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合祀・合葬とはどんな意味?お寺ではどっちの言葉を使う?

投稿日:2018年8月25日 更新日:

真宗僧侶のかっけいです。

7月8月のお盆や春秋のお彼岸には多くの人がお墓や寺院や神社に参ります。先祖供養などのためにですね。

するとその施設よっては、合祀(ごうし)や合葬(がっそう)という言葉が使われているのですが、一般の人には違いがよく分かっていないように感じます。

そこで今回は『合祀と合葬にはどのような違いがあるのか』を説明します。

この二つの言葉は似た意味で使われていることもありますが、厳密に区別すれば違います。


合祀(ごうし)と合葬(がっそう)は辞書ではどんな説明

【合葬】(がっそう)

同じ場所に二体以上の死体を葬ること。夫婦、家族を葬る場合、主従の場合、無縁仏や戦死者・災害による死者などを葬る場合などがある。

【合祀・合祠】(ごうし)

二柱以上の神や霊をいっしょにして一つの神社にまつること。また一神社の祭神を他の神社に合わせまつること。

日本国語大辞典 第2版より

合祀も合葬のどちらもよく似ていますね。

単純に言えば、複数の死者を一つの場所で祀る(まつる)か、葬る(ほうむる)か」の違いということです。

では続けて浄土真宗僧侶である私が、お寺ではどのように使い分けているのか説明します。

合祀は骨が不要。合葬は骨が必要

乱暴な言い方をすれば、合祀は骨がいらなくてもできるが、合葬は骨が必要になってきます。

もう少し詳しく説明します。

合祀は霊や神をまつる神道でよく使われる言葉

例えば皆さんは靖国神社(やすくに)を知っていますよね。

靖国は1869年に作られた招魂の神社で、国家のために死んだ人たちの霊を招き慰め「合祀」しています。

国事に殉じた英霊がまつられているのですが、靖国にはその人らの「遺骨」がありません。納骨をしているわけではないのです。

祀る(まつる)という言葉は畏怖や慰霊や祈祷の側面があり、骨の有無は関係ありません。ですので合祀とは神や霊(英霊)に対して使われるのです。(合祀は神道でよく使われる用語で、ある神社の祭神を別の神社で合わて祀ること、または一つの神社に複数の祭神が祀られている状態のことを意味します)

合葬は遺体や遺骨を納めるので骨が必要である

葬る(ほうむる)という言葉は死体や遺骨を墓所に納める・埋めるという意味があります。

ですので合葬をするということは、かならず二つ以上のお骨があり、それを一か所に集めて納める(埋める)のです。

合祀は骨が無くてもできるのですが、合葬は骨や故人を象徴するものが無ければできないのです。

仏教寺院ではどちらの言葉を使うのか

お寺では「合葬」を使いますが、ご門信徒らに説明する時にはあえて「合祀」を使うこともある。

合わせてまつる「合祀」と合わせてほうむる「合葬」を文字の意味のままにとらえると、骨を納めているお墓や納骨施設の遺骨を合わせる時には「合葬」を使うのがベストです。

お寺では永代納骨というのがあります。永代に渡るように僧侶や管理者がお骨を守り供養するのです。

しかし永代に渡るようにということなので、実際には永代ではなく、骨壺をこれ以上預かれなくなると古い骨壺から合葬していきます。もしくは管理施設によっては1年や5年といった期間をあらかじめ設けてそれ以降は他のお骨と合葬します。

お骨というのは形があり、また骨壺・骨箱に納められ空間をとるので、いかなる納骨場所でも将来的には合葬を考えなくてはなりません。

ですので個別のお骨を預かる仏教寺院ではいずれ必ず合葬することを説明します。

合葬という言葉を使うと、知らない他人とお骨が混じるのをイメージして嫌う人もいるので、招魂慰霊として神社が使っている合祀の言葉の方がよいイメージを持ちやすいのです。また合祀はお骨が不要ですが、お骨があっても合祀といえるので、合祀は合葬以上に幅の広い言葉なのです。

