ほしい物リストより、お線香ありがとうございました

100均で代用可能な茶香炉。茶葉で和の香りを家庭でも

僧侶のかっけいです。お坊さんといえばお香というイメージがありますよね。

法事や葬儀に行きますと、お焼香をすすめられるでしょう。お寺によってはお香を専門に扱っているところもあります。

今回はお香つながりで「茶葉に関する香りについて」紹介します。

お茶屋さんの前を通ると甘い香りが漂いますよね。茶葉を熱するとほのかに甘い香りを放つからです。

あの茶葉の香りを自宅でも再現したいと思いませんか。実は100円ショップのアイテムで簡単に再現できるのです。

茶香炉の明かり

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茶香炉を使うのは本格派向け

お茶屋さんの前でお茶のよい香りがするのは、仕入れた茶葉に火入れの作業をしているからです。

単純に言えば茶葉を熱しているのです。茶葉はお湯で抽出しなくとも熱することで空気中に香りの成分が放出されるのです。

このお茶屋さんの香りを再現できるのが茶香炉(ちゃこうろ)という道具です。

茶香炉(ちゃこうろ)は、茶葉を熱してその香りを聞くための小さな香炉。通常は、ろうそくや電熱を熱源とし、上部に茶葉を載せる凹み、ないし、受け皿がある。茶香炉で焚く香りにはリラクゼーション効果や、消臭効果があるとされる。

Wikipediaより引用

茶香炉の歴史は新しく、1997年に愛知県半田市に本社置く愛知化学陶磁器が商品化したのが始まりだとされています。

容器は石や陶器製であり茶葉を電気や蝋燭によって高温にする単純な構造なのですが、上皿の取り外しが可能なことや容器の保温性が高いことが理由なのか、結構な値段がします。

安めの茶香炉でも1500円程度。多くは3000円程度。高価なものは1万円以上もします。ちょっと気軽には始められませんね。

100均(ダイソー)のアロマポットでも代用可能

本格的な茶香炉はお高いのですが、実は100円ショップのアロマポットでも茶葉を熱したときの香りを再現することができます。

実際に茶香炉を開発した愛知化学陶磁器も「アロマポット」から発想を得たそうです。参考元URL:http://www.handa-cci.or.jp/member/genki/detail.php?CODDET=2001-09-01-12-00-00

アロマポットよりも茶香炉の方が茶葉を高温にできるために、茶葉の香りを引き出しやすくなるそうです。

しかし試しにアロマポットを使ってみますと、本格的な茶香炉でなくても十分に部屋全体を香らしてくれます。

最低限揃える道具2点

最低限必要な道具は、アロマポットと蝋燭(ティーキャンドル)の二つです。

100均のアロマポットと蝋燭

100均のアロマポットと蝋燭

私は100円ショップのダイソーで購入しました。

似たような商品は他の100円ショップでも売られていますが、個人的には大創産業のアロマポットが種類も豊富でデザインが良く、粗悪品も少ない印象です。(他の100均では容器が欠けていたり、研磨が不十分、水平に容器が置けないなどいまいちだったことがありました)

またダイソーにはアロマコーナーがあり、アロマポットも蝋燭(ティーキャンドル)もスムーズに買えます。

個人的にはダイソーがおすすめです。この2点で216円で用意できます。

【補足】買うときの注意点

  • ティーキャンドルは必ず香りのしないものを買いましょう。
  • 売られているアロマポットの種類はいろいろあるが、それほど悩む必要はない。

ティーキャンドルは必ず香りのしないもの(無香タイプ)を用意してください。無香タイプでないと茶葉の香りが邪魔されてしまいますよ。

売られているアロマポットの種類(形・色)は非常に多いです。

背の高い容器の方が上皿の温度が高くならず香りが長引きそうですが、そもそも本格的な茶香炉よりも温度が低いのがアロマポットの特徴ですから、火が上皿に近いのは何も問題がありません。後で説明しますが100均のティーキャンドルは炎の高さが1cm程度と低く、容器の高さはそれほど気にする必要はないです。

