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第259回目のラジオ配信。「無料配布の堆肥」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。
今回は自治体が配布している園芸資材についてのお話です。
丸亀堆肥というのを中心に話していきます。
ちなみに私は香川大学の農学部出身なので、土や肥料や植物に対してはちょっとは知識があります。
さて、香川県丸亀市ではここ数年11月になると、丸亀市民を対象に、市が作った堆肥を無料で配布しています。
この堆肥は丸亀市の除草で発生した刈草を、ごみの減量化や二酸化炭素の排出抑制のために堆肥化したものだそうです。
昨今話題の、持続可能な開発目標、SDGsに貢献する活動で作られたもので、いわゆる刈草の堆肥、草堆肥ですね。
私の家ではこれまで何十年もコンポストを使って、家の生ごみを生ごみ堆肥にして循環して使っているので、堆肥をもらいに行くという考えはなかったのですが、今年は初めて試しにもらいに行きました。
というのも今年はコンポスト容器を新たに二つ買って、雑草堆肥を今まさに作っているからです。
雑草堆肥は作ったことがないので、自治体が作った草堆肥がどんなものなのか、どういった状態を目指したらいいのかを確認したくて、一袋だけもらいに行こうと思ったしだいです。
ちなみにここ数年丸亀市の堆肥をもらいに行っている人から話を聞くと、普通の堆肥だそうです。
丸亀市の公式サイトや公式ラインでは2024年は11月7日から配布のお知らせがありました。
ここ数年もらいに行っている人からは「12月にもあるよ」と聞いていたので、11月の中頃に行ってきたのですが、今年はちょっと様子が違ったようです。
私が行ったのは配布のお知らせから2週間もたっていないときだったのですが、今年はもうすでに丸亀堆肥がありませんでした。
配布場所にいた職員さんに話を聞くと、今朝来たときにはもうなかったと言ってました。
それとやっぱり去年は12月にはまだあったと言ってました。
丸亀堆肥と名前を付けて、無料配布の認知度が広まった結果なんでしょうね。
一袋だけでももらえたらと思っていたのですが、今年は2週間たたずして、十日余りで堆肥の無料配布は終わってしまいました。
一応、一家族5袋までで、5000袋以上用意されていたようですが、こんなに早くなくなるとは想像以上ですよね。
一日に100人前後の人が受け取りに来たということなんでしょうかね。
結局、丸亀市が作った刈草堆肥がどういったものなのかこの目で見て確認できなかったのは残念ですが、丸亀市の公式ウェブサイトでは主要な成分の含有量が表示されていたのでこれだけを参考にします。
これによると、N(窒素)は1.8%、P(リン酸)は1.7%、K(カリウム)は1.3%、水分含有量は45.3%とあり、私が知る限りの、草で作った堆肥の範囲内です。Pが高いのが気になりますが、材料か、堆肥化をするときになにか仕掛けがあるのでしょう。
刈草だけだと、普通はPは1%を下回ると思います。
それで一番気になったのは、C/N比が10であることです。
C/N比というのは炭素と窒素の比率のことで炭素率とも言います。C/N比が10というのは草から作った堆肥としてはかなり低い数値ではないでしょうか。
これがどれくらい低いかというと、油粕や鶏糞肥料なみの低い数値なので、堆肥というよりも肥料に近い数値になっています。
おそらく草だけで堆肥を作ると、普通はC/N比は20から25当たりになるはずです。それにC/N比は20から25が一番使いやすい範囲だと思います。
丸亀堆肥はC/N比が低いのだけがちょっと気になりますね。もちろんあり得る数値ではあります。
実際に目で見てどんな堆肥か確認できなかったのが残念ですが、これから使われる方は例えばプラスチックといった分解されないものが混入していないか一応の確認はした方がいいでしょうね。
入ってはいないでしょうが、やっぱり自分が使うものですし、ただで頂いているものですから、中身はキチンと確認するべきですね。
完全に堆肥化されているか、土に混ぜても大丈夫かどうかは自分の目で確認しましょうね。
さてそれでこの成分表だけ見ての判断ですが、どのようにこの無料配布された丸亀堆肥を使えばいいのでしょうか。
野菜やお花を植えるための土づくりにこの堆肥を土に混ぜるというのが一般的な使い方なんでしょうが、ちょっともったいない気がします。
もちろん堆肥という面からすると効果的であり悪くない使い方なんですが、この堆肥はC/N比が10ととっても低く窒素が非常に多い特徴を持っています。
つまり土に混ぜてしまうと、さっさと分解されてしまいます。
なのでもしも土に混ぜるのであれば、今の11月12月ではなくて、春3月4月ごろお野菜やお花を植え付ける一週間から2週間前に土に混ぜてあげた方が、より効果的だと思います。
あるいは窒素が豊富なんだから、植物が成長期の頃に使ってあげると効果的でしょう。例えば新芽が動きはじめた時や成長が盛んな時に、株もとに混ぜこんであげると効果的だと思います。
何にせよ、今、土に混ぜるのはちょっともったいない気がします。
