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第277回目のラジオ配信。「ブルーベリー栽培遍歴」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。
今回は私の趣味、ブルーベリー栽培のお話です。仏教とは関係のないお話です。
私がブルーベリーを育てるようになって15年ほどたちます。
これまでに30品種ほど育てて、今では取捨選択して10品種ほどに絞っています。大きい鉢サイズでは80リットルほどになって、これ以上は鉢の大きさも数も増やしたくないなあと思っているんですが、最近、三品種新しいブルーベリー苗木を買ってしまいました。
お坊さんの私が庭先でブルーベリーを育てているのはなかなか目立っているのか、私の周り・ご門徒さんから、ブルーベリーを育てたことはあっても、上手くいかない、どうしたらいいのかと相談を受けることがあります。
慣れてしまえばブルーベリーはそこまで難しい果樹ではないんですが、他の果物とはちょっと勝手が違うんで、そこが失敗の元なんでしょうね。
今回は、私の趣味のブルーベリー栽培遍歴についてざっと紹介していきますね。
さて私は地元香川県にある香川大学の農学部出身です。
ブルーベリーに出会ったのは19・20歳ごろでした。
ちょうど、果樹研究室に入ろうとしていた頃です。
私の所属は果樹研で、果樹園芸学を専門にしてました。
付属農場がさぬき市にあって、時々出かけてました。
そのさぬき市にブルーベリーが前面におし出されたレストランがあって、そこでブルーベリーの苗木を購入したのが私の最初の出会いでした。
もちろんブルーベリーという果物は知っていましたが、実際にブルーベリーがずらっと並んで育っている様子を見るのは初めてでしたし、新鮮なものを食べてみるのも初めてでした。
せっかく果樹研に入ったのだから趣味で何か果物を育ててみたいなあと思って始めたのがブルーベリーでした。
一番最初に手に入れた品種は、レガシー・サミット・ブラッデンの3つです。
レストランの園主さんに選んでもらいました。
香川でも育てやすいサザンハイブッシュ系統の三つです。
ブラッデンは赤い花の観賞向けの品種で、ちょっと育てるのが私には難しくて何度も調子を崩しました。今でもまだ残っていますが、私の育て方にはあわないのか、これから始める人にはおすすめしかねる品種です。
一方で、レガシーとサミットはどちらもすばらしいです。
私の育て方にあっているのか、今もどちらも丈夫に育っています。
味も風味もすばらしく、やっぱりプロに選んでもらって正解だったなあと実感しています。
最初の1・2年はこの3品種を育てていたんですが、ブルーベリー栽培の楽しいところは、とにかく色んな品種があることなんですよね。
近くの種苗店ではじめて見る品種があればとりあえず買っていました。
今ではブルーベリーの苗木は1000円を超すような高い物ばかりになっていますが、10年ほど前は300円から500円くらいで、そこまで負担なくチャレンジできました。
ブルーベリーは他の果樹に比べてそれほど大きくならないので、コンパクトに育てられるのがまた魅力ですよね。
そんな風に5年もするとすぐに色んなブルーベリー品種を同時に育てるような形になりました。
ブルーベリーは育てるのはそんなに難しくないんですよね。酸性の土、ピートモスを使うこと。水やりをそれなりにすること。この2つを守れば育ちます。
ただやっぱり数が増えたりすると、水やりをおろそかにすることもあって、枯らすこともありました。
ブルーベリーを育てたことがある皆さんもうっかり枯らしてしまった原因が水やり忘れだと思います。
ブルーベリーは水やりがとにかく大事です。
一つだけ思い出の品種を紹介しますね。
ゼバブルーという品種です。
近くの種苗店で12年ほど前に見かけてすぐ買いました。
当時、調べても情報のほぼない品種でその不思議な感じに惹かれて手に入れました。
育ててみると枝葉の伸びも悪くなく、味もよく、私のお気に入りの品種の一つになりました。
ただどういうわけか、根がコブのように腫れあがる、根こぶ病のようなガンシュ病のようなものにかかってしまい、調子を崩し枯れてしまいました。
育てやすく、味も良かっただけにとっても残念でした。
私がこれまでに育てた中で、一番はっきりと根にコブができたのはこのゼバブルーだけなので、ひょっとしてこれがゼバブルーが世の中に出回らない理由なのかなあと想像してました。
ですが、ちょうど数日前、本当にたまたま種苗店で、一つだけゼバブルーを見かけました。
今育てている以上の数はもう新しく苗木を買わないと決めていたんですが、10年以上ぶりの再会に、思わず買ってしまいました。
はたしてまた根っこにコブができるのか、少しワクワクしてます。できない方がもちろんいいんですが。
