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中陰に白木位牌(仮位牌)を寺に預ける家が増えた理由

投稿日:2018年8月19日 更新日:

香川県に住む僧侶のかっけいです。

お仏壇には一般的に「位牌」というものがあります。亡くなった人、先祖を記録するための板ですね。

それとは別に49日法要までの中陰の間には「白木の位牌」を用意しお飾りします。

前者は「本位牌(ほんいはい)」といい常に仏壇にお飾りする正式な位牌(もしくは「繰り出し位牌」)、後者を葬式から49日法要(満中陰法要)までの期間に仮に用意する「白木位牌(しらきいはい)」もしくは「仮位牌(かりいはい)」といいます。

私のお寺は浄土真宗ですので、常の仏壇お飾りに本位牌を使用しないのですが現実にはご用意されているご門徒さんがほとんどです。

さて今回のお話は白木位牌に関する話です。

本位牌を使用しない浄土真宗でも、49日法要が終わるまでの間(中陰の期間)は中陰壇に白木の位牌をお飾りします。

しかし地方寺院である私のお寺では、葬儀をしました浄土真宗のご門信徒から『中陰の間、寺にて白木の位牌を預かってもらえませんか』と相談されることがあります。そして事情をきき、寺にて位牌を預かります。

中陰に白木位牌(仮位牌)を寺に預ける家が増えたように感じる

なぜ寺にて白木の位牌を預かるケースが増えているのかを書いていきます。(これは地方の寺院で見られる傾向でしょう)


浄土真宗でもなぜ白木の位牌を使うのか

浄土真宗ではお仏壇に位牌をお飾りしません。本位牌も白木位牌もどちらもです。

理由はお仏壇とは仏様を安置する空間ですので、位牌をまつるところでもなければ、死者の霊魂が宿るところではないからです。浄土真宗において礼拝の対象はどこまでも阿弥陀如来です。ですので位牌を飾ることはできれば控えた方がいいのです。

しかしそんな浄土真宗でも、人が亡くなってから49日法要(満中陰法要)の中陰の期間には、白木の位牌を用意しています。

なぜ浄土真宗でも白木の位牌を中陰の間に使うのでしょうか。

それは白木の位牌が親しい人が亡くなった時の急ごしらえの仮の位牌であるという面があるからです。

つまり正式な位牌(本位牌・繰り出し位牌)やお墓の用意ができるまでの仮の位牌ということです。

49日の間は仮の位牌で用を済まし、その期間に、本位牌を仏壇屋に依頼したり、お墓にお名前などを刻んだりします。

今の時代と違って、いつ亡くなるか分からない、旅先で死ぬことも、急に死んでしまうこともあった時代では、遺骨になった時には白木の位牌で代用するしかなかったのです。地域によっては葬儀に白木の位牌を二つ用意し、一つは家に置き、一つはお墓を建てるところに置いたそうです。

白木の位牌は、慌ただしく十分な用意のできない49日の間に、すぐに用意できる位牌だったのです。浄土真宗はそのときの風習をならって今も白木の位牌をつかっています。

白木位牌や遺骨・遺影は中陰壇に安置する

私は浄土真宗のお坊さんですので、浄土真宗でのお飾りの話をします。

人が亡くなってから7日毎の節目を、初七日・二七日……最後に七七日(49日)にお勤めをします。この期間のことを中陰といい、最後のお勤めを中陰が満ちることから満中陰法要といいます。

ご遺体の火葬の後、遺骨は骨壺に入れ、白木位牌・遺影とともに中陰の間、中陰壇にてお飾りします。

勘違されるかもしれませんが、白木位牌や遺骨・遺影は仏壇に安置しません。仏壇とは別に壇(棚)を設けてそこに安置します。理由は上で説明しましたように、仏壇は仏様を安置する空間だからです。

しかし粗末にならないように、仏壇の横にて特別に白い布で覆った壇を用意し、白木位牌・遺骨・遺影を安置し、さらに蝋燭やお香やお花や供物をお飾りし、仏壇とは別に本尊を安置します。

