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お坊さんのために仏壇に用意するのは座布団がよいのか椅子がよいのか

投稿日:2017年8月9日 更新日:

こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。

最近ではお坊さんと椅子の組み合わせがそれほど不思議だと感じる人も少なくなってきているのではないでしょうか。

お坊さんなら畳+座布団に座り、正座をして座るのがかつては当然の光景だったのではないでしょうか。

しかしここ10年程度で通夜や葬儀は葬儀社のような会館で行われることが多くなり、お坊さんが椅子に腰かけて読経するようになりましたし、お寺でもまた参拝者用に外陣に椅子を並べるようになってきました。

一昔前のように「お坊さんが座るのは畳・座布団」という構図だけでなく、最近では「お坊さんが座るのは椅子でもよい」という考え方も出てきています。

では家で年忌法事や祥月命日のお勤めをするときに、お坊さん用にお仏壇のご仏前に用意するのは座布団がいいのでしょうか、それとも今風に椅子を用意したほうがいいのでしょうか。

浄土真宗の若手僧侶の目線でお答えします。

お寺に用意された椅子・座布団


読経をしているときは正座をするのが当然なのか?

まず誤解を解くために一言だけ説明しておきますと、「正座=正しい座り方」ではありません。

正しいニュアンスは「正座=姿勢を正して座る」ということです。

つまり正座とは仏様と向き合うときに、例えば合掌礼拝をするときに襟を正し背筋を伸ばして仏様のお顔を見るようにする姿ですね。

だらっとしたり背中が丸まっていないような姿勢と違い、失礼の無いきちんとしたかしこまった座り方が正座なのです。

では、お坊さんが読経中は正座し続けるのが当然なのだろうか。

理想は正座を維持し続けることですが、無理ですね。

読経中のお坊さんの様子をよく観察してみてください。正座のままで不動の人はいないでしょう。

お坊さんでも読経中は体が前後左右に揺れていたり、目線が経机の方向に下向きだったり、足の甲を組み替えていたりしています。

特に浄土真宗の読経時間は長く、20分以上も声を読経が続くことがざらにあります。

お坊さんがかしこまるために正座をしているのは、読経中ではなく合掌礼拝の時が中心です。

ですので結論としては読経中に正座をすることは、理想ではあるのですが、現実的ではないということです。

お坊さんに座布団を用意するイメージになったのはなぜだろうか。

ご門徒さんの家にお坊さんがお参りに行きますと、施主は座布団を用意しますね。

座布団を用意するのは訪れた人に対するもてなしという考えがあるからです。

でもですね。例えばお坊さんが他のお寺の仏事法要にお参りに行っても読経中には座布団は用意されません。(控室では用意されていますよ)

お寺の仏事ではお坊さんに座布団が用意されないのに、なぜ家の仏事では座布団が用意されるのだろうか。

板やフローリングの上に座るのではなく、畳という有り難いクッションがすでに用意されているではないか。

お坊さんが本堂でお勤めするのに畳+座布団というのは、クッションにクッションを重ねるという印象を私は持ちます。お坊さんが仏様を安置している本堂でお勤めするのは当たり前のことなのですから、わざわざにお坊さんをもてなすための座布団をあわせて用意する必要もないのでしょう。

でもお寺でも椅子が増えてきている。

お坊さんは本堂で畳の上に座り、正座をしてお勤めしています。その際には座布団を敷いていません。

正座は確かに痺れてつらい時もありますが、慣れれば30分程度のお勤めだと痺れて歩けなくなるようなことはありません。

むしろ正座をすることで楽して読経することがなくなり、程よい緊張感が保たれるようにも感じます。

でもですね。最近ではお寺でもお坊さんが座るところに椅子が用意されるようになってきてるんですよ。

理由は楽だから。

お坊さんも高齢化の人が増えてきて足を曲げて畳に座る正座が難しいことがあるのです。

またお坊さんの中には椅子席を導入するのに抵抗がない人もいるからです。

先ほども言いましたように、正座というのはきちんとしたかしこまった姿勢のことです。

椅子に腰かけようが畳に座ろうが失礼のない正座ができるのであれば、どちらでもよいという考えにお寺も変化しているのです。


(ただし自坊では今しばらくはお坊さんのところには椅子を用意する予定もないですし、仮に椅子席化したならば畳は撤去するでしょうね。今ですら「畳+座布団」ではないのに、「畳+椅子」になったらおかしいでしょう。)

ではお坊さんを呼んだときは座布団か椅子のどっちがよいのだろうか。

無難なのは座布団を用意すること。

無難なのは座布団をご仏前に用意することです。理由は2つあります。

  • 座布団の上で足を曲げて正座をしたことをないお坊さんは存在しないから。
  • 本当に足が悪く座布団に座れないお坊さんは椅子を持参しているから。

お坊さんは普段から正座をしてお勤めをしていますし、若い時から正座をすることに慣れています。

ですので座布団が用意されているだけで、しっかりとしたもてなしが受けられているのです。

座布団が敷かれていることに文句を言うお坊さんはいないはずです。

椅子を用意するのはお坊さんの様子を見て判断を。

お寺でもお坊さん用に椅子席を導入するケースが増えてきています。それは高齢のために畳の上での正座ができないお坊さんが増えてきているからでもあり、お坊さんも人材不足で正座をするのに慣れていない僧侶も増えてきています。

家にお参りに来るお坊さんも見るからに正座を辛そうにしていることがあります。

その場合は椅子を用意することも検討していいでしょう。

ただ座布団で正座ができないお坊さんは折り畳み椅子を持参していることもあるので、椅子を用意するのであれば事前にその旨を案内しておいたほうが親切ではあります。

もう一つはお参りの人が全員椅子の場合。

さいごに、これは丁寧な家の人が良く気がつくことです。

最近では家で勤める仏事には親戚の集まりが少ないですし、お参りの人も足腰の悪いご年配の人ばかりになっています。

施主はそのような現状を踏まえて、お参りの人全員に椅子を用意するときがあります。

お坊さんには座布団というイメージがあるのですが、お坊さんだけが座布団というのもおかしい光景ですし、椅子に腰かけてのお参りというのはお坊さんを見下ろして座るということにもなります。

お参りの人が全員椅子に腰かけるような場合には、お寺さんに断りを入れてお参りの人と同じように椅子に腰かけるように勧めてもいいのではないでしょうか。

 

さいごに。現状では家の仏事ではほとんどが座布団を用意している。

さて最近では仏事法要でも椅子が用意されているケースが増えてきています。

しかしそれら椅子を用意するのはお坊さんさんのためではなく、参列者のためです。家の場合でもお寺の場合でも。

私の印象ではありますが、家の仏事でお坊さんのために仏壇のご仏前に椅子を用意しているのは5%もないように感じます。

これからの時代は「お坊さんには座布団を」というイメージから「お坊さんにも椅子を」と変化していくかもしれません。

ただ私の場合はまだ30歳前とお坊さんの中では若手になりますし、こんな早い段階から楽をしてお勤めするのは申し訳なく感じます。ですので私のような人間では座布団と椅子の両方が用意されていたら、すすんで座布団をお願いしています。

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