これはお釈迦様がされた阿弥陀さまのお話です。
お釈迦様はたくさんの偉いお坊さんたちと祇園精舎にいました。
お釈迦様は長老だった舎利弗に対して阿弥陀仏のお話をしていきます。
舎利弗さん。ここから遥か西の彼方には極楽というお浄土があって、そこには阿弥陀という仏さまがいて仏の教えを今も説き続けています。
阿弥陀様のお浄土は、色んな宝で彩られた欄干や街路樹のようなもので、囲われています。
そして池もまたすばらしく、大きな蓮の華がそれぞれあるがままの色を放って、何とも言えない香りを持っています。
阿弥陀様のお浄土では、天上世界の音楽が流れていて、一日に6回、曼陀羅華のお花が雨のように降ってきます。
このお浄土には阿弥陀様がいろんな鳥のお姿に変身されていて、仏さまの教えを説いています。
またなんとも言えないすばらしい風が吹き、何とも言えない優れた音を奏でてくれます。
その音を聞いた人は、みんな、仏法僧を念じる心が生まれます。
さてこの仏さまは、何にも妨げられることなく、あらゆる世界をかぎりなく照らされているので阿弥陀と名づけられています。
またこの仏さまの世界にいる人々も、かぎりない命であるから阿弥陀と名づけられています。
阿弥陀様が仏さまになられてから途方もなく長い時間がたっています。
この仏さまの世界には、必ず仏になれる人たちがたくさんいます。
阿弥陀仏の教えを聞いた人たちはみんな、阿弥陀仏の極楽浄土に生まれたいと願うのがいいですよ。
それはなんでかというと、阿弥陀仏のすばらしいお浄土の世界で、先に往かれたすばらしい人たちとまた会うことができるからですよ。
ただしですね。
私たちができるようなちょっとしたよいことでは、阿弥陀さまのお浄土に生まれ往くことはできないんですね。
それじゃあ、どうやって阿弥陀仏のいる極楽のお浄土に生まれればいいだろうか。
これはね、阿弥陀様のお話を聞いて、そのお名前、南無阿弥陀仏をしっかりと持ち続ける。時間の長さにこだわらずにね。
南無阿弥陀仏を大切に持ち続けること、そうすると、阿弥陀仏のお浄土に生まれ往くことができますよ。
さて、私は阿弥陀仏のすばらしい働きを知っているから、今、あなたにこの阿弥陀仏のことを話しています。
だからもし、他の人たちも阿弥陀のお話を聞いたなら、阿弥陀仏のお浄土に生まれてほしいのです。
それは私が今、阿弥陀仏のとんでもない働きをほめたたえているように、東の世界をはじめ、南・西・北・下・上にいらっしゃるたくさんの仏さまたちもまた、阿弥陀仏をほめたたえ、この教えをまもっています。
このたくさんの仏さまたちは、今も、それぞれの世界で、阿弥陀仏の教えをお話しています。
さてなぜこの阿弥陀仏のお話は、あらゆる仏さまたちに護られているお経なのでしょうか。
それはですね。
私一人がただお話しているだけじゃなくて、あらゆる仏さまたちが護り続けている教えであり、その阿弥陀様のお名前や働きを聞くことは、あらゆる仏さまたちにまもられることになるわけです。
だからですね。
あなたたちみんなには、あらゆる仏さまがまもりお話しし続けている阿弥陀様の教えと南無阿弥陀仏を受けとってほしいのです。
もし阿弥陀様のお浄土に生まれたいと願ったなら、その時に、間違いなく阿弥陀仏のお浄土に生まれることがかないます。
私が今、いろんな仏さまのすばらしい働きをほめたたえたように、その仏さまたちも私のしていることをほめたたえています。
それはこの濁った人間の世界において、仏となり、あらゆる人びとが救われる阿弥陀仏の教えをお話しているからです。
迷いの多いこの世界では、信じることが難しい教えだけども、阿弥陀仏の教えを何とかお話することができました。
お釈迦様による阿弥陀様のお話が終わると、舎利弗をはじめ他のお坊さん達、合わせてお話を聞いていた天人や人々・阿修羅たちは、お釈迦様にお礼をして立ち去っていきました。
釋克啓が訳す