半夏生は「うどんの日」だけでなく「寺まいり」の日でもあります

こんばんは。 香川県のお坊さんのかっけいです。

7月2日は何の日でしょうか。(1日のときもありますが)

半夏生(はんげしょう)ですね。

もう一つ香川ならではの日があります。

うどんの日ですね。

意外と知られていないのか、さらにもう一つ、お寺でもイベントがあります。

夏参り(寺参り)の日でもあります。

半夏生にお寺参り

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7月2日ってどんな日。

半夏生は毎年7月2日頃にあたり、梅雨の最中ではあるのですが7月に入り何となしに天候が変化したように感じられます。具体的には日中・夜間がすご~く熱くなりますね。(香川県の高松市では最高気温が35.2度もにもなりました。)

そんな中で香川県では半夏生の7月2日を1980年に香川県製麺事業協同組合が「うどんの日」って決めたらしいですよ。

といっても香川県は讃岐うどんが有名でありポピュラーな食べ物です。私も週に3・4度は食べるので、私にしてみれば別にうどんの日がなくてもごく普通に食べるものだという感覚です。

今日のお話。「半夏生の寺まいり」

半夏生ってどんな日でしょうかね。

農家にとっては大切だそうで、この日までに田植えを終える目安となるそうです。この日が一段落となります。

まあ実際、これから時候は暑い日がずっと続いたり、大雨になったり、台風がやってきたりと、まともに農作業ができなくなりますからね。

聞いた話になりますが、かつてはこの半夏生がやってきますとお寺におまいりをしていたそうです。

お寺にお参りをし本堂に集まり、お勤めをしお話を聞き、ところによっては食事を振舞う寺もあったそうです。

なぜ「かつて」を強調しているのかと言いますと、現在では半夏生の寺参りをしていない寺院が増えたからです。

先ほども説明したように、半夏生にお寺をお参りするのは一段落ついた農作業の労をねぎらうためでもあります。

しかし例えば浄土真宗では一年の寺院行事に春秋の永代経法要や年の終わりころ親鸞聖人報恩講法要がありますが、半夏生の寺参りというのは何のためのお参りなのかわかりにくく、現代風な考えならば、体を休めるのであればわざわざにお寺にお参りをせずに自宅でゆっくり過ごすというように思ってしまうのではないでしょうか。

娯楽がなかった時代や外での畑作業が当たり前だった時代とは環境が違いますからね。

半夏生「夏まいり」に行ってきました。

香川県では半夏生にお寺をお参りするのはどちらかと言えば高松の風習らしいですし、残っているのも東讃の方らしいです。

私が住んでいますのは丸亀・多度津・善通寺の西讃方面で現在お寺で夏まいりをしているところはほとんどありません。

そんな中で同じ真宗興正派で夏まいりをしているお寺に出勤しました。

お寺での半夏生「夏参り」掲示板

その他の年間法要と同じで、他のお寺さんたち(法中)がお参りし、内陣・外陣に出勤し、ご門徒さんも参詣しています。

お勤めの内容も年間法要と変わりなく、今回は先請伽陀からの和訳正信偈でした。

お参りの人も30人程度ですかね、来ていただいて一緒に声をあげお勤めをし、その後布教使の説法を聴聞していました。


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さいごに感想。半夏生ならでは植物も。

さて今回私は近くのお寺の半夏生夏まいりに行ってきました。

この様子を見ても私は自坊での夏まいりを行おうとは思いませんでした。

ときどき勘違いする人がいるのですが、お寺の本堂は涼しいと思っている人がいます。

確かに床も高く上がっており立て付けも悪いので風通しがいいのですが、いかんせん空気そのものが蒸し暑くなっています。

今日お参りしたお寺は本堂に冷暖房機が完備しており本堂内が涼しく保たれていたのですが、自坊では扇風機しかなくこの時期にお寺で法要すると。労をねぎらうどころか逆に熱中症で倒れてしまうかもしれません。

そんなわけで自坊での半夏生の法要は現状しばらくはないでしょうね。

やっぱりお寺の法要は春秋の時候のよろしいときがいいですね。


ちなみに自坊円龍寺ではハンゲショウという植物があります。漢字では半夏生や半化粧とも表されます。

ハンゲショウの白い葉と花

漢字で表されている通り、夏至(6月21日頃)を過ぎた半夏生(7月2日)のころに、葉が部分的に白くなり化粧したようにもなり、白い点々とした花を咲かせます。

自坊では隠れたところで生えておりますが、この時期を告げてくれる植物です。

 

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