むしろ茶葉を載せる上皿の広いタイプを選ぶべきだと思います。かき混ぜやすくもなります。参考に私が使っているのは「アロマポット(A)NO.20」です。

あると便利な道具

柄の長いかき混ぜる道具と、アロマポットの下に敷く板があると便利です。

茶香炉の茶葉を混ぜる道具(孫の手)

茶葉を混ぜる道具

私は柄が伸びるステンレスの孫の手を使っています。時々茶葉をかき混ぜるためですよ。

もちろん手で混ぜることもできますが、100均のアロマポットは上皿が小さいため指だと茶葉をこぼしやすいですし、やけどをする恐れもあります。混ぜる道具はお箸でもスプーンでもなんでもいいですよ。

小型の孫の手は、かき混ぜる部分が幅3cm程度と混ぜやすく、アロマポットを体から少し離したところに置いていても、楽にかき混ぜることができます。意外と視界にアロマポットがあり続けると鬱陶しいですし、香りがきつく感じることもあります。

私は作業している机から70cmくらい離したところに置いています。

またアロマポットの底は高温になりやすいので、置き場所を焦がさないためにもコースターや鍋敷きを置くべきです。焦がさなければなんでもいいです。私はただの平らな木の板を使っています。

アロマポット(茶香炉)の使用方法

使用手順

  1. 上皿に茶葉を適量セットする
  2. 火のついた蝋燭をアロマポットの中にセットする
  3. 定期的に茶葉をかき混ぜる

まずは上皿に茶葉を適量セットします。

適量がどのくらいかは難しい所ですが、私のおすすめは10~15ccくらいです。大さじ山盛り一杯ぐらいの量ですね。

アロマポット茶葉は10ccくらい

ダイソーの蝋燭は燃焼時間が大体4時間30分~5時間なので、茶葉が多い方が香りの持続時間が長くなるのですが、多すぎると今度はかき混ぜるのが難しくなります

ちなみに10~15ccの茶葉の量とは上皿に載せるとこれくらいの量です。

15ccの茶葉の量

上皿にのせる茶葉の目安

使用する茶葉は保存さえきちんとしていれば、賞味期限を過ぎていてもしっかりと香りを出します。

私が使っているのは7年も前に賞味期限が切れている茶葉ですが、問題なく使えています。

かき混ぜる間隔は茶葉の種類にもよりそうですが、私は15分から30分の間隔で混ぜています。結構テキトーです。

最初のころは不安だったので5分おきにしていたのですが、少しずつ時間をおいても焦げないことが分かりました。

始めての茶葉を使う時はこまめにかき混ぜてあげて、茶葉が焦げないタイミングを自分自身で確かめた方が良いと思います。茶葉をかき混ぜるのは茶葉を焦がさないだけでなく、香りを引き出すためにも必要な作業です。

茶葉を熱した後(焙じた後)

茶葉を熱し終わると茶葉が焙じられた状態になるため、茶色に変色しています。

アロマポットで焙じた茶葉

焙じ終えた茶葉

焙じる前の茶葉と焙じた後の茶葉

左が焙じた茶葉。右が焙じる前

 写真ではわかりにくいですが、熱すると茶葉は茶色く変色します。焦がしすぎると黒くなります。

茶香炉に使われた茶葉は焙じ茶(ほうじ茶)として飲むことができます。

緑茶と焙じ茶(ほうじ茶)

左が焙じる前の茶葉(緑茶)、右が焙じた後の茶葉(焙じ茶)

