お坊さんの着物の袂には何が入っているのか。結構な収納力よ

こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。

以前、お坊さんの持ち歩いているバッグの中身について紹介しました。

お坊さんである私にとっては凄く当たり前の内容ではあったのですが、なかなかの反応がありました。

ですので今回は、お坊さんが着ている衣について紹介します。

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お坊さんの着物とは。

お寺さんの衣

この黒色の姿が浄土真宗のお坊さんの姿です。

お坊さんの着物とは正しくは衣(ころも)と呼びます。

衣には2種類あって、色衣(しきえ)と道服(どうぶく)があります。

写真の衣は道服の方で、お坊さんが法要儀式・布教の時などに着用しています。一般のお参りにもこの姿をしているはずです。

この道服の下側には白衣(はくえ)という衣を着用しています。

荷物が入る袂(たもと)はどこ

衣の袂

お坊さんの手が衣から出ているところが袖口(そでぐち)と言われています。ここから荷物の出し入れをします。

そしてその手を引っ込めたところは袖丈(そでたけ)と言われます。

下に着ている白衣も上の道服と同じくらいの大きさです。

ですのでお寺さんの袂は写真で示したように広い袋状の空間があります。ここにちょっとした荷物を納めています。

僧侶の袂の中身

免許証・鍵

免許証と鍵

まずはカード入れと車のカギです。

これらはカバンに入れてもいいのですが、お参りの際にちょっとした荷物を車に取りに行くときや、急用で車に乗って行かなければならないときに便利です。カバンを持ち運ぶ必要がないので。

念珠

念珠

次は念珠ですね。

これは普段私が持ち歩いている念珠です。

お坊さんは念珠を必ず手に持っているわけではありません。

持ち運ぶときは念珠入れや鞄に入れることもありますし、手首に掛けていることもあります。

念珠入れ

念珠・経本入れ

真宗興正派では合掌時には必ず両手に念珠を掛けるのですが、それ以外では手首に通していたり、しまっていたりします。畳や床の上など、歩くところに置かないためです。

念珠を袂に入れるのは素早く出し入れがしやすく、すぐに合掌ができるからです。

タオル(ハンカチ)

ハンカチ

そして意外と重要なのがこのタオルです。

時にはハンカチを使っています。ただハンカチは生地が薄いのでしょうか、一度手を拭くとすぐに湿ってしまいます。また大きさも小さいです。

ハンドタオルもしくはタオルハンカチは大きく、タオル地も厚く手拭きとしては最高です。

そして大きな利点として、ひざ掛けがあります。

ひざ掛け用ハンカチは既に商品として売られていますが、あのようなレースのついている装飾は必要ありません。

タオルひざ掛け

香川県では法事参りの最初におうどんの接待を受けることが多く、そのときにひざ掛けは重宝します。真宗興正派では道服の裾を横にずらして、下の白衣を表に出します。白衣が汚れないようにするためにはこのタオルが有り難いです。

またお茶を頂くときには湯呑の底が濡れている時がありますので下を拭きとるように飲むときもありますし、法要後の食事の時にもひざ掛けとして使います。

そしてお坊さんならでは使い方がもう一つあります。

香炉の持ち運びの時に使います。

これは気づきにくいかもしれません。

大勢の人がお焼香をするときには香炉に香炭(こうたん)を使います。香炭はお焼香用の熱源ですので、少量ながらでもかなりの熱を持ちます。

香川のような田舎では自宅でする法事が多く、お焼香はお坊さんがした後で、家の人からお参りの人へお焼香盆が回されていきます(「回し焼香」と言います)。この焼香方法は移動する人が少なく、狭い空間では便利なのですが、1人ずつお焼香するため時間がかかり、お坊さんがお勤めしているお仏壇付近に戻ってくるのは10分後や20分後になります。

一人ひとりのお焼香が終わった香炉は、再びお仏壇にお飾りします。

その時はどうしても香炉を持たなければいけないのですが、持てません。熱すぎます。

そこで役に立つのがタオルです。

香炉をタオルを通して掴むことで手に伝わる熱を和らげることができます。使う頻度は少ないですが、非常に役立ちます。


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さいごに

僧侶が着ている衣の袂は非常に容量が大きく、たくさんの小物が収納できます。

それこそ魔法のように出てきます。

衣の大きさは人それぞれですが、私の衣の袂には1リットルのペットボトルも何とか入ります。500ミリリットルの容器でしたら楽に入ります。

お坊さんによってはこの袂に、袋紙や財布、スマホ、メモ帳などなど、色々な小物を入れています。

懐も便利なところ。

懐・懐中

袂と同様に懐(ふところ)も便利です。懐中(かいちゅう)とも呼ばれますね。

懐中とは物を入れるところではないかもしれませんが、お坊さんはここに物を入れることもあります。

また真宗興正派では経本・声明本・和讃本を手で持ち運ぶのは相応しくなく、お堂に入る場合は懐中に所持して入道することとなっています。

袂や懐は案外安心です。

写真ではわかりにくいかもしれませんが、袂の袖口は手首の位置で高いところにあり、中身がこぼれません。荷物を入れるとその分袂も下がり中身が落ちることはありません。

懐中も入れ口が少し高めになっているので、たくさんの物を入れない限りはこぼれる心配はありません。ただし袂よりも容量は少ないですし、頭を下げたり、横になるときには向きません。しかし立っている時や移動時には懐中の荷物の重さによって懐が下がりますので、安定します。

さいごに

前回のカバンの中身に続いて僧侶が着ている衣に納めている荷物について紹介しました。

カバンと同様にそれほど大したものは入っていなかったかもしれません。

今回紹介したもの以外にも状況に応じて、ライターやねじり香合なども入れたりしています。

やはり袂に入れるものは素早く出し入れでき、すぐに使える小荷物が中心となります。

ただ容量があるからといってたくさん入れすぎると、袂が膨らんで見た目が悪くなるので、上で紹介したようなタオル・免許証・鍵・念珠ぐらいがちょうどいい量だと思います。これを左右の袂に分けて納めています。

よろしければこちらのお坊さんが普段使っているカバンの中身についてもご覧ください。

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