ほしい物リストより、お線香ありがとうございました

お坊さんの衣は高い?贅沢?.#227

第227回目のラジオ配信。「お坊さんの衣のコスパ」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ内容まとめ
  • お坊さんの衣はいいお値段がする
  • 高価・贅沢と思われるかもしれない
  • 実はコスパ(コストパフォーマンス)がいいかもしれない
  • 最低限の衣があればそれで十分
  • 自分のアレンジはいらない
  • 年中いつも同じ衣でいい
  • お坊さんの衣はずっと着続けられる・お下がりできる

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。

今年度最後の配信です。

この3月はまだ寒さの残る日が続き、いつもの年よりもソメイヨシノの桜の開花が遅れているようですね。

私のお寺にある3月上旬の早咲きの涅槃桜も開花がちょっと遅くなり、今年はお彼岸の終わりごろまで花がよく咲いていました。

いつもの年よりもソメイヨシノの開花が遅れているのは気になりますが、まあ遅れたら遅れたで4月の新年度のはじまりの頃に見頃を迎えて、それもまあ楽しみの一つになると思います。

最近は桜の開花も早く、私の地域では満開の桜の木の下で入学式なんてものは出来なくなってきました。

今年はひょっとしたら、入学式の頃とかにも桜がしっかり咲いているかもしれませんね。

さてそれで、今回のお話はお坊さんの衣についてです。コスパ・コストパフォーマンスについてです。

お坊さんの衣には夏服用と冬服用があって、6月と10月頃に衣替えをします。

季節の変わり目だからといって、春夏秋冬と年4回するわけじゃなくて、年2回だけです。

それでこんなことを思ったことありませんか?

お坊さんって値段の高い衣を着ているんじゃないの?

贅沢な服を着ているよね?

そう実際、お坊さんの衣はいいお値段します。高いですね。

お坊さんの衣を一般的に、衣体とか法衣といいます。

それでお坊さんの衣は法衣店という専門の服屋さんで買い求めます。

仏教宗派や法衣店によって違うでしょうが、例えばお坊さんがお参りのさいによく着ている黒色の衣がありますよね。

あれがだいたい2万円くらいです。高くて5万円くらいでしょうか。

他にも首から掛けているリング状の袈裟、輪袈裟は1万円から3万円くらいします。

そんなわけで、普段お坊さんがお参りのときに着ている服装も3万・5万とするお値段のものを身に着けているわけです。

他にもお坊さんは特別な仏教儀式・法要のときに着る色衣、五条袈裟・七条袈裟というものもあります。

色衣もどんなに安くても5万ほどはしますし、生地の素材によっては20万も30万もします。

五条袈裟は4・5万円から、高いものだと20万30万以上のものもあります。七条袈裟も安くても30万、高いものだと100万を超えます。

それを聞くと、お坊さんの衣って高すぎ、贅沢しすぎと思われるかもしれませんね。

でもですね。お坊さんの私から言わせていただくと、実はコスパがよかったりすると思うわけです。

言うなれば、お坊さんの衣はお坊さんのユニフォームです。

季節や法要の場面によって着る衣は違うと言っても、着ている服は限られてきます。

あれもこれもと選んで着ているわけではなくて、所属している仏教宗派の規則に従って衣を着ているだけです。

なので最低限の衣の数があれば、それ以上のものはいらないわけです。

自分の思うアレンジを加えて、これを着てみよう、このファッションアイテムを足そうということにはなりません。

私自身、お坊さん同士の集まりを見ても思いますが、ほとんどのお坊さんはいつも同じ衣を着ています。

法要のたびに、今日はこれを着よう、次はこれを着ようとファッションとして楽しんでいません。

法衣は仏教儀式に臨むお坊さんのユニフォームであり、だいたいの場合いつも同じものを着ています。

そういったわけで、値段が高いと思われるかもしれませんが、年中ずっと同じのを着ている訳なので、実はコスパがいい服装といえるのではないでしょうか。

他にもコスパがいい理由はありますよ。

それは、お坊さんの衣はお下がりができるというわけです。

皆さんも小学生や中学生のお子さんがいれば、年上の子から年下の子に服を与えるというのがありますよね。

お坊さんの衣にも同じことが言えます。

手前味噌な話ですが、実は私は自分の身に着けているお坊さんの衣で、お金を出して買ったものはひとつもありません。

全てお下がりです。

普段着る黒っぽい衣や、首から掛ける輪袈裟、法要に使う色衣五条・七条袈裟、履き物や小道具などなど、すべて祖父母や父母からのお下がりです。

コスパがいいですよね。

多少糸がほつれようが、裏地といったところが部分的にこすれたり擦り切れたりしても、手前でちょっとずつ直して長く長く着続けようとします。

それこそ私の祖母は、こう言っていました。

昔の人は、みんな多少服が傷んでも、それを直して直してずっと着続けよったと。

今みたいに、流行り廃りやちょっとでも色が落ちたり傷んだりすると、すぐに新しい服を買うのではなく、なるべくなるべく大切に着続けていたというわけです。

先ほども言ったように、お坊さんの着る衣というのは、その所属している仏教宗派によって決められています。

なので、服のサイズさえ合えば、一つの衣を何人も回して着ることができます。

新しくその人専用に買う必要はありません。

そういったわけで、お坊さんの衣はお値段が高く、一見贅沢をしているように見えますが、実は繰り返し繰り返し人を変えて何度も何度も、それも長い年月着続けるので、とってもコスパがいいと言えるでしょう。

以上で、今回のお坊さんの衣について、コスパについてのお話を終えます。

祖母の話
  • お坊さんの衣は大切にずっとずっと着続けられるもの
  • 大きなお寺が使い古した衣・袈裟は、買うことができない小さいお寺に譲られることも
  • 昔の人は和裁ができて当たり前。衣や袈裟の手直しも自分たちでしていた
  • 祖母は和裁に加えて洋裁もならっていた

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