緑茶とほうじ茶の色の違い。お茶をいれた状態

お茶をいれた後の見た目の違い。

右側のアロマポットで熱した後は左側の緑茶の色よりも茶色になっており、味もほうじ茶そのものになっています。香ばしさが増しており飲みやすくなっています。

100均アイテムで茶香炉を自作して感じていること

高価な茶香炉を買わなくても、100均のアイテムで茶香炉は代用できます。しかしイマイチだと感じることもあります。

ダイソーの蝋燭(ティーキャンドル)は燃焼時間が安定しない

ダイソーの蝋燭(ティーキャンドル)には燃焼時間が記載されていません。

そこで独自に燃焼時間を計測したのですが、燃焼時間が安定しないものばかりです。もちろん無風状態で使用しています。

私が今まで使用した蝋燭の燃焼時間の平均は4時間45分でした

蝋燭によって個体差があるのか、4時間30分ぐらいで消灯するグループと5時間で消灯するグループがある印象です。

ちなみに一番短かったのが4時間15分、長かったのが5時間10分でした。5時間を超えるのは極稀にありました。

賞味期限を過ぎても香りはいいが、新鮮な茶葉の方がより良い

私はお寺さんなので未使用の茶葉がたくさんあります。それも賞味期限切れが多く。アロマポット(茶香炉)を使うようになったのも茶葉を少しでも消費するためでした。

そして保存をきちんとしていれば賞味期限を大きく過ぎていても、十分な香りを出すことが分かっています。

しかしやはり鮮度のいい茶葉には勝てないような気がします

試しにその年の新鮮な芽茶を使用してみたところ、お茶屋の前を通るときのような芳醇な甘い香りが漂いました。

茶香炉専用の茶葉は使用したことがないのですが、家にある古い茶葉よりも香りを純粋に楽しみたいときは新しく購入した方が良いかもしれません。

その場を離れにくくなる

今まで火事になったことも煙を出したこともないのですが、蝋燭に火を灯している以上、アロマポットから離れにくくなっています。

安定した台の上においておけば、おそらく火事にはならないでしょう。また30分ほどはかき混ぜなくても大丈夫なのですが、やはり火がついている部屋を空けておくのは恐ろしいので、蝋燭が燃える切るまでの5時間近くを拘束されてしまいます

長期の時間が確保できる状態でないと気軽にアロマポットが使えない状態です。

当然、出かける時や寝る前には使えません。

100円ショップのアロマポットは上皿が取り外せない

本格的な茶香炉は上皿が取り外せる仕様になっているものが多いです。

しかし100円ショップのアロマポットは上皿が取り外せません。

最初は香りが良くても4・5時間も加熱すると最後の方は香りが薄くなるので、途中で茶葉を新しく変えたいのですが、上皿を取り外せないため非常に難しいです。

特に芽茶は焦げやすい印象ですので5時間は過剰です。ちょっと不便です。

もしもあるなら上皿が取り外せるタイプがおすすめです。

茶葉の香りの範囲は広くない

茶葉の香りは非常に穏やかですし、使用している茶葉の量も少量です。

そのため室内のように香りを閉じ込められる空間であれば茶葉の甘い香りが漂うのですが、例えば玄関や廊下のように人の通りや広い空間ではちょっと物足りなく感じてしまいます

私の使用している部屋は6畳間ですが、この程度の部屋の広さがベストのような気がします。

部屋の横を通る人にはいい香りが感じられるようです。

それと一つ注意点がありまして、アロマポット(茶香炉)の部屋にずっといると香りが感じられなくなってしまいます。ときどき部屋から出ていくか、部屋の換気がてらに空気を入れ替えてあげた方が良いかもしれません。


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さいごに。簡単に茶香炉の代用ができるからおすすめ

緑茶茶葉は家にあるものですから実質タダですし、アロマポットは繰り返し使い続けられます。

蝋燭もダイソーのティーキャンドルだと15個入りで108円ですので、1回7円程度で茶葉の香りを楽しめます。

非常にコスパの良いお茶の香りを楽しむアイテムです。茶葉を余らしている方はぜひ試してみてほしいです。

ちなみに寒い冬限定ですが、ストーブを使った茶香炉の代用方法も紹介します。『ストーブで緑茶を簡単に焙煎する。ほうじ茶をつくり、お茶の香りを部屋いっぱいにする方法

室内の暖をとるときに合わせて茶葉の香りをたのしむことができますし、100均のアロマポットよりも短時間で大量にほうじ茶を作ることができます。ぜひ参考にしてください。

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