ブルーベリーの施肥について。私は鶏糞を与えている

かっけい
かっけい

香川にいるお坊さんのかっけいです

私は香川大学の農学部出身で、学生時代からブルーベリーを趣味で育てています。

私はここ10年以上、鶏糞を肥料にして与えています。

5月になりハイブッシュは実がどんどん膨らみ、ラビットアイは受粉が終わり花が散り始めています。

今回はブルーベリーの肥料の与え方について、実際に5月中旬に鶏糞を与えた様子から紹介します。

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ブルーベリーはいつ頃に施肥するのか

私の栽培状況、鉢植えのブルーベリーで暖地(香川県)に設定して話をします

私はかつては植え替え時に元肥を施し、初春の3月・初夏の6月・初秋の9月に追肥と、年4回肥料を与えていました。

今では元肥はやめ、春2~3月・初夏5~6月・秋8~10月の年3回に与えるようになりました。

肥料を与えるのは植物の生長に合わせて必要な時期に必要な量だけでいいはずです。

ブルーベリーの生長に応じたタイミングで肥料を与えるように考えます。

  • ブルーベリーは 春の2・3月頃から根が動き始め葉が展開していきます(1回目の肥料)
  • 4月に花を咲かせ5月から枝葉が伸びながら実を充実させていきます(2回目の肥料)
  • 収穫時期は系統(ハイブッシュorラビットアイ)によって6・7月頃と7~9月頃に分かれる。果実の熟成に力を使った樹に肥料を与えます。8月以降は秋の枝葉の伸びる時期にも重なるので、この成長のためにも肥料を与えます。(3回目の肥料)
肥料を与える時期まとめ
  1. 春、枝葉が成長を始める2月3月ごろ
  2. 初夏、花が咲き終わり、実を充実させる5月6月ごろ
  3. 実の収穫が終わり、秋の枝葉の成長を促す8月9月ごろ(収穫が遅い木には10月に与えることもある)

こんな風に考えて年3回与えています

私は追肥に鶏糞を与えている

なぜ鶏糞なのか

理由はとにかく安いからです

私がブルーベリーを育て始めた頃は「ブルーベリー専用の肥料」というのを購入していました。

5キログラムで1000~2000円、10キログラムで4000円程度ととても高価でした。

ブルーベリー専用でないIB化成でも15~20キログラムで2000~3000円、マグアンプKでも500グラム1000円、マイガーデンでも1.6キログラムで1000円程度と高価でした。

効き目は確かなのでしょうが、長くブルーベリー栽培を続けるにはその金銭負担がしんどかったです。

結局のところ有機肥料であればいいと私は結論づけました。

鶏糞はかなり安く手に入れることができます。

近くにあるホームセンターでは15キログラム100円程度で醗酵鶏糞が買えます。(安い時だと66円や78円のときもあり助かります)

専用肥料ではなく鶏糞にすると、肥料の価格は50分の1程度になります。

醗酵鶏糞15KGで100円
普段買っている発酵鶏糞(2016年頃のデザイン)

隣に菜種油粕が写っていますね。20キログラムで約1500円だったと思います。油粕もブルーベリーに適した肥料だと思いますが、鶏糞と比べると高価なのであまり使っていません。家庭菜園、野菜の方で油粕を使っています。

菜種油粕ナフコ20kg
ちょっと高いけど、油粕もいい肥料

ちなみに肥料分は袋表示で鶏糞が「窒素全量:リン酸全量:加里全量=5.0%:5.7%:2.3%」、油粕が「窒素:リン:加里=5.3%:2.0%:1.0%」となっています。(表示されている肥料分は時期によって違います)

よく似ていますが、鶏糞の方がリン酸(P)がやや多く含まれています。花実のなる果樹には鶏糞の方が効果的な感じがするので、その点でもブルーベリーを使っています。

鶏糞による悪影響はないのか

鶏糞はブルーベリーにあまり勧められていませんよね

インターネット検索をすると、多くのサイトで「向かない、リスクがある、やめた方がいい」とあります。

勧められていない理由は鶏糞肥料には石灰分が含まれているからです。鶏糞はアルカリ性の肥料であり、強い酸性の土(PHが低い用土)を好むブルーベリーにとって悪影響を及ぼすと考えられているからです。

これってどうなんでしょうかね?