今回、私のブルーベリー遍歴を話しているのも、ゼバブルーを手に入れたのがきっかけです。
それぐらいこれを育てるのを楽しみにしてます。
さてそんなわけで、私はもう5年以上、7年くらいかな新しくブルーベリーの苗木を買っていませんでした。
増やしすぎると、管理するのが大変になりますからね。
でもブルーベリーは新しい品種を買わなくても楽しめるポイントが多いです。
ブルーベリーには栽培指南書と言いますか、こうやって育てたらいいよというのは、あまりなかった気がします。昔は。
だからいろいろ手探りで自分なりの育て方を見つけるのが醍醐味です。
私は昔はピートモスの使用量をなるべく減らして、ヤシ殻のハスクチップ・ココヤシ繊維を使っていたこともあります。
ポットの種類もいろいろ試しました。
ブルーベリーは酸性の土、水が好きだけじゃなく、空気も好きということで、根張りがよくなるスリットポットなんかも試しました。
いろいろ試した結果、今のところ、私は目分量でピートモス6割・パーライト2割・もみ殻2割くらいの割合で用土を作っています。植え替えも2年おきぐらいにしてます。
ピートモスは昔と比べてやや高くなりましたが、それでもヤシ殻を使うよりも安いですし、単純にピートモスが多い方がよく育ちます。
ヤシ殻の用土は通気性が良すぎて私の育て方にはあいません。
水やりも私はなるべくしません。
最初は水やりを熱心にしていたんですが、水やりを多くすると、サザンハイブッシュの中には過湿で弱るものもありましたし、常に水を求めてしまうので、いざ水が切れるとすぐ弱り枯れてしまいました。
なので最近は水やりの頻度をできるだけ減らしています。
寒い冬場だと3週間に一度くらい、今の4月だと数日に一回、暑い酷暑の夏でも一日に一回です。
夏は朝夕の二回と勧められますが、スパルタな環境でずっと育てていたら植物も割と水切りに強くなります。
もちろん水をたくさんやった方が成長がいいのは確かで、営利で育てるなら水を頻繁にやった方がいいのでしょうが、趣味の場合はいかに負担なく無理なく続けられるのかも大事な要素ですよね。
マルチ資材は昔はヤシ殻を使ってました。
でもコストが高くて、もみ殻にしだいに変わっていきました。
ヤシ殻ももみ殻もマルチ資材としてすばらしいのですが、軽すぎて水やりする時に浮くのが難点でした。
ここ最近は松葉のマルチを試しています。
松葉はヤニが出たり、成長を阻害するとか、デメリットを言われがちですが、使ってみると意外とヤシ殻やもみ殻よりも空気の層がふんわりとあって、良い感じです。
水やりも肥料を与える時もやりやすくて、最近試した中では松葉マルチはすごくいい感触のマルチ資材です。
最後に紹介するのは肥料です。
ブルーベリーは果樹の中でも肥料をあまり多く与えなくていい果物です。あと虫も他の果物に比べるとつく種類が少なく、お薬をかけなくても育ちます。
実際私もいままでずっと無農薬です。
肥料に関しては、いろいろ試してきましたが、ここ10年ほどは鶏糞肥料だけで育てています。
インターネットで調べると、鶏糞はブルーベリーに与えちゃダメと言われますが、私は問題ないと思っています。
どのタイミングでどれくらいの量を与えるのかはブログで紹介しているのでまたリンクを貼っておくので参考にして下さい。
さて私の趣味のブルーベリーの栽培遍歴をざっと紹介したつもりですが、思ったよりも話してしまいました。
今はこれ以上、数を増やさずに、今あるものを大切にいろいろ工夫しながら育ててみようと考えています。
今年からは25ガロン、90リットルほど入る不織布ポットで5つほど育てています。
不織布のポットは今まで使ったことがなかったのですが、いろいろとイメージして、考えて、今年から試してみました。
まだ数か月ですが、さっそくいい点イマイチな点が見えてきて、面白いです。
また一年後2年後にでも不織布ポットでブルーベリーを育ててみたことをテーマに紹介しようと思います。
それと今年から、サチュライドという園芸資材も試しています。
持続性のある透水剤で、用土の水の吸い込みが格段に良くなりました。保水性もよくなります。感動するくらい水やりが楽になってます。
サチュライドについても機会があったらまた紹介しますね。
趣味のブルーベリーは毎年、いろんなことにチャレンジできるのが楽しみです。
だから15年くらい続いているのかなあと思います。

私は発酵鶏糞肥料を与えています
上のリンク先では、
- なぜ鶏糞肥料なのか
- いつごろ与えるのか
- どのくらいの量か
と言ったことを説明しています

小粒で酸っぱいブルーベリーはスムージーにすると美味しく飲むことができます。バナナを混ぜるだけの簡単レシピで冷凍ブルーベリーの栄養をたっぷりととれます。暑い夏にピッタリの飲み物です。


上の2つでは、ブルーベリーをおいしく食べるタイミングと、スムージーにしておいしく飲む方法を紹介しています