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大きいお寺よりも、コンパクトなお寺を目指す

香川に住む僧侶のかっけいです。

南海トラフ地震が近い将来に発生すると言われて久しく、平成から令和へと移り変わりました。

内閣府の防災情報のページ『南海トラフ地震』の資料によると、「今後30年以内の発生確率は70~80%、最大M9.1の地震による激烈な揺れと大津波で死者は最悪32万3千人」となっています。

お時間があれば、香川県が作成した次の動画も見てください。

南海トラフ地震(最大クラス)に関するDVD【通常版】《香川県》

お寺には、仏さまやお骨を安置するお堂があります。

耐震がしっかりできているかといえば、そうではなく、東日本大震災や熊本地震に代表されるように、大きな揺れがあれば倒壊する恐れもあります。

実際、私の所のお寺でも、昭和南海地震では本堂の梁がずれ屋根が波打っていますし、安政南海地震では山門の灯籠などが崩れたと聞いています。

ひょっとすると次の大きな地震では、本堂が全壊せずとも、安全面を考慮し入堂禁止となるかもしれません。

今、私は、「もしも本堂を失い、新しく作るのであれば、コンパクトなサイズにしよう」と考えています。

なぜコンパクトなサイズのお寺を目指すのか、書きつづります。

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かつてのお寺はなぜ大きかったのか

昔のお寺は、大きな建物と広い敷地がありました。(もちろん、そうではないお寺もありますよ)

お金や土地を持っている支援者・庇護者がいたからというのは、その通りなのですが、ではなぜお寺を大きくする必要があったのでしょうか。

ここでは理由を3つ挙げます。

  1. 仏さまやお寺を権威づけるため
  2. 大勢の人々が集まることができるようにするため
  3. お寺が目立つようにするため

お寺は仏法を守り伝える役目があります。そこには仏さまをまつり、お浄土を模した空間があります。立派な建築物は仏さまやお寺を権威づけることができます。

またお寺は仏教儀式や教化伝道する場であります。

人々が集まることができるように、お堂(伽藍)を大きく広く、目立つようにしました。

ちなみに人がいない空間のことを「がらんどう(伽藍堂)」と言い、その逆を「満堂」と言います。

これからの時代のお寺はコンパクトなサイズで十分

私の所は浄土真宗の寺院のため、他の宗派よりもお寺が大きくなりがちです。

浄土真宗は出家者のためではなく、一般民衆が生活をしながらお寺に参り、仏法にであいます。

そのためお寺はたくさん入れるように広く、遠くからでも目立つように高くなっています。

しかしそれは昔のはなし。

現代では、お寺に集まる人が少なく(若者は全くおらず)、お寺を隠すように周囲に高い建物がたっています。

有名なお寺・観光寺院であれば人はそれなりに集まりますが、地方の一寺院の場合、大きいサイズのお寺は意味を持たなくなっています。

これからの時代のお寺は、かつてのように大きくせず維持しやすいようにコンパクトにするべできでしょう。

どんなコンパクトなお寺にするのか

2019年, 今の本堂

ここでは地震で本堂が崩れた後のことをイメージしています。

私の中では次に建てる本堂がイメージできているのですが、絵を描くことができないので、ここではこんな形したいということを書きます。

新しいお堂の形
  1. お堂のサイズを一回り小さくする
  2. 正面の階段を無くし、車いすでも入れるように
  3. 参拝者の空間を椅子席にする
  4. 外からでもお堂の中の様子が分かるようにする
  5. 過度に華美にせず、費用をなるべく抑えるように
守るポイント

仏さまを見下ろすような造りにだけはしないこと

一回り小さなお堂

今、私のお寺は7間四方の本堂です。案では5間四方を考えています。

7間四方の本堂でも参拝側(外陣)は70畳くらいあります。しかしこれから先、こんなに広い空間はいらないでしょう。

前の本堂は9間四方だったそうで、今の本堂がすっぽり収まる大きさだったそうです。縦横が2間狭くなるだけで、半分程度の大きさになります。9×9=81、7×7=49、5×5=25(81⇒49⇒25となる)

昔の本堂を知っている人からすれば、3割程度の大きさになり悲しく感じるかもしれませんが、大きなお寺に意味がなくなった現代では、コンパクトになるのは仕方のないことです。

正面の段差をなくす

お寺には階段がつきものです。

足腰の悪い人からすれば、あの段差の上り下りは辛いことです。

  • お寺が山にあった名残り
  • 頭を下げて建物に入るため
  • 仏さまを高い位置にまつるため

階段にはこれらの理由が考えられますが、段差があることで参ることができない人もいます。

どなたでもお寺の中に入ることができるように、段差をなくして車いすでも入れるようにしたい。

すべて椅子にする

お寺といえば、畳の上に正座をイメージするでしょう。

でも今では多くのお寺が椅子を用意しています。畳が単なる飾りとなっています。(もちろん失礼ということで椅子に腰かけない人もいますが)

防火も考え石畳み床やコンクリート床にして、土足のまま入り参拝できるようにしたい。

外からでも仏さまを拝めるように

観光寺院でなければ、田舎のお寺は普段、本堂を閉じていることでしょう。

でもそうするとフラッとお寺に来た人が、仏さまを拝むことができないんですね。(そんなときはお堂に手を合わせばいいのですが、やっぱり仏さまの姿を見たいですよね)

浄土真宗以外では、仏さまを囲むようにお参りできたりします。それと似たようなことができるように考えています。

費用をなるべく抑える

お寺の建物・仏具には多額の費用がかかります。

仏さまを安置する本堂ともなると、けた違いに高くなります。

お寺から高額の懇志を頼まれた経験をもつ人もいるでしょう。

かつては、自分たちの菩提寺・お世話になるお寺ということで、一代限りの数十万円のことならと、頑張って支えてくださったことでしょう。

しかしこれからの将来、お寺に懇志を納めてくださるでしょうか。仮に懇志を納めたとしても金額が低いほうがいいでしょう。

私は本堂をコンパクトにして華美な飾りを控えようと考えていますが、それでも億はいくことでしょう。

費用をいかに抑えられるか。非常に重大な課題です。震災後数年の再建は避けるべきでしょうか。


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本堂を再建するのは非常に大変なこと。だからこそコンパクトにする

かつてのお寺は大きかった。

でもお寺に集まる人がへっている現代、お寺よりも大きな建物が多くなった現代、未来のお寺はコンパクトな方がよろしいのではないか。

近い将来に、大きな地震がやってくるとされます。

再建するお寺もでてくるでしょう。

ただでさえお寺を維持するのが難しい今、再建するのは非常に大変なことです。消滅するお寺もあるでしょう。

お寺を守り伝えるためには、時代に応じたお寺の形に変化するべきでしょう。コンパクトなお寺は時代の流れでしょうね。

さいごに、本堂を再建した例として、浄土宗総本山の公式ホームページから「本堂再建-檀信徒の決意」へのリンクを紹介します。

檀信徒の支えがあってなんとかお寺が再建できたことを紹介していますが、これはかなり稀有な例ではないでしょうか。さらりと「毎月2万円の積み立て」と書いていますが、年間24万円ですよ。普通はできませんよね。

立派な本堂を立てることも大切かもしれませんが、時代に応じたコンパクトなお寺も目指すべきでしょう。

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