だと言えます。

ただしインターネット上には、冬場のコンポストは、生ごみが全然分解しないという悩みを持っている人も多いのは事実だと思います。

でも心配ないです。

土の中の微生物は、土の中の温度が15度以上あれば、活動は遅くてもしっかり働いてくれています。

けっして分解していないわけではないので、冬場でも生ごみをコンポスターに入れられます。

初心者の人は、生ごみが毎日毎日目に見えて減っていく、消えていってくれるようなイメージを持っているかもしれませんが、そうではなくて、気がついたら見えなくなった・土にかえっていったと思った方がいいです。

もう少し話しをしますね。

夏場よりも秋から冬の寒い時期の方が生ごみコンポストはやりやすいです。

それはなぜかというと、コンポスターには腐ったものを入れない方がいいからです。

夏はとても暑く、台所で出た生ごみはすぐに腐ったような状態になってしまいます。

腐ってしまうと、ベトベトになるだけでなく、悪臭もひどく発生します。そして悪いことに、分解に役立たない微生物も多く増殖してしまいます。

こういった腐りかけたものをコンポスト容器に入れた場合、乾燥した土や枯れ葉を同じ量プラスして水分量を調整したりするなど、生ごみ以外にも入れるものが増えていき、手間がかかります。

それと水分の調整は冬場が楽というのもおすすめの理由にも挙げられます。

夏前後、梅雨や台風の時期は雨が多く、屋外設置のコンポスト容器は置き場・管理が難しいです。

地面に設置しているタイプだと、コンポスト容器の下から水分が染み出てくる可能性もあるでしょう。

でも冬場は雨も少なく、そういった心配は少ないです。

よく生ごみの堆肥化には水分が大事といわれて、発酵液や水のようなものをわざわざ加えている人もいるようですね。

でもそんなことは基本しなくていいです。

というのも生ごみの90%近くは水分でできています。

水気を加える必要はまったくないです。

むしろ生ゴミコンポストの場合、水分割合は50~60%が微生物が一番よく働きます。70%以上になると、腐る方向になり、失敗の元です。

冬場は雨が少なく、コンポスト容器内に水気が入りにくく、水分割合が増えにくいです。だから失敗しにくいです。

それと秋から冬にかけては落ち葉やもみ殻、稲藁が手に入りやすいのもいいですよね。

水気が多いなあと感じた場合は、こういった落ち葉やもみ殻稲わらを生ごみコンポストに入れると水分調整ができやすいので、そういった点でもやっぱり冬の方がベストな時期です。

とくに、枯れ葉には枯れ葉を分解させようとする微生物がたくさんついているので、おすすめです。

乾燥しているから生ごみコンポスト内の水分量の調整に役立ちますし、枯れ葉が入ることで、隙間を作る役割があるので、生ごみの発酵しやすい環境を作ってくれます。

入れる目安についてですが、難しく考えなくていいです。生ごみの量と同じくらいの量をいれても大丈夫です。もちろん入れなくても、生ごみは分解されますので、無理に入れる必要はないですよ。

枯れ葉やもみ殻を入れたらコンポスト容器内の水分割合が減って生ごみが分解されないんじゃないかと思うかもしれませんが、問題ないです。

たしかに50~60%ぐらいが一番、微生物が活動しやすいですが、30%以上あれば働いてくれます。

それに生ごみはしょっちゅう足しますよね。生ごみの90%は水分なので、枯れ葉やもみ殻を入れすぎても、生ごみを入れていけば、すぐに50・60%に戻ります。

それとちょっとだけ難しいことを言いますね。

生ごみの堆肥化には窒素と炭素の割合が実は重要なんですね。水と空気のほかに。

で、生ごみを土にかえす、もっと言えば、堆肥にするには炭素と窒素のバランスが20がベストとされています。

炭素が窒素の20倍あるといったイメージです。

つまりいい生ごみたい肥を作りたいなら、炭素を窒素以上に必要とするわけです。

ただし台所で出る生ごみというのは、窒素がとても多いです。炭素と窒素の割合の炭素率では生ごみは10以下です。

なので、こういった面から見ても、炭素率が50以上もある枯れ葉やもみ殻といった炭素が多く含まれているものを生ごみコンポストに混ぜてあげた方がいいですよね。

合わせて水分量の調整もできますからね。

こういったもみ殻や稲わらや枯れ葉といったものは、夏よりも秋冬の方が手に入りやすいですよね。

だから冬の方がおすすめなんですね。

春から夏秋は温度が高く、上手くいけばどんどん生ごみが分解されますが、一方で変化が激しく、初心者には失敗のリスクも増えます。

冬寒くても、微生物は間違いなく働いてくれていますので、屋外設置の生ごみコンポストはこれからはじめる人には冬にするのが私はおすすめだと考えています。

以上で、今回のお話を終えますね。

それと最後に余談ですが、YouTubeとかだと、映像で生ごみの分解方法が紹介されていますよね。

でもそれを見ると、ほとんどで、「米ぬか」を使ってください、微生物資材「カルスなんとか」を入れてください。といっていますよね。

でも正直、そんなのはなくても大丈夫です。いらないです。そんなの使わなくても、生ごみは土にかえります。堆肥になります。

私もいままで生ごみの分解をし続けてきましたが、一度も使ったことがありません。「米ぬか」や微生物資材は必須じゃないです。もっと気楽に始めてみてください。

それと最後にもう一つだけ、余談で、生ごみたい肥にもみ殻燻炭や炭をいれるかどうかというお話をしておきます。

私の場合は、生ごみコンポストにもみ殻燻炭や炭を入れたことはないです。

でも入れるのをおすすめされる人もいます。

入れる理由としては、炭は水分を含まないので、コンポスト容器内の水分量の調整をしやすいこと、それと嫌な臭い吸い取ってくれるから、嫌なにおいが感じにくくなること、それとアルカリ性に少し傾いていて、コンポスト内を発酵にいい環境にしやすくしてくれるメリットがあります。

それだけ聞くと炭、もみがら燻炭をいれるのはメリットしかないように思えますが、そうではない面もあります。

というのは、炭は炭素率の調整には何の効果も無いからです。

炭は炭素からできているから窒素分の多い生ごみを発酵に良い炭素率20に近づけるのに役立つと思われるかもしれませんが、炭の炭素は微生物が利用できません。分解できないんですね。鉱物と同じようなものです。

炭は炭素率の変化に役立たないのと、微生物が利用できないので、私は炭を生ごみコンポストにいれないです。

それを入れるぐらいなら、枯れ葉やもみ殻、乾燥した土を入れます。

ちなみにもし炭を入れるのなら、生ごみの量に対して、10%ぐらいがいいらしいですよ。

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