そのため仏教寺院では骨を合わせて納める「合葬」なのですが、もっと使いやすく良いイメージを持ちやすい「合祀」の言葉で説明することもあります。

霊や魂を考えない浄土真宗でも、あえて合祀を使うこともあります。ただ「合祀納骨」よりも「合葬納骨」、「合祀墓」よりも「合葬墓」の方がお坊さん的にはしっくりします。

合葬の方法には「骨仏(こつぶつ)」がある

骨仏(こつぶつ)は聞きなじみのない言葉かもしれませんが、簡単に言えば、「大勢の人の遺骨で作られた仏像」ということです。

例えば香川県高松市にある法然上人ゆかりの寺「法然寺」の骨仏が有名ですかね。この浄土宗のお寺では納骨・分骨された遺骨を合わせて高さ1.8メートルの座像の阿弥陀如来像をつくり仏の姿をもって故人を偲んでいます(写真はこちら別リンクで)。

骨仏というのは複数のお骨を一か所の空間にまとめる合葬のことなのですが、納骨された皆様のお骨から仏様のお姿をつくりし、仏様として拝むことによってよりご仏縁をいただいていくことを願われています。

  • 仏の姿になったご先祖にあえる
  • 仏と一体になれる
  • 仏像として安置され多くの人に敬われ手を合わされる

といったように、合葬の中でもより尊く感じられるお骨の埋葬のスタイルとなっています。

私は真宗興正派の僧侶なので自派のお寺を例に挙げますと、香川県丸亀市郡家町にある「郡家興正寺別院」にはお骨仏となった仏様8体が納骨堂内にて安置されています。

真宗興正派、郡家別院の納骨堂の仏像の様子

郡家興正寺別院の納骨堂内(極楽堂)

郡家別院では約10年毎に納骨堂に納められたお骨を合わせて阿弥陀如来の立像を造立しています。

郡家別院の阿弥陀如来の骨仏。納骨された遺骨を合葬した仏様

かつては遺骨を砕きセメントで固めて職人の手で仏様のお姿を作成していましたが、8体目のお骨仏ではあらかじめ成形した阿弥陀様の仏像に後ろから遺骨を注ぎ入れる形をとりました。

骨仏となった故人の遺骨は仏様として安置されるので、かならず開眼の法要をします。

ですので郡家別院では新しく仏様を迎えたおよろこびの法要として、「骨仏慶讃法要」の名で、京都本山興正寺よりご門主さまをお招きしてお勤めをしました。


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まとめ。合祀や合葬は墓が減るこれからの時代により増えるだろう

話をまとめます。

  • 合祀(ごうし)は故人の霊や魂を一つの場所でお祀り(おまつり)することで、お骨が無くても大丈夫。
    主に神道(しんとう)の神社で使われる言葉である。
  • 合葬(がっそう)は納骨・分骨された故人の遺骨を一つの場所・空間に他のお骨と合わせて葬る(ほうむる)こと。
    お骨が無ければダメなので、お骨を預かる仏教寺院や納骨施設にて使われる言葉。
  • 合祀の方が良いイメージを持ちやすいので、お寺でも合祀墓や合祀納骨や永代合祀という言葉で説明することもある。

最近では「納骨堂」や「永代供養墓」だけでなく、「合葬墓」・「合祀墓」・「共同墓」・「合同墓」などと似たような名前のお骨の納め方、故人の供養の仕方があります。しかしこれらの言葉を厳密に区別して説明する人は少ないと思います。混乱の元ですし、ただ他の施設との差別化をはかりたいだけのこともあります。

ただ僧侶の私が感じることは、これからの時代は家単位の個人所有の墓は廃れていき、しだいに合祀や合葬の供養の仕方がごく当たり前のことになると思います。

合葬では知らない他人とお骨が混じるので、後々の回収が不可能であったり、雑な扱いになるのではないかと心配されることもあるのですが、檀那寺や菩提寺ではいつも読経の声が響きお参りされているので粗末な扱いではありません。

むしろ故人の供養の仕方では一年の内ほとんどをお参りする事ができないので、最近ではお墓を片付けて、お寺や納骨室にお骨を預ける人が増えています。そちらの方がより丁寧だと。

墓が減り個人個人の手による先祖を偲ぶことが難しくなっているので、これからは信頼のおける場所にお骨を預け将来の合葬を約束したり、神社等に慰霊のための合祀をお願いするケースも増えていくことでしょう。

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