お坊さんは忙しい?実は暇なときだらけかも。

こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。

お坊さんは自営業だと言われたりもします。

自分のお寺を持ち、お寺を頼りにしている御門徒さんの依頼があってお参りに行くのですからね。

なにも依頼が無ければ、お参りという勤めはないですし、お坊さんのはたらきによってある程度自由にお寺を運営することができますからね。

お坊さんは忙しいイメージですか。

いいえ、末寺のお坊さんは結構暇だったりします。

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お坊さんの仕事の種類。

お坊さんの仕事を一言で表すなら「法務(ほうむ)」という言葉があります。

この法務とは言う言葉は法律などの司法に関する仕事ではなく、仏法に関する事務のことを意味します。

例を挙げるなら以下のようなことです。

  • 枕経(臨終勤行)・通夜勤行・葬儀式・火屋勤行・還骨勤行などの葬儀全般のお勤め。
  • 中陰・満中陰法要や年忌法要といった故人を偲ぶ法要(お勤め)。
  • 月命日や祥月命日といった日常的なお参り。
  • 開眼・閉眼法要(遷仏)といった新しくお仏壇やお墓を迎えるためのお勤め。

単純に言うなら仏様の金言であるお経をお勤めするのが法務に当たります。ですから日常のお寺でのお勤めも法務に当たります。

一方で法務の他にお坊さんには仕事があります。

それが「雑務(ざつむ)」と言われるものです。

これは言葉の通りで雑多な仕事のことで、お坊さんの仕事で言えば以下のことなどが挙げられます。

  • お寺の維持管理(例えば清掃活動)。
  • 法務の段取りを決めるための連絡や電話番。
  • 別院や本山などでの僧侶の集会・勉強会に参加。
  • 法事法要や悩みごとの相談。

単純に言うと、お経を読むのとは違ったお勤めのことです。

お坊さんは雑務が自由時間に変換可能。

本山や別院などで雇われているお坊さんではなく、自坊のお寺で勤めているお坊さんは「法務と雑務」が仕事の内容になります。

法務とは御門徒さん(檀家さん)の依頼があってお勤めをする、いわば対人の仕事ですが、雑務とはお坊さんが自主的に仕事を見つけたり参加したりする必要があります。

つまりお坊さんが怠けたければ雑務はなんぼでも省くことができます。

例えば、お坊さんはお寺に常にいないといけませんよね。お坊さんは旅行ができないとよく言われますよね。しかしお坊さんによっては(お寺さんによっては)日中お寺を不在にしているところがあります。私はよろしくないと思うのですが、そのお坊さん曰く言い訳はこうです。

お寺の固定電話にかけられた電話は全て住職のスマホに転送されるそうなんですって。

ですからお寺にいなくても留守番できるんですって。(いやいや、それならお寺にお参りに来た人はどうなるんや、と思うのですが。おかしいでしょ)

まあこの話は雑務をお坊さんのアイデアで自由時間にしている例なので、良い悪いはまた別の話です。

例えば私なら雑務をどのように自分の時間にしている。

お坊さんは毎日毎時間がお勤めの時間になると言いながらも、実際にはお参りのないとき(法務のないとき)も多々あり、雑務だけの日もあります。

何も用事がなければ、お寺の境内の掃除などの雑務をすればいいのですが、この雑務を例えば私なら畑作業の時間や買い物の時間に置き換えたりします。

私の趣味は植物を育てることですので、定期的に畑に出たくなりますし、種苗店やホームセンターに行って種や苗を確認に行くこともあります。

他にも例えば、雑務の時間をこの記事文章を書く時間に置き換えているともいうことができます。

お坊さんとは本山や別院などに雇われている場合を除いて、仕事時間が決まっているわけではなくそれこそ24時間対応する気持ちでなければなりません。
つまり「このお坊さんは雑務を自分の自由時間に置き換えてけしからん!!」と思うのではなく、いかにしてお寺の法務と雑務を疎かにせず、自分の時間を持つことに励んでいるのかを感じていただけたら幸いです。

お坊さんは自由時間が多いかも。

先ほど説明した通り法務の時間は人と接する、依頼のあるお勤めですので、この時間は自由時間になりません。

一方で雑務の時間はお坊さんの匙加減で、自由時間に変換可能です。

そして末寺のお寺とは日によってはお参りのない、すなわち雑務しかない日というのもあります。

雑務しかないということは、お坊さんが「今日はぜ~んぶ自分の時間にしたいなあ」と思えばできないこともないです。

例えば私ならお寺の留守を住職と坊守に任せて、畑に一日中出ていたりすることもあります。

法務がない日でもお寺には急な葬儀の知らせや法務の連絡などがあるため、遠くに出かける自由時間というのはありませんが、案外お坊さんは自由時間を持つことができるものです。

そして私が一日中畑に出ていると、「お寺さんは平日の昼間から外に出ているから、暇なんですね~。」と思われるのです。

まあ確かに余暇(よか)という言葉は、「仕事の合間のひま。自由に使える時間」という意味があるので間違いではないですよね。

お坊さんの仕事(法務と雑務)から外れた自由に使える時間をつくっているのです。


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さいごに。

最近では法務と呼ばれるお坊さんのお勤めは減ってきています。

皆さんもご先祖のお参りをしなくなってきているのではないですか。もしくは実家に任せて自分はノータッチと言う人も多いんじゃないんですか。お仏壇すらない家も多いでしょう。

法務が減るということは雑務しかない日と言うのも増えやすくなり、当然のように雑務を自由時間に置き換えやすくなります。

平日から自由な時間があるお坊さんの姿を見ることで、周囲の皆さんはお坊さんは暇なんだな~と思うでしょうし、実際に暇だったりします。

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