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お寺の法要で椅子を用意するメリット・デメリット。畳との相性は悪いように感じた。

投稿日:2017年9月9日 更新日:

こんばんは。 僧侶のかっけいです。

自坊の本堂で今日、秋季永代経法要が勤められました。

お寺の法要のために椅子を並べた。

法要に向けて、本堂参拝者用に新たに椅子の数を今までの2倍以上の35脚増やしました。

今回は私が感じた「お寺の法要時に椅子を用意することのメリット・デメリット」を書いていきます。

【前置き】なぜ寺院に椅子が必要なのか。

今日ではお寺に限らず、家での仏事法事、会館での仏事法事では椅子に腰かけてのお参りが当たり前になりつつあります。

それはなぜでしょうか。

足が痺れるからですね。

でもですね。本当のところはそんな痺れるというのは理由になりません。

なぜなら昔の人だって正座をすると痺れていたのですから。お坊さんだって長時間正座をすると痺れますよ。

一番の理由は、足が痛くなるのが我慢できないということですね。

これは年齢が70・80・90歳と重ねるにつれ、足を曲げると膝の骨がこすれることで痛くなるため仕方のないところではあります。

ただまだまだ元気な若者が足が痺れて痛くなるから、椅子に腰かけるという理屈はおかしくありませんか。(お坊さんの見解です。いつかこの話題は別記事にてします)

色々な理由はありますが、両足を折り曲げて座る「正座」は嫌われる傾向にあります。

膝が痛くて正座できないから帰るという人までいます。

というわけで、最近では多くのお寺が参列者が楽にお参りができるようにと椅子を用意しています。

お寺に椅子の準備をすること。

椅子を用意するメリット。お参りが楽。

椅子は腰かけとも言いますね。

腰をおろしてお尻や足、背中を使って体にかかる重さを分散しています。

足に全体重がかかってくる正座よりもずっと楽な座り方です。

そもそも痺れとは血の巡り(血行)が悪くなるから起こる現象です。

椅子を用意することでお参りの人は足の痺れを気にする必要はなく痛い思いをする必要がなくなります。

またお年寄りによってはしゃがむことができないことがあります。

しゃがむことができないため、そもそも畳に腰を下ろすこともできないのです。

お年寄りによっては椅子がなければ、座ることができないこともあるのです。

お寺にはご年配のお年寄りが多く参ります。椅子があることで足の痛みを気にせず座れますし、お尻を畳まで下ろせない人にとっては椅子が不可欠なのです。

椅子があることのデメリット。法事・畳との相性。

お参りの人にとっては椅子があると非常に嬉しいことだと思います。

しかしお寺の法要ではあまり椅子が好ましくないように思われます。

それは2つの理由からです。

  1. 畳が傷つくこと、凹むこと。
  2. お参りの気持ちにならないこと。

椅子というのは当然ですが「脚」があります。

畳というのは椅子とセットに使用されることは想定されておらず、椅子によって畳がへこんだり・傷ついてしまします

椅子によって傷ついた畳。

椅子には出っ張りがあり畳を傷つける。

上の写真ではわかりにくいかもしれませんが、畳の上で椅子を引きずったことによる線(引っ掻き傷のような見た目)が残ります。(肉眼ではもっとはっきりと傷が目立ちます。)

また椅子には出っ張りがあり、畳をへこましますし、線を残さなくても、畳の縁を傷つけめくりあげてしまいます。

また椅子による弊害としてお参りの気持ち・姿勢が損なわれることです。

確かに椅子は非常に楽です。

しかし人間というのは楽な方・楽な方にとどんどん傾いてしまします。

  1. 椅子に腰かけますとまず背中を預けます。すると踏ん反り返るんですね。
  2. 次に足を前に伸ばしたりプラプラさせて落ち着きがなくなるんですね。
  3. だんだん手の置き場が欲しくなって腕を組んだりするんですね。
  4. さいごにうつむいて眠ってしまいます。

