仏の光(光明)の英語表現はイルミネーションでいい

こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。

仏教の言葉を異なる言語で表現しようとするとなかなか大変です。

単純なようで、「仏様の光・仏光・光明(こうみょう)」を英語で伝えようと思ってもうまく言葉にできませんでした。

先に結論を言いますと、仏様の光・光明は「illumination(イルミネーション)」または「illuminating(イルミネイティング)」で表されます

その理由について書いていきます。

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「仏光・光明」を直訳の英語にしようとすると難しい。

実は私もつい先日まで仏光をどうやって英語で表現しようかと悩んでいました。

そこで参考として、真宗仏光寺派の本山仏光寺(ぶっこうじ)の公式ホームページをみることにしました。仏光寺は英語版のページも用意しているんですよ。(参考URL:http://www.bukkoji.or.jp/english/

Emperor Godaigo was much moved by this incident and gave the institute a new name, “Amida Bukkoji(the light of Amida)” Temple.

仏光寺公式HPより引用

すると仏光寺では仏光の英語表現を「Amida Bukkoji」とそのまま読みと、「the light of Amida」と、光をLight(ライト)で表現したんですね。

光をライトで表現するのは小学生でも想像できそうですよね。

実際私もライトしか思い浮かばず、仏の光を「Light of Buddha」と訳してみました。でもなんとなくしっくりこなかったんですよね。

でインターネットの辞書を使って光・光明の英語表現を確認するとたくさん候補がありました。

  • glory(グローリー):繁栄,栄光,荘厳,感謝,大喜びする
  • hope(ホープ):希望を与えるもの,期待,頼みの綱
  • bright(ブライト):輝かしい,明るい,光る,晴れた
  • future(フューチャー):未来の,将来の

他にもshine(シャイン)やbeam(ビーム)などがありました。

しかしどれもいまいちな感じです。

真宗法語カレンダーの英語訳が素晴らしかった。

*大きな画像でごめんなさい。

浄土真宗法語カレンダー2018の表紙

上の写真は2018年の真宗法語カレンダーの表紙です。

真宗法語カレンダーは浄土真宗の伝統教団10派が一体となった組織「真宗教団連合」が作成しています。ここ3年ぐらい法語の下に英訳もプラスしてくれてるんですね。

でこれが非常に参考になりました。

阿弥陀仏は 光明なり 光明は 智慧のかたちなり

Amida Buddha is the illuminating light, expressing wisdom.

真宗法語カレンダー2018年表紙より

ここでは阿弥陀仏の光明を「illuminating light」と訳していたんですね。目から鱗が落ちました。

仏の光は「イルミネーションのライト」。

私にとってこのilluminatigという訳はびっくりしました。

なぜなら日本語でのイルミネーションやイルミネイティングのイメージは、電気の光・電飾と言う人工的に発生させた飾られた光に感じたからです。

仏様の光が何か別の力によって照らされているような印象になって相応しくないのではと考えてしまったんですね。

でも実は仏の光は「イルミネーション・illumination」でよかったのです。

illuminate

1⦅正式⦆<電灯・月などが><物・場所>を照らす;<人が><物・場所>を照らす〔電灯などで〕明るくする

2⦅正式⦆<問題点など>を明らかにする(clarify),解明する(explain)

4⦅正式⦆<人>を啓蒙[啓発]する

illuminating

(問題などを)解明する;明るくする

ジーニアス英和辞典 第3版より

ここで4番目の「人を啓蒙・啓発する」という意味が仏様の光のはたらきにピッタリなように感じます。啓発とは、人が気づかずにいるところを教え示して、より高い認識・理解 に導くことです。

illuminating

helping to explain sth or make sth clear

オックスフォード英英辞典-OPEDより

また英英辞典でilluminatingの意味を確認しますと、仏様のはたらきに近いこと書いています。

意訳するとイルミネーションとは物事を明らかにするのを助けることです。

仏様の光すなわちイルミネーションライトが、苦悩・煩悩が絶えることのない私たちに気づいていくれよと呼び掛けている光だと、上手いこと表現されているように感じます。


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さいごに。日本語のイメージだけだと伝えられないと実感。

さて今回「仏様の光・仏光・光明」を「イルミネーション・イルミネイティング」・「illumination・illuminating」で表現することを紹介しました。

日本人の私にとってはイルミネーションと言えば、電気の光で人工的に飾り付けた物というイメージだたのですが、いやいや英語のilluminateには人を啓発・啓蒙するといった仏さまの智慧の光のはたらきにピッタリの表現がありました。

もちろんこれだけでは英語圏の人にはまだまだ伝わらないかもしれませんが、ただ「ライト・light」と表現するよりもグッと仏教の仏さまの光がどのようなものかを理解しやすくなったと思います。

日本には和製英語という英語圏と日本語で別の意味・イメージをもつ言葉に変化していることもあるので、日本語のイメージだけだとなかなか仏教を伝えられないのだあと感じました。

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