初心者におすすめしない果樹・おすすめの果樹.#286

第286回目のラジオ配信。「初心者向けの果樹」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

内容まとめ
  • 私の専攻は果樹園芸学
  • ほったらかしでできる果樹はない
  • 収穫までに虫や鳥、病気の被害にあうこともある
  • 初心者向けの果樹とそうでない果樹がある
  • 丈夫で育てやすい果樹が初心者におすすめ
  • オリーブと花梨、イチジクがおすすめ
  • その他の果樹はあまりおすすめしない
  • でも一番重要なのは、自分が育ててみたい・食べてみたいものにチャレンジすること
  • ブルーベリーは人気の果樹だが私はおすすめしない
  • ブルーベリーは初心者向けじゃない

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。

今回は仏教とは関係のないお話をしていきます。果樹の話です。

私は香川大学の農学部出身で、果樹学・果樹園芸学が専門でした。

そんなこともあって、趣味で今もいろんな果物を育てています。

特にブルーベリーは15年ほど育てていて、数は20鉢以上、大きいものだと80リットル鉢のものもあります。

お寺にブルーベリーがあるとそこそこ目立つようで、お寺に来られた方から、ブルーベリーについて時々相談を受けます。

聞くと結構皆さん、ブルーベリーを枯らしてしまうとか、思ったほど甘くない・おいしくない、どうしたらいいのかと悩んでいるようです。

個人的にはブルーベリーは家で育てるのはおすすめしにくい果樹です。

今回はこれからはじめて家でつくるのにおすすめの果樹とおすすめしにくい果樹について、私が育てたことがあるものからいくつかピックアップして紹介していきます。

これから果物を育ててみたい初心者の方にまず言いますが、そもそも果樹を家で作るのは大変です。

理由をいくつか挙げますと、

  • 収穫時期が年に一回
  • 最初の収穫までに数年待つ必要がある
  • 鳥の被害や虫の被害が大変
  • 水やりも大変
  • ある日急に調子を崩し、枯れることもある
  • 思ったよりもおいしくない、食べ方に困る

他にもいろんな理由がありますが、ざっと挙げるだけでもこれだけおすすめしにくい理由があります。

これらを踏まえて、おすすめしにくい果樹・おすすめの果樹を紹介していきます。

それでは、おすすめしにくい果樹から紹介していきます。

まずはブルーベリーはおすすめしません。

ブルーベリーにチャレンジしたことがある人は多いですが、枯らしてしまった経験がある人がかなりいます。枯らさないにしても、なかなか樹が大きくならない、ほとんど量が取れない、思ったよりも甘くないという声が聞かれます。

ブルーベリーは酸性の土・ピートモスを使わないといけない、水やりがとにかく大事、他の果樹と勝手が違うことがたくさんあります。

特に私の場合、鳥の被害に毎年悩まされています。

私は趣味としてはそこそこの数を育てているので、ある程度のブルーベリーを収穫できていますが、収穫時期になると毎日のように鳥がやってきて、実を根こそぎ食べていきます。

なのでブルーベリーは鳥の対策は必須です。

私は鳥対策をしていないので、毎年半分以上、8割ほどの実が鳥にやられています。

またブルーベリーは触ると激痛が走るイラガといった虫がつきやすく、子供が気軽に触っていい果樹でもないです。

ブルーベリーは初心者向けの果樹と紹介されたりしますが、私は全くそうは思いません。かなり大変です。

特に地面に植える地植えは止めた方がいいです。

鉢植えの方が手間がかかりますが、鉢植えの方が管理しやすいです。

家で果物・果樹を作るとき、手間がかからない・鳥や虫の被害にあいにくいかが私のおすすめかおすすめしないかの判断基準の一つになります。

それで言うと、だいたいの果樹は鳥の被害にあいます。

なので、例えばビワや柿の木もおすすめしにくいです。

ビワや柿は虫にはそこそこ強いように感じますが、鳥によく狙われます。

ビワは袋掛けしないと綺麗なものは取れないですし、柿の木はどんどん樹が大きくなります。特にカラスは柿の実が大好きだと思います。

ビワや柿の木は育てやすいと言えば育てやすいですが、それでも鳥の被害があったり、樹がどんどん大きくなったりとで、家の近くには植えにくいでしょうから、おすすめしにくいです。