理屈としてはアルカリ性の肥料を与えない方がいいような気がしますが、私は鉢で育てているブルーベリーでは問題ないように感じます

鶏糞には15%程度の石灰分が含まれているそうで、これだけ聞くと危険そうに見えますよね。

でも一回の追肥に与える鶏糞の量はそれほど多くないですし、鉢の場合は地植えと違って、肥料分も石灰分も水やりの度にある程度流れ出ていくはずです。

そんなに心配する必要はないと思います。

大丈夫な理由は他にもあります。

ブルーベリーは1~2年ごとにピートモスで植え替えする人が多いですよね。ピートモスの用土は酸性度がPH3.5~4.5程度です。植え替えるたびに強い酸性の土にリフレッシュされます。

ブルーベリーの目安となる用土の酸性度はPH4.5~5.3とも言われているので、多少の石灰分(アルカリ性)が入ってもは私は大丈夫だと思います。

私の栽培では生育不良になるような大きな問題にはなっていません。PHが高くなると起きやすいクロロシスも特別はっきりとは感じられません。

醗酵鶏糞肥料の与え方

醗酵鶏糞の見た目

 写真は私が普段使っている醗酵鶏糞肥料の見た目です。サラサラです。臭いもしません。

鶏糞肥料には異物もある

醗酵鶏糞は15キログラム100円程度で買えるほど安いですが、所々よくわからない物が混じっていることがあります。私は気にせず使っていますが、こういった異物を嫌う人もいるかもしれませんね。

鶏糞を与える量

今回は60リットル鉢と25リットル鉢で与える時の様子を写真で紹介しました

60リットル容器に鶏糞施肥
60リットル鉢のブルーベリー

60リットル鉢に植えられているブルーベリーには、鶏糞を大きくつかんだ鶏糞(60グラム程度)を2回与えています。

25リットル容器に鶏糞施肥
25リットル鉢のブルーベリー

25リットル鉢には軽めの一つかみ(20~25グラム程度)を2回与えています。

一度の追肥で与える施用量は割といいかげんです。綿密に重さをはからず、目分量で与えています。

個人的な目安として25リットル鉢以上の大型の鉢サイズになれば、鉢のサイズの数字×2倍の量を与えています。つまり60リットル鉢なら120グラム程度、45リットル鉢なら90グラムといった感じです。

10号鉢以下の小さな鉢の場合は気持ち控えめにしています。10号鉢なら15~20グラム程度。8号なら10~16グラム、6号なら6~10グラム、4号なら3グラム程度にします。

株が幼く、用土の量が少ないときは肥料に敏感に反応してしまうので、気持ち少ないと感じるぐらいの方が失敗しません。

補足(春は多めに与える)

春の一回目の追肥は夏秋と比べておおよそ倍の量を与えています

だいたい「鉢サイズ×最大4倍」の量です。

初春から根が活発に動き、花を咲かせ、葉を展開します。この頃に一番肥料を利かせるのが効果的だと思います

ブルーベリーはあまり肥料分を必要としない果樹です。

農林水産省の資料によると、年間の施肥量が10アールあたり窒素9キログラム、リン酸5キログラム、カリ5キログラムとなっています。

また樹齢別の施肥量として、窒素成分で1樹当たり1年生7g、3年生10g、5年生20g、7年生30g程度とし、リン酸とカリの施用量は窒素の50%とする。

施用時期窒素リン酸カリ
春肥え3月中旬533
5月中旬211
礼肥え8月下旬211
合計955
農林水産省の資料より作成、10アールあたりの各施肥キログラム

鉢栽培ではこれといった基準がないですが、だいたいこの数値を目標にして窒素ベースで与えるようにしています。

私が買っている発酵鶏糞肥料は窒素が5%ほどなので、5年生(45リットル鉢)に与えるとき、年間で400グラムほど与えることになります。春に200グラム、初夏と秋に100グラムずつ与える感じです。

