シロアリの調査をした。寺に被害があると困るからね

こんばんは。 僧侶のかっけいです。

今日、自坊のお寺で毎年行っている業者によるシロアリの点検作業がありました。

今回はシロアリとお寺について書いていきます。

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シロアリの点検頻度はどれくらい?毎年は過剰なのか。

一般家庭ではどれくらいの頻度でシロアリの点検をされているでしょうか。

毎年される人もいるでしょうし、5年毎という人もいるでしょう。

業者によっては毎年の点検はお金がもったいないと説明している所もあります。

毎年点検して、5年ごとに薬剤を大量にまいて。過剰な作業もいいところです。

シロアリ予防後の点検頻度がすごい」シロアリ愛知.comより引用

まあ確かにすでに薬剤防除をしている状況においてはシロアリにとってはもう快適に暮らせる環境ではないはずですので、この意見は確かなものなのでしょう。

しかしこのことが当てはまるのは一般家庭だけではないだろうか。

お寺というのは普通の家とは少し違います。

  • 例えばお寺は昔の建物であるので、シロアリ予防に有効なベタ基礎で作られていないこと。
  • またお寺は敷地が広いこと。そしてむき出しの地面が多いこと。

一般家庭の場合は一度シロアリ駆除をしておけば、建物・敷地全体がシロアリにとって繁殖するのが難しい状況になるでしょうが、お寺では敷地全体に薬剤を散布することは難しいです。なぜなら広くてお金がべらぼうにかかるからです。

シロアリ駆除の費用って結構するんですよ。坪単価5000円~1万円くらいです。

私の所では一度の駆除で数十万円程度の費用をかけています。本当は敷地全体にできれば完璧なのでしょうが、それだと一千万はいかなくても数百万円はしてしまいます。

お寺にはむき出しの地面や落ち葉さらには湿気ている所も少なからずあります。

普通の家ならば毎年の点検は過剰かもしれませんが、お寺の場合は必要な作業だと思います。

お寺ってシロアリの被害にあいにくいと思っていない?

お寺って建物大きいでしょう。

床下は高くて縁の下は風通しが良いのでシロアリが発生しにくいのです。

でもシロアリって空からつまり屋根からも侵入してくることだってあるんですよ。また庭木の樹木からも繁殖することだってあります。

また部分的に雨どいがない屋根もあります(例えば山門)。そのため雨水の跳ね返りで柱が濡れることだってあります。

お寺にはたくさんの木が使われています。木がある以上、シロアリ被害の可能性は十分にあり得るのです。実際シロアリの被害がしょっちゅうある。


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さいごに。今回の検査はとりあえず大丈夫だった。でも要注意。

今回の点検ではとりあえずどこもシロアリの被害がなかったです。また新たな蟻道もできていませんでした。

そりゃ毎年業者による点検もしていますし、お寺の人間である私も素人ながらも定期的に見回っているからね。

点検結果を聞いてほっとしたのも束の間、要注意することを説明されました。

それは床下の数ポイントに猫の糞尿が目立ってきていることです。

自坊では猫を飼育しておらずよその家の飼い猫がお寺にて糞尿をしているのですが、なかなか対策が難しいものです。業者曰く「縁の下に侵入されないように網をめぐらすしかないのでは」とのことですが、現実的ではないような気がします。

寺社仏閣という建物には、屋根や縁側には鳩といった鳥の糞尿、床下や天井裏には猫やイタチなどの動物の糞尿がたまっていきます。ここから木が朽ちたりシロアリが住みついたりします。

お寺や神社といった古い木造建築が腐らずに虫に食われずに今に残っているのは、その建物を守っている僧侶や檀信徒・氏子がいるからです。

毎年の点検というのは過剰かもしれません。しかし信仰・聞法の場である建物がシロアリによって危機にさらされてはいけないのです。

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