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第222回目のラジオ配信。「お仏壇の開閉」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。
今回はお仏壇のお扉の開け閉めについて短くお話していきます。
お仏壇のお扉は閉じることってあるんですか?という質問をごくまれにいただくことがあります。
私のお寺のご門徒さんに限って言えば、お仏壇のお扉は常に開けっ放しで、お仏壇のお扉を閉じられる家はほぼありません。
お仏壇のお扉は開けっ放しにするもんだという考えが当たり前にあるのか、この仏壇の扉はどういう意味があるんだろうか?閉めることはあるんだろうかという疑問をもつ人もまれにいます。
お仏壇のお扉の開け閉めは、宗派によっても地域によってもお寺のお坊さんごとによっても考え方は違うでしょうから、はっきりこれと言った答えはないかもしれません。
なので今日の内容は、香川県にいる浄土真宗のお坊さんのお話だとご了承ください。
さて、結論を言いますと、お仏壇のお扉は毎日開け閉めします。
ただしですね、正しくは毎日開け閉めするんですけども、開けっ放しにしても構いませんし、開けっ放しの方がいいと思いますと、お扉について聞かれた時には私はお答えしています。
浄土真宗もいろんな派があるので考え方は違うかもしれませんが、一般的には仏様にお参りする時、お仏壇の前に座り手を合わす時に、お扉を開けることをおすすめしています。
浄土真宗では朝と夕のお勤めをすすめています。
なので、朝、お仏壇に参った時にお仏壇のお扉を開けます。お参りが終わると、日中はお扉を開けたままにし、その開けたまま夕方のお参りをします。
夕方のお参りが終わると、お仏壇のお扉を閉じます。
仏教宗派によって考え方は違うでしょうが、浄土真宗の場合、大方、このやり方をできればしてほしいとおすすめしているでしょう。
ただ、現実問題として、私はお仏壇のお扉を開けっ放しにしてもいいと思っています。
というのも、ご家庭のお仏壇というのは、お寺の本堂と比べて、かなりコンパクトです。
コンパクトな空間のなかに、仏さまを安置し、お花やおロウソクやお香やお供物をお供えしていて、かなり窮屈な感じがします。
お仏壇からはみ出していることもあったり仏具を動かしたりと、お仏壇のお扉を開け閉めするのもけっこう大変です。
お参りのあとに閉めるとなると、ロウソクや線香の火の始末も心配になります。火事になっても困ります。
そういったわけで、私は、お仏壇のお扉を必ず閉めてくださいよとは言えません。
それと日中開けておいたままにする理由も言いますね。
日中開けておくのは、お仏壇はお寺の本堂と同じだからです。
お仏壇はお寺の本堂をコンパクトに表現したものです。
お寺の本堂は、ご本尊様、仏様をおまつりしているお堂です。
本当は毎日お寺にお参りできれば一番なのですが、日常生活をしていますと、なかなかそうお寺にお参りするというのは難しいことでしょう。
お寺に毎日お参りできないけども、家の中でも仏さまを安置し、いつでも敬いお参りできるようにとしたのが、それぞれのご家庭のお仏壇というわけです。
なので、お寺を見ていただいたら分かりますように、お寺の山門は毎日、朝開きますよね。
皆様が日中、日が昇っている時間にお参りできるようにするためです。
そして夕方には門は閉まります。
お仏壇はお寺にお参りするのが難しい日々の生活の中でも、いつでもお参りできるようにしたものなのですから、お寺と同じように、日中、常にお仏壇のお扉を開けていただいたらいいんです。
ちなみにお仏壇のお扉を開けっぱなしにする理由として、『お仏壇のご本尊様から家の中が見渡せるようにするため、見守ってもらうため』という説明をする人もいるようです。
ただしこの説明は浄土真宗から言えば、理由としておかしいです。
お仏壇のお扉を開けるのは、お参りする私たちが仏さまのお姿を目にして敬い拝むためです。
お仏壇のお扉を閉じると、仏さまの視界が遮られて、仏さまが私たちを見ることができない、私たちを照らすことができないなんてあり得るでしょうか?
