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第247回目のラジオ配信。「椅子を動かさない」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。
今回はお寺の椅子を勝手に動かさないでというお願いのお話です。
お寺の本堂に椅子があるのは当たり前の光景になりましたよね。
自坊円龍寺でも、お寺の場所で法事をするときには、事前にお参りの人数を聞いておき、人数分の椅子をならべています。
その他にも、年6回ほどある定例の法座でも椅子を並べています。
それで今回お伝えしたい大切なことがあります。
それは「あらかじめ間隔を開けて並べてある椅子を、お参りの方が勝手に場所を移動させて座らないこと」です。
もっと言えば、椅子に余裕がある、椅子が空いているのにも関わらず、お堂の横に置かれてある椅子を勝手に取り出してきて座る人もいます。
やめていただきたいです。
並べられている椅子は動かさずに、そのままの場所で座ってほしいです。
椅子も勝手に取り出さないでください。
椅子を動かしたり、勝手に取り出してくる人なんていないでしょうと思われるかもしれませんが、お寺で法事をすると、そういった振る舞いをする人も稀にいます。
ついこの前あった、自坊円龍寺の燈籠流し法要や納骨者追悼法要でも、並べられてある椅子をわざわざ本堂内の別の場所に移動させて座られる方も何名もいました。
決して悪気があるわけではないのはわかりますが、椅子を動かされると困ります。
それでは何が困るのかについてお話しますね。
一つには、避難・移動がしにくくなることです。
自坊円龍寺の法要でどのように椅子が並べられているかまた今度実際にご確認いただきたいのですが、本堂の一番外側の畳には椅子を並べていませんよね。
これはもしもの時に、お参りの皆様がすぐに避難できるようにするためです。
火事や地震で建物の外に逃げ出すとき、その障害になるのが椅子や机です。
防災の観点から、円龍寺では椅子を並べる際には人が移動できる空間をとっていますし、お堂の出入り口が塞がらないように、一番外回りの畳の場所には椅子を並べないようにしています。
椅子は出入り口付近に置かないこと。これは転倒つまずきを防ぎ、もしものとき、スムーズな避難が可能となります。
そういったわけで、本堂の端っこの方、扉のある出入り口付近に椅子を持って行って座るのはおやめください。
2つ目の理由はお参りの人・人数の把握が難しくなることです。
例えばお寺で法事があって、お参りの人数が20人だったとしますね。
お寺では20人分の椅子をピッタリあらかじめ並べておきます。
きちんと整然と椅子が並べられていることで、お参りの人数が把握しやすいメリットがあります。
もし椅子がバラバラだと、お寺の人も施主もあと何人来るのか、誰が来ていないのか把握するのが難しくなります。
椅子がバラバラにおかれていると、座ったり立ったりするたびに、銘々が座る場所を変えたりしてしまいますが、椅子がきれいに並んでいると、自然と自分の座る椅子が固定されていきます。
なので、誰が来ている、誰がまだ座っていない、といったことがすぐに見てわかることができます。
椅子の場所が動かされたり、勝手に取り出されて増やされたりすると、これが分かりにくくなり、大変困ります。
特に地方のお寺の法事だと、法事の途中で2回ほど中休みの時間をいただいて、法事に2時間ぐらいのお時間をいただいたりします。
長い法事の間で、ひょっと小さなお子さんの姿が見えなくなっていたら大変なことです。
綺麗に並べられている椅子は、お参りの人たち同士もお互いの把握がしやすくなります。
お参り人たちの様子が分かれば、法事法要のスムーズな進行ができますし、もしものトラブルも回避できたりします。
意外と今の小さなお子様にとって、お寺という空間は珍しいもので、法事の中休みのときに、お堂の外に出ていって、お堂の裏に行ってみたり、本堂の下に縁の下にもぐって探索していたりすることもあるんですね。
子どもの姿が見えなくなったと心配しないように、椅子は用意された状態のままでお座りください。
そんなわけで、今回お伝えしたかったのは、法事法要のとき、並べられている椅子を勝手に動かしたり、椅子を取り出してきて座らないでくださいということでした。
もしも座る椅子が足りない時はお声掛けください。
すぐに用意しますので、勝手に取り出さないでください。
「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。