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第329回目のラジオ配信。「造花」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん私かっけいの音声配信です。
この頃は5月でも夏のように暑くなってきましたよね。
先日お参り先でこんな質問を受けました。
お仏壇やお墓のお花を造花にしてもいいですか?
今回はお仏壇やお墓のお花について、私の考えをお話しします。なお今回は生きている花と書く生花を「しょうか」や「せいか」ではなく、「なまばな」と呼んで統一してお話します。
さて、「生花ではなく造花でもいいですか?」と尋ねられた時、私はたいていこんな風にお答えしています。
たしかに最近は暑い日も多くなりました。夏場のお墓のお花なんて2日3日で萎れて傷んでしまうこともありますよね。
せっかくお供えしてもすぐに枯れてしまう。しかもお花代も最近高くなっています。
だから私は「普段は造花でも構いませんよ」とお答えしています。
ただしそれは「ずっと造花をあげっぱなしでいい」という意味ではありませんよ。
お墓にお参りする時には生花を持って行ってお供えしてください。そしてお参りが終わったらその生花を持ち帰って、お仏壇にお供えしていただけたらいいと思うんです。
お仏壇も同じです。
普段は造花でも構いません。
でもご命日の日、お盆やお彼岸、あるいはお坊さんがお参りに来る日、誰かがお仏壇に手を合わせる日、そういった節目の時にはぜひ生花をお供えしてくださいとお話ししています。
いつも完璧にする必要はありません。
できる時に、節目の時に、手を合わせるその時に、生花を仏様にお供えしていただけたらと思っています。
ただしここで1つ注意してほしいことがあります。
「あのお坊さんが造花でもいいよ」と言っていた。
あるいは「インターネットで調べたら造花でも問題ない」と書いてあった。
そういう言葉だけが独り歩きするのは違うと私は思っています。
なぜならお坊さんの私が造花でも構いませんよとお答えしているのは、その質問を直接してこられた方に対してだからです。
そもそも「造花でもいいですか?」とわざわざ聞いてこられている方は生花の方が心の中ではふさわしいと思っているんです。
本当は生花をお供えしたい。
でも毎回は大変。
暑さですぐ傷む。
お金もかかる。負担になっている。
だから「申し訳ないけれど造花でもいいでしょうか?」と尋ねて来られているわけです。
そこには仏様やご先祖様に対する申し訳なさや気遣いがあります。
私はそのお気持ちを汲んで「普段は造花でもいいですよ」とお答えしているわけです。
ですので「最初から造花で十分なんでしょ」、「べつに造花で問題ないんでしょ、いいんでしょう」という話とは違います。
もし本当に、「造花で何が悪いの。造花でいいんでしょう」と思っているなら、その人はたぶんお坊さんに聞いてきません。黙って勝手に造花をあげると思うんです。
でもわざわざお坊さんに直接尋ねてこられている方。
それはその人の中に本当は生花をお供えしたいという気持ちがあるからなんですよね。
私はその気持ちを大事にしてほしいんです。
だから「必ず毎日、生花でなければいけません」とも言いませんし、「初めからずっと造花で十分ですよ」とも言いません。
できる時にできる形で、なるべく生花をお供えしようとするその心が大切なんだと思います。
今回のお話をまとめますね。
お墓やお仏壇に造花をお供えすること、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、造花でいいんだとお墨付きをもらった、開き直ってしまうと、それは問題になります。
大切なのは生花をお供えしようという気持ちを失わないことです。
たとえ毎日でなくても、節目の時に、手を合わせるときに、生花をお供えしようと思う心。
その心が仏様やご先祖様を大切にする心なんだと思います。
今回はお仏壇やお墓のお花を造花にしてもいいのかというテーマでお話ししました。
それでは来週もまた、お聞きくださいませ。

円龍寺では「常花(じょうか)」をご仏前にお供えすることもあります。
常花は造花の仲間です。
生花に変えるまでの間の一時的なお飾りとしてお供えされているお花です。
造花に関してよくある質問
- Qお仏壇のお花は造花でもいいのか?
- A
普段のお供えとして造花を飾ることが、必ずしも悪いわけではありません。
ただし「いつも造花のままで十分」ということではなく、ご命日やお盆、お彼岸など節目の時には、生花をお供えする心も大切にしてください。
- Q造花をお供えするのは失礼ですか?
- A
造花をお供えすること自体が失礼というわけではありません。
ただ、お墓参りの時には生花をできるかぎりお供えし、お参り後に持ち帰るという形にされてはどうでしょうか?
無理のない形でお参りを続けてください。
- Q仏様へのお飾りには生花の方が良いのか?
- A
生花は形あるのものであり、美しい花もやがては色あせ枯れていきます。その姿は諸行無常という仏法を私たちに伝えています。
また枯れていくからこそ、またきれいな花をお供えしようという心構えになります。つまりおのずと、仏様参りのご縁へとつながっていきます。
いつまでも枯れることのない造花では諸行無常の心は伝わりませんし、仏様へ亡き人への思いも薄れてしまうかもしれません。
- Qお坊さんは造花についてどう考えているのでしょうか?
- A
お坊さんによっていろんな考え方があると思います。
私の考えとしては「造花は絶対ダメ」とは思いませんが、「無理のはない範囲でできるだけ生花をお供えください」というスタンスです。
大事なのは仏様やご先祖様を大切に思う気持ちです。その気持ちがあれば、普段は造花でも、お参りするときはおのずと生花をご用意されると思っています。



