こんばんは。 香川県に住むかっけいです。
最近ではホームセンタで野菜の苗が種苗店以上に品ぞろえよく売られていることがあります。それも一般的な植え付けよりも早い時期に。
そのせいか種苗店でも客を取られていはいけないのか、やや早めに店頭に苗が並ばれています。
まあ種苗店の場合は、「保温キャップをかぶせてください。」・「霜よけしてください。」などと注意書きやレジでの口頭説明があるのでその点は親切ですが、どうにもこうにも最近は早め早めの植付けが流行になっているように感じます。
実際私の周りでも4月末の大型連休前には夏野菜の植え付けを終えている人が多い印象です。
私はそんなに慌てなくても『夏野菜の植え付けは、立夏(夏の始まり)以降』と思うのですが、どう思われますか?
(種まきを3月4月ごろにするのは普通のことだと思うよ。今回は買ってきた苗の植え付けの話ね。)
夏野菜は寒さに弱いのが特徴。
夏野菜は梅雨を過ぎ夏の暑さが厳しくなった7月8月ごろに収穫できる野菜のことです。
代表的な野菜にはトマトやナス、スイカやメロン、オクラやトウモロコシなどがありますね。
暖かい温度と適度な水分があればぐんぐん育つのですが、10度にも満たない気温の時に成長が鈍ってしまいます。霜が降りてしまうと生長点が痛む恐れもあります。また発芽適温も秋冬野菜と異なり最低温度10度は必要だったりします。
これらの様に夏野菜は寒さに弱い特徴がありますので、農家でもない家庭菜園者は夜間の気温が高くなってくる5月から植え付ける方が安全ではないだろうか。
夏の始まりは二十四節気の夏から。
夏野菜を植えるのに適した時期は「八十八夜を過ぎてから」とも言われています。八十八夜とは立春(春の始め)から数えて88日目の日です。
カレンダーによっては水稲の播種する目安とも書かれています。
この八十八夜の数日後に立夏が訪れます。立夏は5月5日頃で暦の上で夏の始まりとされます。
八十八夜や立夏の時期になりますと、日中の気温も上昇し夜間の冷え込みが和らぎ遅霜の被害にあう可能性が低くなるため、安心して夏野菜の植付けができます。
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さいごに。「苗売り」は初夏の季語。
この10年・20年の間に家庭菜園ブームが起こっているようです。
実際年間の家庭菜園野菜苗・果樹苗の市場規模は150億円ほどになっていますし、テレビや書籍では園芸講座や特集が定期的に組まれています。
テレビや書籍ではシーズン前に種まき方法や植付け方法を教えてくれるのですが、どうもあれを見ると気が急いてしまうのか、早く種を播こう、早く植えようと思い込んでしまうのかもしれません。(今回の夏野菜とは話がずれますが、私の住む地域では基本3月中に植え付けるジャガイモの種イモが、前年の12月ごろからず~~と店頭に並んでいるのは如何なものだろうか。家庭菜園初心者が失敗すると思わないのだろうか)
夏野菜の苗は3月以降に店頭に並び始めます。
もちろん保温キャップなどで覆いをして霜から守れば育てることはできるのですが、一か月早く植えたからと言っても収穫できるのは1週間~10日程度しか変わらないので、失敗するリスクと天秤にかければ、立夏の夏入りのシーズンを待ってから植えてはどうだろうか。
俳句には『苗売り』という初夏の季語があります。
苗売りとは、かつてトマトやナス、朝顔やヘチマなどを5月以降の暖かい時候に苗を売り歩いていた人のことを指しています。
昔の人ですら夏野菜の植え付けタイミングをしっかりと分かっていたのですから、私たちもリスクを負ってまで早植えせずに、5月の夏入りしてから落ち着いて植えてはどうだろうか。