ちなみに私は堆肥を手に入れられませんでしたが、もしも堆肥をもらっていたなら、次のような使い方をするつもりでした。
一袋の場合は、今作っている最中の雑草堆肥に役立てようかと考えていました。
まずはこの丸亀堆肥の草堆肥がどんなものなのかを目で見て、手で触って、匂いを嗅いで、完成形の参考にしたかったです。
その後は、雑草堆肥のコンポストの中に混ぜこもうと考えてました。
草堆肥には、草の分解を助ける微生物が多く含まれているはずですから、分解が遅れている部分の堆肥化を補うために使いたかったです。
もしも上限の5袋までもらったのなら、私なら玉ねぎやニンニクや果樹のマルチングに使っていたと思います。
さっきも言ったようにこの丸亀堆肥はC/N比が低いため、土に混ぜるとすぐに分解されるでしょう。
今の寒い時期に土に混ぜても植物はあまりNPKを吸収しないのでもったいない使い方だと思います。
それよりかは植物の周りの土の表面に覆うように堆肥をかけてあげた方が、徐々に土壌に栄養が供給されますし、冬場の乾燥を守る保湿の役割、それと寒さから守る保温の役割を担うことができるので、私なら、この丸亀市の無料草堆肥は冬場のマルチングとして使いますね。
私のようにポリマルチはゴミになるため、使わない人もいるでしょうから、そういった人はこの草堆肥でマルチングしてあげるといいような気がします。
もしも土に混ぜこみたいなら、春温かくなって、何かを植え付ける前や、植物が育っているときにした方がいいでしょうね。
さて、一袋丸亀市が作った草堆肥がほしいなあと思ったのですが、今年は10日あまりでささっとなくなってしまいました。
(来年はもっと早く十日足らずなくなるかもしれませんね。)
せっかく車を走らせて行ったのに、手ぶらで帰るのもどうかと思ったので、丸亀城に行って、お城の落ち葉を無料でいただいてきました。
これは11月15日から行われているもので、丸亀市では、丸亀城の清掃で集められた落ち葉をただで持ち帰ることができます。
それを帰りしなにもらって帰りました。
もらえる場所は、お城の南側のからめて門のところで、袋詰めにされています。
期間中は車で近くまでいけるはずでしたが、私の時には閉まっていて歩いて取りに行きました。
こちらも結構人気なのか、無料配布されてたった数日なのに、私がいったときにはほぼなかったです。
一応1月中頃までの期間中は、順次清掃されていって落ち葉の袋を足してくれるのでしょうが、こちらも運が悪いと、落ち葉を貰えない時があるかもしれません。
私はこの丸亀城の落ち葉を今回はじめていただきました。さっそく雑草堆肥作りに使っていくつもりです。
雑草だけだと窒素分が多いので、落ち葉を入れて炭素源の補給に役立てます。
それと落ち葉、枯れ葉にはその枯れ葉を分解しようとする微生物がたくさんついているはずなので、それをコンポストに入れたいのも理由にあります。
また落ち葉は乾燥しているのでコンポストの水分割合を調整するのに役立ちますし、アンモニアの匂いを抑えるのにも役立ちます。
なので今回は丸亀城の無料の落ち葉をいただいてきました。丸亀堆肥の代わりに。
もちろん使う前には中身を確認しました。
松やイチョウのように分解しにくい葉っぱは入っていませんでしたし、タバコの吸い殻やプラスチックゴミが入っていなかったのは良かった点です。
一方で、小石や草の種が混じっていたのは気になりました。小枝も少しありました。
私はわかったうえで使いましたが、何も考えずに畑にまくと小石がまじったり、雑草が生える原因になるかもしれないので注意が必要ですね。
こちらは写真にとっているので、もしかしたらこの音声を載せているブログ記事に載せるかもしれません。
無料配布の落ち葉は清掃の場所や時期によって、当たり外れがあるかもしれないので、必ず中身は確認して使いましょうね。
さてそれで最後に、今回は丸亀市で無料配布している刈草の堆肥、落ち葉について話しました。
SDGsの取り組みでここ数年続けられていることです。
こういった取り組みは他の地域でもあったりします。
例えば、お隣の香川県綾川町では「綾川たい肥」が無償で町民に配布されていますし、国土交通省の四国地方整備局では土器川産の堆肥を無償で提供しています。
こういった堆肥は秋の終わりから冬の間に提供されていることがあるので、ほしいのであればお住まいのところの情報を日ごろからよくキャッチしておくといいと思います。
丸亀市の場合、公式ラインを登録したり、公式サイトを頻繁にチェックしたらいいと思います。
また堆肥でなくても、例えば、丸亀市の土器川では5月ごろに河川敷の刈草を無料提供してくれています。
他にも、香川県多度津町にある瀬戸グリーンセンターでは、し尿処理施設で汚泥をリサイクルした完全有機肥料が一袋50円と安価な値段で売られています。
そういったように周りを見渡すと、いろんなところで、無料であったり、安価な値段で有機園芸資材が手に入ります。
これは香川県に限った話ではないので、お住まいのところで、そういったものがないか、調べてみてはいかがでしょうか。
もちろん、使う前に、必ず中身をチェックして、各々の判断で使ってくださいね。
タダ同然でいただいているものなんですから、使った結果は自分で責任を持ちましょうね。