このように本位牌を仏壇にお飾りしない浄土真宗でも、中陰の間は、別に壇を用意し白木の位牌などが粗雑に扱われないようにします。

なぜ寺に白木位牌を預ける人が増えているのか

これは現代の家庭事情がかかわっています。

  1. 今住んでいる家に仏壇が無くて、遺骨や白木位牌が引き取れない
  2. 遠方に住み、実家に毎週戻れないので、中陰のお勤めができない
  3. 家にて中陰のお勤めをできる状態ではない

理由は複雑であり家庭状況によって違うのですが、主な理由は上の3つです。ひとつずつ紹介します。

1. 現代では仏壇の無い家がどんどん増加しています。(本来ならば仏壇は家を建てた時に迎えるのですが)

そのため家の中に仏様をおまつりしていないので、遺骨や白木の位牌を飾る場所がないと考える人がいるのです。ですので家に置く場所が無いということで、お寺の方で預かってもらえないかと相談を受けることがあります。

2. 私は地方の香川に住んでいます。

地方では子や孫の若い世代の人が東京にでていることがあります。いや、東京でなくても岡山や大阪や京都などの身近な都会に出ていることもあります。

すると仏壇のある実家に遺骨や白木の位牌をお飾りしたとしても、お花やおロウソクを供えることができないですし、7日毎の中陰のお勤めに戻ってくるのも大変です。

そのため遺骨や白木の位牌が粗雑に扱われたりするのが心苦しく感じ、お寺にて預かってもらい中陰の間お勤めをしてもらえないのかと相談を受けることがあります。

3. 実家の父母が無くなった場合、遺骨や白木の位牌は実家の仏壇にお飾りしたりします。

しかし長いこと家を空けていた場合、家の中が乱雑になっていることもあり、とても中陰のお参りを親戚に案内できる状態ではないことがあります。

また仮に施主が住んでいる家に遺骨や白木の位牌を引き取ろうにも、家に仏壇が無かったりや駐車場がなかったり、部屋が狭かったりと、人を呼び中陰のお勤めをできる状態でなかったりします。

そのため寺に預け代わりにお飾りしてもらい、中陰のお勤めは寺を会場として読経してもらえないかと依頼されることがあります。


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さいごに。49日法要以降の白木位牌をどのように扱うのか

それぞれの家庭の事情は違えども、お寺(檀那寺・菩提寺)に白木位牌を預けられた喪主は、お寺にて中陰のお勤め(七日ごとの法要)さらには満中陰法要(49日法要)をお願いすることがほとんどです。

別にお寺だからといって、家の仏壇横でお飾りするのとは差が無く、白い布を被せた中陰壇を用意しそこに遺骨や遺影や白木位牌を安置します。そして家と同じようにロウソクや花などをお飾りし、毎週読経をします。

預かった白木位牌も中陰の間ずっと安置したままです。

では49日の法要が終わった後、浄土真宗のお寺では位牌をどのように扱うのだろうか。

  • 預かっていた遺影や遺骨は喪主にお返しします
  • 白木の位牌は私の寺ではそのまま預かります
  • そして自坊での灯籠流し法要にて焚き上げます
  • 白木位牌の代わりに、繰り出し位牌や過去帳に住職が記入する

上でも説明しましたように満中陰法要までは白木の位牌をお飾りするのが一般的です。これはお墓や本位牌・繰り出し位牌または過去帳を落ち着いて用意するためです。

ですので満中陰法要が終われば白木位牌はお役御免になりますので、自坊の寺ではそのまま引き取ります。(ただしまだお墓の用意ができていない場合や、繰り出し位牌・過去帳への記入が終わっていない場合は喪主に白木の位牌を持っておくように説明しています。)

お役目が終わった白木の位牌はどのように処分・扱えばいいのか分からない人もいるかもしれませんが、私の住んでいる所ではお寺の住職に相談すればおそらく持って帰ってくれるでしょう。ゴミに出すのはやめましょう。

自坊では8月の末に灯籠流し法要をしていますので、その灯籠を流すときに一年間に引き取った白木の位牌を合わせて炊き上げています。

浄土真宗では位牌を使わないことは有名ですが、実際には仏壇に位牌を用意されている門信徒も多いですし、浄土真宗でも白木位牌を葬儀~中陰と使っています。ですので白木位牌の処分方法もどうしたらよいのか、葬儀を依頼した寺に相談してはどうだろうか。(49日のお勤めが終わったのに仏壇に置きっ放しはおかしいですよ。)

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