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10月に寺の報恩講法要をするのって早いの?

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真宗僧侶のかっけいです。

浄土真宗では『報恩講(ほうおんこう)』と呼ばれる法要を特に大切にします。報恩講とは浄土真宗の宗祖親鸞聖人のご命日(旧暦11月28日)を偲ぶお勤めのことです。

先日メールにて寺でする報恩講法要の日程についての質問がありました。

お寺によっては10月に報恩講法要しているのですが、早くないですか?なぜこんなに早いのですか?

正直言いますと、各寺院の法要日程はその寺の代表者である住職が決めることなので、漠然となぜ10月にするのですかと尋ねられてもなかなか答えにくいところです。

それこそ「10月1日にします」と「10月31日にします」では同じ10月でも全く違った印象になるでしょう。10月1日は早いなあと私も思いますが、10月中旬以降の法要は十分にあり得ると思います。

今回の話は『なぜ寺でする報恩講が10月と親鸞聖人の命日よりもずっと早く勤めるのか』について勝手に他所のお坊さんが推測して説明します。


【前置き】ご本山では宗祖の命日に報恩講が営まれる

報恩講とは浄土真宗の宗祖親鸞聖人のご命日にあたる日に勤められる法要です。

伝統仏教教団である浄土真宗10派では、それぞれのご本山がそのご命日(御正忌)に向けて七昼夜(一週間)にわたり報恩講法要をします。

浄土真宗本願寺派の本山本願寺と真宗高田派の本山専修寺の2派は旧暦11月28日を新暦換算した1月16日に、その他の8派は旧暦11月28日をそのまま新暦11月28日に勤めます。

ご本山の報恩講法要では、全国から門信徒や自派の僧侶らがお参りいたします。

なぜ10月に寺で報恩講をするのか。理由は2点ありそう

本来であれば地方の末寺も親鸞聖人のご命日である日(11月28日や1月16日)に報恩講を自坊の門信徒らとお勤めすればいいと思うでしょう。

でもそれはできないのです。

本山参拝のために法要日程を繰り上げるから

本山では毎年親鸞聖人のご命日に向けて七昼夜(一週間)の法要をします。

浄土真宗ではこの法要期間に僧侶門信徒らともに本山にお参りをして、南無阿弥陀仏の念仏を勧めてくださった親鸞聖人のご遺徳を偲び聞法します。

なかなか本山にお参りするのは難しいかもしれませんが、全国の僧侶や門信徒らはご本山にお参りすることが好ましいので、各末寺は本山の法要期間を避けて自坊の法要日を決めます。

本山に参拝するために日程を繰り上げてお寺や各家庭の仏壇にて報恩講を勤めていたりすることがあります。これが一点目の理由です。

近隣行事とのスケジュール過密を避けるため

次に地域や派によって違うかもしれませんが、浄土真宗では各お寺同士が互いに「つとめあい」の関係を持っていることがあります。

つとめあいとは近隣のお寺で法要があれば、お坊さんはお互いにその法要にお参りに行くことです。

そのため地方の浄土真宗のお寺では近隣のお寺と法要日が重ならないように配慮して日時を決めます。

ですので本山の報恩講法要前後に自坊で法要をしようとするとスケジュールが過密状態になってしまうので、10月や1月以降と早い時期や遅い時期にあえてずらすこともあるでしょう。これが2点目の理由です。

命日より早いお勤めを「お取越し」や「お引上げ」とも表現する

繰り返しますが浄土真宗では親鸞聖人のご命日のお勤め「報恩講」が最も大切な仏事です。

それはお寺の本堂でにぎにぎしく勤めるだけでなく、各門信徒らのご家庭にお飾りしたお仏壇にても僧侶が参りお勤めをします。

すべての門信徒らの仏壇にてお勤めしたのち、その総仕上げとして檀那寺での報恩講法要があるのが基本です。

ですのでどうしても早いお勤め・遅いお勤めというのができてしまいます。

浄土真宗の命日のお勤めは命日より後先というのは気にせず、命日を忘れずに勤めるということが大切なので、本山の報恩講法要よりも早い日程であらかじめ勤めることを「お取越し(おとりこし)」や「お引上げ(おひきあげ)」の法要とも表現します。


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さいごに。

どうでしょうか。ご本山の報恩講法要よりも早い10月に各お寺が報恩講を勤める理由が何となくわかりましたでしょうか。

  1. 本山へお参りして欲しいから、予修法要として「お取越し」・「お引上げ」の法要をする。
  2. 寺同士の「つとめあい」があるから、近隣寺院の法要と重ならないように時期をずらすため。

この2点に加えて、北海道といった雪国の冬のお参りが厳しい地域ではなるべく10月の暖かい時期にするというのもあるでしょう。

なお末寺によってはご本山よりも先に御正忌のお勤めをするのは失礼に当たると考えて、ご本山の法要が終わったのちに自坊で法要を勤めようとすることもあります。

浄土真宗の場合は命日より早い遅いというのはそれほど気にしません。そのご命日のご縁を大切し仏事を営み、遺徳を偲び聞法を重ねることが重要なのです。ですので先に勤めることを予修法要と、後に勤めることを延修法要と表現します。10月に報恩講をされるお寺も何か理由があってされているはずです。ひょっとすると地域のイベントを避けるために配慮しているかもしれません。

ちなみに年末年始の報恩講法要というのは普通にあります。近隣の寺でも12月27日にしていますし、自坊でも昔は月遅れの12月28日に勤めていました。

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