なくなった子供会と花まつり.#236

第236回目のラジオ配信。「無くなった子供会」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

訂正

子供会の解散により花まつりの行事がなくなったと話しましたが、「子供会の解散」はではなく、「子供会の休止状態」が正しい表現でした。

また6月末に片づけられる予定だった白い象や花御堂は、光明寺さんがしばらく預かってくれるようです。

ラジオテーマ内容まとめ
  • 私の地域では花まつりがあった
  • 花まつりは子供のための仏教行事
  • 花まつりのイベントは長く続いていた
  • 地域の子供会が解散したこと休止したことにより、花まつりは消滅した
  • 地域の色んな会・集まりが失われている
  • 地域に対しての無関心により、地域社会が衰退しているように感じる

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市金倉町にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。

私のいる地域、丸亀市金倉では花まつりという行事があります。

花まつりはお釈迦さまの誕生をお祝いする仏教行事ですね。

185回目の配信で、近い将来、この地域の花まつり行事がなくなるかもしれないということを話しましたが、今年以降花まつりが無くなることが決まりました。

その理由はなぜかというと、地域の子供会が無くなったからです。

金倉には五つのお寺があって、毎年それぞれのお寺を会場として、子どもたちは白い象さんを引っ張って移動し、女の子はお稚児さんの衣装をきて、花まつりをしていました。

この地域の仏教行事の花まつりはお寺が主導していたというよりかは、地域の子供会の方からお寺に花まつりをしたいという話があり、お寺と子供会が協力して子どものための仏教行事の花まつりをこれまでずっと続けてきたわけです。

しかし、私のとこの子供会に参加している子どもたちがかなり減って、ついに子供会が解散することになりました。

それをもって、この地域で長年続いていた花まつり行事も消滅したわけです。

この前も、金倉のお寺さんたちが集まって、花まつりのお稚児さん衣装や、仏具や花御堂や、白い象さんを今後どうしていくか相談してきました。

それぞれのお寺が伝手でこれらを引き受けてくれるところはないかなあ、花まつり行事を継続するところはないかなあとあたりましたが、結局いい返答はどこもなかったようです。

そういうわけで、私のいる地区で長年続けられてきた花まつり行事も、子供会の解散をもって無くなりました。

この6月末ですべて片付けます。

悲しいことですよね。

思えば、最近は地域の人たちが集まってなにかイベントごとをするのは難しくなってきていますよね。

私の地区では、昔は花まつりの仏教行事には、地域の女性部の人たちが色んなお接待を手伝ってくれたり、老人会の人たちも花まつりに参加してくれたり、議員さんや市長さんや保育所の園長さんなどが来て挨拶したりと、大勢のいろんな世代・立場の人が集まる賑々しいイベントでした。

ですが、地域の女性部の集まりが無くなりお世話をしてくれる人がいなくなり、お年寄りの集まりもなくなりました。

最近は他のいろんな会でもその会を引っ張ってくれる人がいなくなってきているので、会を存続したりするのが難しくなっているんでしょうかね。

私の地区では旧正月参りというのがあります。旧正月に、地域のお年寄りたちが金倉にある5つのお寺を順にお参りするというものです。

ですが、今年は例年以上に旧正月参りの人数が少なかったです。

聞くと、老人会、お年寄りたちの間で上手く連絡が行きわたっていなかったようです。

地域にお年寄りたちはけっこういるんですよ。ですが、人数が多いからといって、なかなかその会がスムーズに活発に動くかというとまた別の話です。

子供会も似たお話です。

子供会が無くなるのは地域に子供がいないからだと思うでしょう。でも子どもたちはいるんです。

実際、家もどんどん新しくたち、他所から新しいご家族も入ってきているんです。

しかし今の時代を反映しているのでしょうか。

子供会に入る子供というのはほとんどいないんですね。

入らない理由はいろいろあると思います。

大きく言えば生活スタイルや価値観の変化というのがあるんでしょう。

例えば、夫婦共働きの家が増え、地域の活動に参加するのが面倒と考える家もあるでしょう。子どもたちは塾や習い事で忙しい、また他のスポーツクラブに通っていたりと、地域の子供会に入らなくても他の子供たちと交流できる場所があるというのもあるでしょう。

最近ではSNSやインターネットでいろんな時間つぶしや娯楽が増えたのもあって、地域でしているイベントや交流に関心が乏しくなっているとも思います。

地域のコミュニティに入らなくても社会で生きていくのに不自由ないので、入らなくちゃという選択もないんだと思います。

地域の会に加わらないことで地域の会が消滅し、結果として、その地域の文化や伝統が衰退したり、地域の活力が失われたとしても、それがどうしたの?問題ありますか?という価値観なのかもしれないですね。

長々と愚痴のようなことを言っても仕方ないので、これで今日の話を終えますが、結局のところ、私の地域でこれまで続いていた子どものための仏教行事である花まつりは子供会の解散により無くなりました。

それで言うと、1ヶ月くらい前に、消滅可能性のある自治体についてのニュースがあったのを思い出します。

小さな地域の話ではなく市区町村といった自治体での話ですが、たしか2050年までに今ある自治体の4割が消滅するかもという可能性の話だったと思います。

もちろん分析する方法によって消滅可能性の数は全然違いますので、4割という数字を完全に真に受けるものでもないでしょう。

それでこの手の話になると、たいてい出生率の低下、子どもの数が減っているという話になるのですが、自分の住む地域を見るとそれだけではないと思うんですね。

子どもたちがいても地域の子供会に入らない、お年寄りたちがいても老人会に入らない、地域に住んでいても自治会に入らない抜けていく、生活する上で欠かせない水利にも加わらないと、子どもの数云々だけではなく、それぞれが地域に対して無関心になっていき、地域社会が衰退しているようにも私は感じます。

かっけい
かっけい

丸亀市仏教会にも花まつり(お釈迦さまの誕生祝い)の行事を、仏教会として新しく取り組まないかと提案しましたが、どうもやる気がないようです。

残念です。

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