お寺の雑巾がけ.#245

第245回目のラジオ配信。「雑巾がけ」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ内容まとめ
  • 天水受けの水をお寺の雑巾がけに使っている
  • 本堂の縁の板は、太陽の光を浴びてボロボロデコボコ
  • 砂埃や花粉が隙間に入っている
  • 磨くような気持ちで丁寧に拭くこと
  • 雑巾がけは意外と大変だよ

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。

今回はお寺の雑巾がけについて短くお話していきます。

今年の夏も暑いですよね。それに雨が全然降りません。

私の住んでいる香川県のこの場所では、梅雨が明けてからまるまる一ヶ月、30日も雨が降りませんでした。

雨の少ない土地柄ですが、今年は格別に雨が少ないです。

あまりにも雨が降らなさ過ぎて、水の量を減らす取水制限も始まっています。

でもこの前ようやく、香川県にもまとまった雨が降りました。

待望の雨で、お寺の庭木もかなり元気になったように見えます。

それでこの雨を機に、私はお寺の雑巾がけをしました。

いや別に雨が降らなくても雑巾がけはいつでもできるでしょと思いますよね。

確かにそうです。

雨が降らなくても水道の蛇口をひねれば水が出ますので、いつでも雑巾がけできます。

でも私のお寺では本堂の雑巾がけはなるべく天水受けの水を使っています。

別にこだわりがあるわけではないですが、昔から雑巾がけは天水受けの水を使ってきました。

なので、久しぶりに天水受けに水がたっぷり入ったので、さっそくこの水を使って雑巾がけをしたわけです。

ちなみにこの一ヶ月の間、雑巾がけしなかったわけではないですよ。お寺で法事があったり法要があったりしました。その都度水道の蛇口をひねって雑巾がけをしていました。

でもやっぱり私のお寺の場合、円龍寺では、雑巾がけといえば、天水受けの水を使うイメージです。

ところで天水受けってご存知ですよね。

雨どいの水を受ける容器のことで、お寺の屋根に降った雨水を、防火とか水やりとか、そういったようにためて置くものです。

天水受けとも天水桶とも言います。

お寺の屋根は大きく、雨が降ったらたくさんの水が天水受けにたまりますので、一日雨が降れば、雑巾がけはしばらくの間、十分にできます。

さてそれで本堂の雑巾がけをしたのですが、雑巾がけは意外と大変なんですよね。

ひょっとしたら学校の体育館とか廊下とかの雑巾がけをイメージして、ヨーイドンと勢いよく、走って雑巾がけできると思うかもしれませんが、それは大きな勘違いです。

走るようにそれができるのは、フローリングの床、ワックスのかかっているところだけです。

お寺の本堂の縁のように、太陽の日差しを浴びて、表面がボロボロでこぼこ床で、砂埃や花粉がその木の隙間にたくさん入っている状態だと、木の板一枚一枚を心を込めて拭かないといけません。

楽をしようと思えば、モップがけをすればいいのですが、表面はキレイになっても、床の木目、隙間の細かい汚れはとれません。

なので、私のところでは、本堂の縁を雑巾がけする時は、雑巾を固く絞って、両ひざをついて、一枚一枚木目にそって、力強く拭きます。

それと一つ大事なことを言うと、雑巾がけは楽をしようと思えば、簡単に楽ができます。

子供さんによく見られますが、濡れた雑巾を全然絞らず、びちゃびちゃの状態で、床の表面をなでるだけの人がいます。

表面をなでても汚れはとれません。

取れているように見えているだけです。

大人でもサッサッサッーっと拭いていく人がいますが、あれもあまり綺麗になっていません。

なでるよりかはずっと綺麗ですが、それでも木の隙間には埃がしっかりと入り込んでいます。

もう一度丁寧に拭きなおしてみると、雑巾が汚れることがわかると思います。

雑巾がけをするときは、木の板一枚一枚を磨くような気持ちで拭かないと、なかなか綺麗にならないものです。

お寺の雑巾がけは想像以上に大変です。

よかったら一度経験してほしいなあと思います。

今の夏の時期はまだそんなに汚れも目立たないですが、春のような花粉がよく飛ぶ時期だと、本堂の縁が植物の花粉で白や緑色っぽくなっているので、こまめな雑巾がけが大切です。

今回はお寺の雑巾がけについてのお話をしました。

モップ掛けとか、お掃除ロボットとか、便利な道具も今の時代はたくさんありますが、皆さんがお参りされるとき、まず最初にあがる本堂の縁はできるだけ人の手で心をこめてお掃除できればなあと思います。

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