どうです。仏様にお参りするのにふさわしい姿だと思いますか。

仏様に向かうときにはある程度の緊張感というのがあった方がいいのです。

その緊張感が椅子に腰かけることによって失われているんじゃないですかね。

お寺本堂に椅子席を増やした感想。

本当に椅子を増やしたことに意味があったのだろうか。

お寺の本堂大部分を椅子が占める。

  • 椅子が無いからお参りができないという人がいます。
  • 平日だからお参りができないという人がいます。

今年は土曜日が自坊の永代経法要日でしたし椅子も倍以上増やしました。でもお寺にお参りして最後まで残り布教使の先生の法話を聞いた人数はいつも通りです。

椅子も空席があり、すべて埋まっていません。

本当に椅子はお寺に必要なのでしょうか。

むしろ椅子を用意することで座布団の上で正座される人のスペースを奪っているのではないでしょうか。

椅子というのはかなり広い空間を必要とします。

座布団であれば肩を並べる程度の近さで各々が自由に座ることができますが、椅子の場合は通路スペースまで用意しなければなりません。

また防災上の理由で本堂の出入り口付近には椅子を並べられず、本堂の真ん中近くに椅子を並べなければなりません。

すると座布団の人は自然と本堂の端っこに追いやられ、目の前に椅子が立ちふさがるようになってしまいます。

お寺とは仏様に参るための場所であり、仏法を聞いていく場であります。

お寺が椅子を用意したのもお参りの人が少しでも多くお寺にお参りし最後までお話を聞き、仏縁に出あってほしいと願ったからであります。

それが椅子を用意しても結局は変わらないですし、正座して仏様に参る人には申し訳ないことをした想いです。

きつい言い方をすれば、お参りをする人はキチンとお参りしますし、参る気がない人はお寺が要望に合わせて準備してもササっと帰っていくのです。

椅子があろうとなかろうとそれほど関係ないのですね。それなら今までの30脚でも十分足の不自由な方には事足りそうだなと思いました。

椅子に腰かけて聴聞する。

椅子に腰かけて聴聞する。

さいごに。お寺の椅子って値段高くない?

さて椅子席を導入したことをグチグチ言ってもすでに購入して用意してしまった椅子は仕方ありません。

今後も法要時には並べて参拝者が楽にお参りできるように準備します。

ところで私には一言いいたいことがあります。寺院用の椅子って高くない?

今回35脚のスタッキングチェアを用意したんですよ。

なんぼしたと思います。20万円以上ですよ。

これでも安くて実用的なものを吟味した結果ですよ。

「寺院用いす」・「本堂用いす」などと検索してみてください。ちょっとしたスチール製・アルミ製のパイプ椅子が一脚1万円を超えているんですよ。

お寺だからって足元を見られてませんか。

私はお寺に椅子席が基本不要だと考えている人間ですが、もしも椅子の値段がもっと安く気軽に求められるのであれば、もう少し椅子席導入に対する抵抗も弱くなったかもしれません。

実は今回椅子の数を倍にしたから最後までお話を聞いてくれる人が増えてくれるんじゃないのかなあとワクワクしていたんですよ。

ひょっとしたら椅子が足りなくて困る人が出てくるんじゃないのかなあと。

だから会議用に使われる折りたたみできるパイプ椅子を10脚、別に用意していたんですよ。もしものために。

お寺、緊急用の簡易椅子。

まったくいらん心配だったようです。

(ちなみにこの会議用に使われる椅子は10脚でほぼ1万円でした。寺院用の椅子、高すぎるだろ)

7/1記事下profと案内,6月15日より



釋克啓プロフィール写真80px サイト運営者の釋克啓(かっけい)です。
香川生まれ,香川育ち,香川大学出身。
香川県にある円龍寺の若坊である28歳。
現丸亀市仏教会理事

法要/行事の案内

 ・8月1日2日 (水・木) 10時~ 郡家興正寺別院 夏法座
 ・8月15日 (水) 午後2時~ 自坊円龍寺 納骨者追悼法要

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