トゲのある果樹もおすすめしにくいです。

例えばブラックベリーや柑橘類です。

私もトゲなしのブラックベリーを育てていたはずなんですが、なぜかトゲが生えてきて痛いです。

柑橘類もトゲがあるものが多いので、子供が触らないように注意しないといけません。

トゲなしと言われていても、トゲが生えることもあるので、トゲのあるブラックベリーや柑橘類はおすすめしにくいです。

あと、わりと虫が来ます。虫が来て葉っぱをよく食べています。

虫が来ない果樹はないと思いますが、柑橘類は葉を食べる虫が結構来るので、気苦労します。

それでいうと、栗の木はかなり強く育てやすいと思います。でも栗の木もおすすめしにくいです。

というのも栗は日当たりが大事で場所選びが重要なのと、大きくなるので剪定作業も重要です。

あと栗の木は一本では実が付きにくいので複数本植えないといけないですし、料理しようとするとそれなりの量が必要になります。なので一本や二本を植える家向きの果樹じゃないと思います。

また栗のイガ・トゲはかなり痛いです。

木の下に落ちたイガも軍手をしていても、軍手をつらぬいて手を刺してきます。小さな子供には近づけさせたくない木です。

あとブドウとキウイフルーツもおすすめできないです。

支柱や棚が必要で空間と手間がかかるのと、水やりが大切です。それと大風にも弱いです。

ブドウは鳥の被害も多く、病気にも弱いので初心者向きじゃないです。

ブドウやキウイフルーツのようなつる性の植物はちょっと難しいです。

私の基準で言うと、どれもおすすめしにくい果樹ばかりになるので、ここからはおすすめの果樹を紹介しますね。

私がこれから果樹を育てたい方におすすめするのは、オリーブと花梨です。

この二つはとにかく強いです。病気にもなりにくいですし、虫もつきにくいです。

全く水をやらなくていいわけではないですが、水やり頻度が他の果樹よりも少なくても大丈夫です。

非常に育てやすく適当に育てても枯らしにくいので、はじめて果樹を家で育ててみたいなあと思う人には、きっかけとして選んでいいんじゃないかなあと思います。

もちろんオリーブも花梨も完ぺきではないです。

病気や虫は来にくいといいながらもやられる時はあります。

あとオリーブはよく成長するので、ちょくちょく適度に樹をすかすように剪定する必要があります。

また花梨はとにかく硬いです。枝だけでなく実も硬く、実はかぼちゃ以上に硬いように感じます。包丁で切るのも大変なので、指を切らないように気をつけないといけないです。

オリーブや花梨の実は食べ方が難しいのも欠点です。オリーブは少量では油もほとんど取れません。オリーブや花梨は漬け込んで加工する食べ方になるでしょう。

そういった訳で、オリーブや花梨は食べ方や剪定の難しさはあるんですが、育てやすさという点で、これから果物を育ててみたい方にはおすすめの果樹になります。

あと個人的におすすめなのが、イチジクです。

イチジクは強い果樹だと思います。

カミキリムシといった虫がよく来るんですが、仮に穴をあけられて茎の中が空洞になっても生きています。それでいて、枝が毎年よく伸びます。とても生命力がある樹です。

実の形も独特で見た目にも面白く、品種も豊富で、苗を植えるときから楽しいと思います。

注意点としては、肥料と水を好むので、手をかけずに育つわけではないです。

あと鳥や蟻に実が狙われることもあります。

そういった欠点はありますがイチジクは丈夫ですし、家でとれた実はとにかく甘くておいしいので、はじめて果物を育てる人にはチャレンジしてみることをおすすめしたい果樹ですね。

話しが長くなってきたので、まとめますね。

これから果物を育ててみたい人に、私がおすすめする果樹はオリーブと花梨、それとイチジクです。

判断基準は育てやすさです。オリーブと花梨には食べ方の難しさ、イチジクには肥料や水、鳥や蟻や虫といった大変さはありますが、それを差し引いても丈夫で育てやすいのでおすすめです。