少なくとも浄土真宗のご本尊の阿弥陀様に限って言えば、そんなことはありえません。
お仏壇のお扉を開けるのは、私たちが仏さまのお姿を目にして敬い拝むためなのですから、お参りする時はお扉を開けて、夜寝る時、活動しない時は、お扉を閉じたらいいんです。
ここまでのお話をおさらいしますね。
浄土真宗の場合、お仏壇のお扉は毎日開け閉めします。
朝のお参りの時にあけて、日中の日が昇っているとき開けたままにし、夜のお参りがすむと閉じます。
ただし、毎日のお仏壇の開け閉めは大変なので、開けっ放しでも構いませんよと私は答えています。
お参りするときは開けると覚えていただけたらOKです。
さて、これで今日のメインのお話は終わりですが、最後にもう少し余談をしますね。
よくある誤解に、お葬式のとき、お仏壇の扉を閉じるというのがあります。
最近は家でするお葬式も減ったのでこういう話も減りましたが、それでも似たケースで、亡くなって49日の中陰の間もお仏壇の扉は閉じておくんですかという話もあります。
これも地域や仏教宗派によって考え方は違うかもしれませんが、香川の浄土真宗でいえば、葬儀のときも、49日の中陰のときも、家のお仏壇は開けます。閉じっぱなしにする必要はまったくありません。
最近は家で葬儀をすることも減りましたが、ご遺体を家に安置してお勤めする時、浄土真宗の場合、必ずお仏壇のお扉をあけます。
よくある誤解ですが、枕経や葬儀や中陰のお勤めというのは仏様に対してするものです。浄土真宗の場合。
浄土真宗では亡くなった人のご遺体やお写真に対して拝むのではなく、仏様に対して拝むので、枕のお勤めのときも、お葬式のときも中陰のときも、お仏壇のお扉を開けて、お仏壇にお花やおロウソクやお香をお供えして、お仏壇の前でお勤めします。
最近は葬祭業者による葬儀会館での葬儀が当たり前になって、仏様と読経するお坊さんの間にご遺体を安置することが多いので、つい亡くなった人に対して拝んでいるようにも見えますが、繰り返しますが、浄土真宗は仏様・阿弥陀様に対して手を合わせています。
なので、家で枕や葬儀のお勤めをするときも、正しくは亡き人の前でお勤めするのではなくて、お仏壇のお扉を開けてお仏壇の仏さまの前でお勤めします。
49日の中陰のお勤めも、白い布をかけて中陰壇がお仏壇とは別に用意されますが、やはり拝むのは阿弥陀様に対してです。
なのでお仏壇のお扉をあけて、中陰壇の前ではなく、お仏壇の前にてお勤めをします。
他の仏教宗派のことは分かりませんが、浄土真宗の場合、拝むのはご本尊の阿弥陀様なのですから、枕や葬儀や中陰をふくめ、仏様参りの時は必ずお仏壇のお扉を開けてくださいませ。
お参りをしないとき、夜寝ているときは閉めて頂いてもOKです。
その他、お扉の開け閉めについての詳しいことは、この音声を載せている円龍寺のブログ記事にて書いておこうと思います。
お仏壇のお扉に関するQ&A【浄土真宗】
この回答は、香川にいる浄土真宗のお坊さんによるものです。
- Q仏壇の開け閉めはいつしたらいいのか
- A
お参りするときには必ず開けると覚えたらOK
夜寝ているときや旅行などで、しばらくお参りができない状態が続く場合は閉じていただけたらと思います。
- Q仏壇の扉は毎日閉じるべきか?
- A
仏壇は毎日開け閉めするのが基本です。
開け閉めのサイクル- 朝朝に開ける
朝、仏壇にお参りしたときに、お仏壇のお扉を開ける
- 昼開けたままにする
朝開けたまま、昼は開けっ放しにする
- 夕夕方に閉める
夕方のお参りが終わると、お仏壇のお扉を閉じる
- 夜中閉めたまま
寝ているときはお仏壇を閉めたままにする
お参りする用事があるなら、夜中に開けてもいい
- Q仏壇の扉は枕経のお勤めや葬儀のとき閉めておくのか?
- A
浄土真宗の場合、かならず開けます。
お仏壇に安置する阿弥陀如来さまに対してのお勤めだからです。
家族が亡くなった、身内に不幸があったという理由でお仏壇のお扉を閉じることはないです。
- Q中陰の期間、四十九日の法要が終わるまで仏壇の扉は開けない方がいいのか?
- A
開けてください。
枕経や葬儀のときと同じ考えです。仏様に対して拝んでいます。
浄土真宗の場合、ご遺体やご遺骨やご遺影(写真)に対して拝んでいるわけではありません。
- Qお正月・元日にお仏壇を開けないのか
- A
開けます。閉じる理由がないです。
お仏壇はお寺の本堂をコンパクトに表現したものです。
ご本尊様(仏さま)をおまつりしているお寺の本堂では、年末には除夜会、年始には元旦会をつとめています。
ご家庭のお仏壇でも年末年始、ぜひご家族そろってお参りくださいませ。
- Qお盆やお彼岸のときは閉めるのか
- A
開けます。
お盆やお彼岸もお仏壇の前でお参りしますので、お仏壇のお飾りはしっかりとしてください。
「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。