もちろん厳密に重さをはかっていません。おおよそこれくらいの量を与えるんだという意識で、目分量で与えています。

施肥量のまとめ
  • 春の施肥量は他のときよりも倍の量を与える
  • 春は鉢サイズの最大4倍、夏秋は鉢サイズの2倍
  • 10号鉢以下の小さな鉢のときは、気持ち少なめ
鉢・ポットの大きさ施肥量、2・3月ごろ施肥量、初夏と秋
80リットル320グラム160グラムずつ
60リットル240グラム120グラムずつ
45リットル180グラム90グラムずつ
25リットル100グラム50グラムずつ
10号鉢30~40グラム15~20グラムずつ
8号鉢20~30グラム10~16グラムずつ
6号鉢15グラム6~10グラムずつ
4号鉢6グラム3グラムずつ

これくらいの量をイメージして与えています。もう少し多く与えてもいいと思いますが、私は控えめにしています

鶏糞を与える時の注意点

鶏糞や油粕といった有機肥料を与えると悪臭と虫(ハエなど)が発生するかもしれません。

土に混ぜると臭いと虫が抑えられます。空気に触れにくい状態にすれば、悪臭の発生もやわらぎ、ハエも卵を産みつけにくくなります。

ブルーベリーを育てるとき、株もとをマルチングで覆っていますよね。

用土とマルチング資材の間に鶏糞を入れることで臭いと虫の発生を抑えられます。

1.マルチングをよけて用土の表面を出す

マルチング資材を避ける

2.鶏糞を用土の上に置く

鶏糞を用土の上に置く

3.鶏糞を隠すようにマルチ資材を戻す

鶏糞を覆うようにマルチング資材を戻す

写真はココヤシチップですが、もみ殻やバークチップと言った他のマルチ資材でも同じように鶏糞を隠してください。

ちなみに私は最近、松葉をマルチングに使っています。松葉のマルチは隙間が大きいので、松葉の上に鶏糞を置いてちょっと揺すってあげると用土の方に潜ってくれるので楽です。

松葉のマルチは水やりもしやすくて大変便利です。

ココヤシチップは今はもう使ってません。


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鶏糞肥料は魅力的。でも自己責任で使ってね

ブルーベリーの人気はまだまだ高いようです。近くの種苗店に行くと苗木がたくさん売られていて、買っている人もよく見かけます。私の身の回りでも育てている人がいます。

しかしブルーベリーを枯らしてしまう人がたくさんいます。

今はインターネット・YouTubeで詳しく育て方を紹介されていますが、それでもブルーベリーは育てるのが難しいようです。他の果樹とは勝手が違うんでしょうかね。

私はブルーベリーを育てる魅力の一つは、自分なりの育て方を模索できることだと思います。

これまでの経験で、鉢植えブルーベリーには元肥を与えず、発酵鶏糞肥料を追肥する形で育てています。

他の有機肥料よりもかなり安価であり、気軽に与えられるからです。

ブルーベリーに石灰分(アルカリ性)を与えるのはリスクがあると思われるかもしれませんが、鉢の場合、水やりによって鉢から流失している分もたくさんあるはずです。頻繁に水やりをするブルーベリーだとその傾向はより強いでしょう。

私の場合、鶏糞を与えることによる失敗はないですし、味が損なわれたという感じもしません。

ただブルーベリー栽培では鶏糞がすすめられていないというのも確かでしょう。

私はこれからも大きな失敗がない限り鶏糞を使い続けますが、あなたが鶏糞を使われる場合は自己責任で使ってくださいね。

ちなみに外国の栽培指南を読むと、カリウムを過剰に与えることを気にしているようです。カリウムが過剰になるとマグネシウムやカルシウムの欠乏症を引き起こす可能性があるとのことです。市販のブルーベリーの肥料を見ると「7-7-7」や「6-5-5」や「3-6-3」のように窒素分から見て同量のカリウム分が含まれています。農林水産省の資料でもリン酸とカリは窒素の50%とあるので、はたして市販のブルーベリー肥料が完璧かといえばそうではないような気もします。

なんにせよ、ブルーベリーの育て方はいろんな工夫ができるのが大変楽しいですよね。

最近はし尿肥料も試しています。カリウム分があまり含まれていない完全有機肥料で、近くで15キログラム50円で買えるのでブルーベリーに使えないかと思っています。

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