こんばんは。 田舎の真宗僧侶のかっけいです。
私のお寺は香川県にある真宗興正派に属している末寺の一つですが、時々このようなへんぴなところにも不審な人がやって来ます。
不審者と思われる人は不思議なもので見た瞬間に「おかしいな?」と感じてしまいます。
対応に困るのですが、応対しないことには話にならないので、住職がいればとりあえず相談をし応対してもらいます。
今回はお寺にやって来る不審者についての話です。
不審者とはなんなのか。
皆さん意外に思われるかもしれませんが、不審者(ふしんしゃ)という言葉は辞書に載っていないんですね。
これは不審な者(人)と言う意味です。
不審[名]
- (形動)細かい点まではよくわからないこと。はっきりしないこと。また、そのさま。
- (形動)(-する)疑わしく思うこと。疑惑をさしはさむこと。いぶかしいこと。また、そのさま。
- 謀反・悪事などの疑い。嫌疑。不興。
- (形動)おぼつかないこと。不安であること。また、そのさま。
- 禅家で、「ご機嫌いかがです」くらいの意味で用いられる挨拶のことば。
日本国語大辞典ー第2版ーより
ですから最近では子供への挨拶・声掛けも不審者扱いされますよね。
その人が親切で声かけたつもりでも、一部の人からは何をするのか疑わしい人として不審な人とみなされてしまいます。
悪いことをしていなくても不審を抱かれてしまうと不審者扱いされてしまうのが現代です。
【注意点】お寺は誰が来てもいい。
勘違いしては困るのですが、お寺とは公共の建物です。
完全に公共の建物かと言えば難しい問題なのですが、限定的に見れば公共的な場所です。
言い換えれば公園のようなもので、日中門が開いており、法要などの行事が無ければ誰でも自由にお参りできる場所です。もちろん遊ぶことも観光することもできます。
もっと言えば、信仰心のない不信な人でもやって来て大丈夫です。
不審者とはどのような人のなのか。
不審者と感じてしまうのは印象の問題なんですよね。
真宗のお寺と言うのは寺族呼ばれるお坊さんの家族がお寺の敷地内に住居を構え、お寺をお守りしています。
ですので何代にも渡ってお寺を直接管理しているのですね。
当然ご門徒さんだけでなく、お寺にお参りする人にやって来る人にも応対していきます。
不審者と感じてしまわれる方というのはいくらか特徴があります。
- お寺の敷地内きょろきょろと物色するように見渡す。
- お寺の裏手まで回って人気がない所を入ろうとする。
- 時々窓や扉の隙間から中の様子を確認しようとする。
- お寺の敷地内で声を掛けられても挨拶しない、目も合わせない。
- 靴を脱がずに土足で本堂の縁に上がる。
- 扉の鍵が開いていないか確認する。
- ご門徒の家族や近所で見たことがない顔。
疑わしく思われる人の特徴を言葉で表すこのようなことが挙げられます。
ただしこれはあえて言葉にしただけで、実際には見た瞬間におかしいなと感じてしまいます。
またこのような特徴を持った人にはまだ特徴がありまして、何の用事でお参りに来られたのかと尋ねると、ばつが悪そうな文言で返答し、逃げるようにその場から立ち去ります。
不審者にはどのような対応がいいのだろうか。
不審者といってもそれはお寺を管理しているお坊さんが抱いた疑念なので、実はまっとうな気持ちでお参りに来ているのかもしれません。
ですので当寺では見慣れない・不審な行動をする人がいれば、できるだけ住職に応対してもらうようにしています。
住職とはそのお寺の代表者です。
その不審な人が真っ当な人ならば住職と問題なく受け答えできるでしょうし、何か後ろめたさがあるのならその場から離れてくれるでしょう。
少なくともこのお寺は見慣れない人がきたら注意していますよという姿勢は見せないといけないでしょう。
お寺って案外不法侵入が多いですからね。
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さいごに。防犯カメラの設置も検討。
お寺とはどなたでもお参りすることができる建物です。
しかし一方で普段からそのお寺(檀那寺)を頼りにしている人(檀家)もいます。
お寺とは万人に対して同じように対応しなければならないのですが、檀家さんの支えがあって維持されており、檀家さんの大切なご先祖のご遺骨を預かってもいますので、窃盗や不審火などがあってもいけません。
最近では防犯カメラを設置しているお寺が増えてきています。
もしくは警備会社と契約しているお寺も増えています。
当寺でも防犯カメラを何基か設置しています。
お寺に来ている人を疑ってはいけないのでしょうが、お寺のお坊さんとはお寺を守っていく使命があるので致し方ない所でもあります。
私は以前別に、お寺に防犯カメラが必要な理由についても紹介していますので、そちらもよければどうぞ見てください。