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【ふしぎなポケットを考察】作者まどみちおは何を思ったのだろう

こんばん。 かっけいです。

童謡には謎めいた歌が多いですね。

今回は詩人「まど・みちお」作の「ふしぎなポケット」について考えていきます。

この人の作品では例えば「やぎさんゆうびん」が有名であり、白ヤギと黒ヤギのお手紙交換がエンドレスに続いていく何とも奇妙な歌詞です。

ふしぎなポケットも無限に続いてくミステリー要素の濃い作品です。

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童謡「ふしぎなポケット」の歌詞を確認。

1番

ポケットの なかには ビスケットが ひとつ
ポケットを たたくと ビスケットは ふたつ

(1番を繰り返す)

2番

もひとつ たたくと ビスケットは みっつ
たたいて みるたび ビスケットは ふえる

(2番を繰り返す)

3番

そんな ふしぎな ポケットが ほしい
そんな ふしぎな ポケットが ほしい

(3番を繰り返す)

まど・みちお 作詞、渡辺茂 作曲

またふしぎなポケットには編曲がいくつかあり、例えば次の動画では「みっつ」以降にも「よっつ・いつつ……とう」と数が増えています。

YouTubeサンリオたのしいどうようより

この歌詞の謎の深い点。なぜビスケットが増える。

  1. ポケットの中にはビスケットが1つある。
  2. なぜか叩くと2つになる。(←なぜだろうか!!)
  3. さらに叩くと3つになる。(←なぜだろうか!!)

歌詞を見るとポケットが叩かれるたびにビスケットが増え続けるように書かれています。

しかし現実にはポケットの中にビスケットを入れても増えることはありませんよね。

大人であれば、「叩くとビスケットが割れるからだろう。」と考えてしまいます。

もちろんその解釈も間違いではないのだろうが、私にとっては合点がいきません。

たとえ子供であろうが、砕けて細々していくビスケットをみても数が増えている・ヤッタネ・得したねとは思わないだろう。

小さくなっていったビスケット見ても、そんなポケットは欲しいとは思わないだろう。

【私の解釈】叩いているのは自分のポケットではないのでは。

さてこの歌は夢落ちであり、自分のポケットに入れたビスケットが叩くたびに増えていってほしいという子供の願望なのだろうか。

私は違うと思う。

この歌は子供の目線から見た保護者のポケットではないだろうか。

例えば私が3歳くらいの子供だったとしましょう。

小さな子供ですから、おじいさんやおばあさん・お母さんやお父さんに可愛がられて育てられているでしょう。

当然甘やかされますよね。

子供は駄々をこねますね。突然泣いたり、しゃがみこんだり、ころがったりと。さんざん悪事をします。

すると親の中にはポケットから飴玉やお菓子を餌に機嫌を直してもらおうとするかもしれません。

するとだんだん子供は駄々をこねるとお菓子を貰えるんだあと思い込んでしまうのでは。

これはそのような光景を歌にしているのではないだろうか。

不思議なポケットは子供が親に甘えている様子ではないだろうか。

叩いているポケットが子供自身のポケットだと思い込んでいることがそもそもの勘違いではないだろうか。

子供の力ではビスケットを砕くのは難しいでしょうし、仮に粉々に砕けても増えているとは思わないでしょう。

これは子供が見ている親のポケットであり、ポケットをトントンと叩き、もっとビスケットくれよ~と懇願している光景なのではないだろうか。

大人のポケットは子供よりずっと大きいです。

子供からすれば、どうして何枚も何枚も新たにビスケットが出てくるんだろうと不思議に思うことでしょう。

自分にもそんな不思議なポケットがあればなあという、子供の素直な気持ちがこの歌に表れているように感じます。


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さいごに。まどみちおは幼少期を祖父と二人で過ごしている。

この歌は、ポケットを叩くとビスケットが増えていくと勘違いした子供の幼稚さをあらわしたものでも、ありもしない無限に増えていく魔法のようなポケットを手に入れたいという願望・夢オチをあらわしたものではないでしょう。

子供の目線で考えてみると、どうして親のポケットからはビスケットがどんどん出てくるんだろうという、ワクワクするような出来事を表現しているように感じます。

私にとって、この歌は子が親に甘えている姿をあらわしたほのぼのした雰囲気を受けました。

作詞したまど・みちおは幼少期は祖父と二人暮らしだったそうです。

私の想像ですが、両親兄弟が不在だった作者は祖父から大切に育てられたのではないだろうか。また時は第一次世界大戦の最中であり、決して豊かな時代ではなかったでしょう。食べ物に夢中になる年齢でもあったと思います。

作者の見た光景がビスケットだったのかはわかりませんが、おじいさんにわがままを言うとしょうがないなあとお菓子をプレゼントされていたのではないのかなあと想像しています。

この歌は作者のまどみちおが幼少期に体験して思ったことを書いたのでは。(まあ、私の想像ですけどね)

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