お布施に書かれる冥加金とはどんな意味なのか

浄土真宗僧侶のかっけいです。自坊のお寺では年に一度「御本山冥加金進納袋」をご門徒さんにお願いしています。

普段のお参りでは「お布施」と表書きに書くことが一般的なので、「冥加金(みょうがきん)」とはどのような意味があるのかよく質問されます。

簡単に言えば、冥加金とは「冥加に対するお布施」ということなのですが、そもそも冥加の意味自体あまり知られていないようです。

冥加金とはどんな意味なのか説明します。

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冥加(みょうが)の意味

【冥加】(みょうが)仏語

①冥々(めいめい)のうちに受ける神仏の加護。知らないうちに受ける神仏の恵み。また偶然の幸いや利益を神仏の賜うものとしてもいう。

②(形動)ありがたくもったいないさま。冥加に余るさま。

③神仏などの加護・恩恵に対してするお礼。報恩。

日本国語大辞典第2版より

冥という漢字は冥土(めいど)や冥福(めいふく)のように、死んだ後の暗い世界のイメージをもつかもしれません。

しかし冥加・冥護(みょうご)・冥利(みょうり)のように、私たちの知らないうちに仏や菩薩から与えられる利益(りやく)のことも意味します。

冥加とは

浄土真宗では、知らない間に仏祖から加えられるご利益のことを冥加とよぶ。(真宗辞典を参考)

冥加金を納めるのはなぜか

冥加金は神仏の加護・恩恵に対してするお礼のお金のことです。お布施と同じですよね。

冥加金はお布施と同じような意味なのですが、お坊さんは「本山冥加金」や「永代冥加金」や「納骨冥加料」などと使うこともよくあるでしょう。

これらは冥加の意味合いをちょっと変えて使っているのです。

仏の加護を知らず知らずに受けていることが冥加なのですが、その仏様をおまつりし仏法を伝えていくお寺がいつまでも続いていくために納めるお金のことを冥加金としているのです。

冥加金を別の言葉で表現すると、「懇志金」や「護持金」となるでしょうか。

お布施は布施として、冥加金はお寺を護持していくための寄進という意味合いがあるでしょう。

自坊では年一度、御本山冥加金進納袋をお願いしています。本山という宗派を代表する大本のお寺は維持するのにお金がかかります。全国の門信徒からの冥加料によって本山が守られています。

本山冥加金は本山を護持するため、永代冥加金はお寺が永代に護持されるため、納骨冥加料は納骨し弔う場所を護持するためのお金ということです。

お布施と冥加金の表書き
  • 命日のお勤めや法事・葬儀の包みには、表書きに「お布施」と書く。
  • 納骨や永代経(永代供養)などの包み、また本山に納める包みには、護持や懇志の意味も含めて「冥加金」と書くこともある。

冥加金はお布施と同じような意味なのですが、しいて言うならば、冥加金にはお寺をいつまでも守っていく気持ちがより強く出ているように感じます。


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冥加金の意味と似た言葉

冥加金・冥加料と似た言葉はたくさんあります。

  • 進納金
  • 上納金
  • 献納金
  • 志納金
  • 浄財
  • 寸志・芳志・懇志
  • 寄付金

お寺によって宗派によって使われる言葉は違うでしょう。でもどれも冥加金と同じような意味を持ちます。

共通することは、神仏に対する見返りを期待しないお礼のお金ということです。

冥加箱は浄財と同じで、お寺への懇志金である冥加金を入れる箱のこと。
浄財箱の代わりに、冥加箱と書く寺もある

仏さまが直接お金を受け取るわけではないので、仏様をまつり仏教儀式を行い仏法を伝えていくお寺があずかり、その護持のために使われます。

なお冥加金は幕府や藩に納める年貢、上納金はお上(天皇や朝廷・幕府)に納めるお金を連想する人もいます。そのためお坊さんによっては冥加金や上納金の言葉を避けて、私からの感謝の気持ちをさしむける進納金や志納金を使うこともあります。

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