一方で、他の果樹はあまりおすすめしません。

ほったらかしでできる果樹はないですし、中には栗や柑橘のようにトゲがあり子供に触れさせたくないものもあります。

もちろん一番は自分が育ててみたい・食べてみたいものを作るのが重要なポイントなので、私のおすすめは一つの参考にして下さい。

今回私が話したのは、これから果物を育ててみたいという初心者に向けたお話です。

果樹は収穫までに時間がかかります。

その収穫までの間に枯らしたり虫や鳥にやられてしまうケースがよくあります。果樹栽培って難しいんだと挫折してしまわないように、育てやすいものから植えてみるのもいいと思います。

ブルーベリーは人気の果物ですが、初心者には難しいとおもうので、私はおすすめしていません。

かっけい
かっけい

下に、私がおすすめする3つの果樹の良い点・悪い点を紹介しますね。

特にオリーブと花梨は強い果樹なので、地植えの場合、ほぼ放任(ゆるく見守る程度)でも育つでしょう。一方でイチジクは剪定・水やり・肥料・鳥対策とある程度お世話をしないといけないですが、それでも丈夫な果樹なので初心者でも育てやすいと思います。なによりイチジクは甘くおいしいのでおすすめです。

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おすすめの果樹3選

1.オリーブ
  • 乾燥に強く、水やり頻度が少なくても大丈夫
  • 虫もほとんど寄らない
  • 病気にもなりにくい
  • そよ風に揺れる枝葉がきれい
  • 地植えの場合、放任でもよく育つ
  • 実をつけるには二品種以上あるといい
  • オリーブオイルをとるのは難しい
  • 実は生では食べられない
  • 生長がよく、適度な剪定が必要
  • 将来的には、大きな木になる可能性がある
  • 冬、寒い地域では枯れるらしい
2.花梨(かりん)
  • 虫がほとんどつかない
  • 一品種でも実がつく
  • 花梨の実は喉に良い、香りもいい
  • 地植えの場合、放任でもそれなりに育つ
  • 寒い地域でも問題なく育つらしい
  • 枝や実がとにかく硬いで、切るとき危険
  • 実は生では食べられない
  • 乾燥にすごく強いわけではないので、水やりは忘れずに
3.イチジク
  • 一本で実がつく(複数品種を植えなくていい)
  • 品種の数が多い
  • 成長がはやい
  • 病気にもそれなりに強く丈夫
  • とれたての実は甘く、とにかく美味しい
  • 樹の上で熟した実は鳥に狙われやすい
  • アリも実を狙ってくる
  • カミキリムシが寄りやすく茎に穴をあける
  • よく成長し、毎年の剪定が必須
  • 水と肥料を好む(過湿には注意)
  • 実がなかなかならないことがある
  • 寒い地域は苦手らしい
かっけい
かっけい

ブルーベリーは初心者向けではないと思いますが、ブルーベリーは品種の数も多く、品種ごとに色んな味わいがあるので、果樹栽培に慣れてきたらぜひチャレンジしてみてください。

下に、私のブルーベリーの栽培遍歴を紹介しています。

あと、ブルーベリーは小粒なものや酸っぱいものなど生で食べにくい実もたくさんできます。そういったのはスムージーにしておいしく飲みましょう。スムージーの仕方も紹介しています。

ブルーベリーのメリットデメリット
  • 成木でも高さ2mくらいにおさまる
  • 熟した実はおいしい
  • 品種の数は豊富で、色んな味わいがある
  • 品種を選べは、寒い地域・暖かい地域のどちらでも育つ
  • 生で食べるだけでなく、ジャムやスムージーにしてもおいしい
  • ブルーベリーは枯らしやすい
  • 酸性の土(ピートモス)で育てるのがほぼ必須
  • 乾燥に弱く、水を好み、水やりを忘れない(水やりが大変)
  • コガネムシやミミズなど根を食べる生き物に弱い
  • 鳥が大好きで、いろんな鳥によく狙われる
  • 受粉のため複数品種を育てること
  • ブルーベリーの実はどれも甘いわけではない(小粒や酸っぱい実も多い)
  • 病害虫には強いとされるが、そんなことはない
  • イラガの幼虫が付きやすく、収穫のとき刺されないように注意すること
  • 剪定が大切
  • 地植えはかなり難しい
  • 鉢植えの場合、約1~2年ごとの植え替えが必要
  • ピートモスやポットや灌水設備など、費用がわりとかかる
  • はまりやすいので、やめ時がわからなくなる
  • 視力がよくなるといったことはない
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