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第282回目のラジオ配信。「初参式と七五三」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市金倉にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。
今回はお寺の初参式と七五三についてのお話をしていきます。
初参式という言葉を聞いたことはありますか?
初めてお参りする式ということで、初参りということもあります。
初参式・初参りとは、子供が生まれて来て、その子供と家族がはじめてお寺にお参りすることを言います。
神社、神様のことだとお宮参りといったりしますが、実はお寺でも同じように初参式・初参りがあります。
もちろんこれは地域性があったり、それぞれのご家庭の環境にもよるので、赤ちゃんとお宮参りには行くけども、お寺には初参式・初参りには行かないという家もあるでしょう。
なかなかお寺に子供の誕生の報告・お祝いってイメージしにくいかもしれませんが、新しい命の誕生をご縁としてお寺に赤ちゃんを連れてお参りいただけたらと思います。
初参式・初参りはお子さんにとって初めてのお寺参りであり、仏さまの前にお参りすることを通して、我が子をかけがえのない命、仏さまの子として大切に育てていくことを確認する、また同時に、そういった子供の為だけでなく、お父さんお母さんも、親になった自分自身の大切な責任に気づいていくお参りなんですね。
続いて七五三のお話をしますね。
よくある誤解なんですが、七五三って神社・お宮さんだけじゃないのと思われるかもしれませんが、そんなことはないです。
お寺にだって七五三のお参りをしていただいていいんです。
七五三そのものは1000年以上前からあったそうですが、現在のように広く一般の人もするようになったのは明治になってからだそうです。
明治の頃から広く普及するようになり、なぜ七五三では神社に行く人が多いのかその理由は私は知りませんが、七五三のお参りはお寺でももちろんOKです。
さて数え年で七歳・五歳・三歳になったときにお寺・神社にお参りすることを七五三というのですが、なぜ七歳五歳三歳なんでしょうかね。
二年おきなんて間隔が短いなあと思うかもしれませんが、昔~は今よりもずっと、生まれてすぐの子が亡くなりやすかったんですよね。
自坊円龍寺にある明治の過去帳を見ても、昔は数えの七歳になるまでに亡くなる子、生れてすぐに亡くなった赤ん坊も多かったです。
三歳ではおむつが外れる頃、五歳では服の紐がいらなくなる頃、七歳では男の子と女の子がそれぞれの服を着始めるころ、というように、七歳五歳三歳と、子供の成長の節目に合わせて家族そろってよろこんでお祝いするのが、七五三なんですよね。
今日まで生きてくれたことに対しての感謝を仏さまや神様に報告するのが七五三です。
七五三のように節目節目に子供を連れてお参りするのは、何か願い事を叶えてもらうために行くんじゃなくて、そういった子供の成長を喜ぶことと、また同時に「私自身も親になっておかげさまで三歳になりました。五歳になりました。七歳になりました」と親としての自分自身の成長を確認していく場でもあります。
今回のお話は子供が生まれて最初の家族そろってのお寺参り「初参式」、子供の健やかな成長と親としての自分自身の成長を確認して報告する「七五三」のお話をしました。
最初に言ったように、お寺に初参式や七五三のお参りをするかどうかは、その地域性もあるでしょうし、それぞれのご家庭の事情もあると思います。
またこういうのはお寺ではなくて、神社だけに行くもんだと思い込んでいるケースもあると思います。
お寺でももちろん子供と一緒にお参りいただけたらと思います。
私の住んでいる香川県丸亀市の金倉では、少し前までは花まつりというのがありました。
花まつりとは仏教を開かれたお釈迦様の誕生をお祝いする4月8日のお祝いイベントです。
そのお釈迦様の誕生祝いの花まつりに、小さなお子さんたちが親と一緒にそろってお参りいただき、子供たちもお父さんもお母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも、生きとし生けるものみんなの誕生をお祝いしていました。
そういったように、地域によっては、お寺に初参式や七五三のお参りを個別にしていなくても、花まつりといったお寺の行事のときに、「仏さまの子」としてのお祝いを家族そろってしているということもあります。
もし小さなお子さんお孫さんがいらっしゃるなら、お宮さんだけでなく、お寺にもお参りされてみてはどうでしょうか?
分からないことがあったらお手つぎのお寺、檀那寺さん菩提寺さんに、子供と一緒に初参式・七五三のお参りに行ってもいいですかと尋ねてみてください。

私の住んでいる丸亀市金倉町では、町内5つのお寺が会場の花まつりがありました
花まつり仏教をひらかれたお釈迦さまの誕生をお祝いするイベントです
子供たちはお稚児さんの衣装を着て、白い象さんを引っ張り、仏さまに甘茶をかけます
昔は地域の敬老会のお年寄りたち、婦人部の奥様方たち、保育所の先生、子供会のご両親たちも参加されて、賑々しく生きとし生けるものみんなのいのちをお祝いするイベントでした
今は婦人部も解散し、敬老会も参加しなくなり、子供会も休止状態になったため花まつりを休止していますが、かつては地域で子供たちの成長をお祝いするお参りがありました