こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。
12月にご門徒さん宅にお参りに行きますとお寺とクリスマスの関係をよく尋ねられます。
神社にお参りする宮参りと同じくらいみなさん気になるようです。
お坊さんとクリスマスの関係を書いてみます。
お寺ではクリスマスのお祝いはしていない。
クリスマスってキリスト教の行事で救い主として信仰の対象となっているイエス・キリストの誕生祭のことですよね。もう少し正確に言うと、キリストの誕生日祭りではなく、キリストの降誕を記念する祭りですね。
一般家庭では、なぜかどういうわけかクリスマスのお祝いをしますね。
私の住んでいる香川県の丸亀市では骨付き鶏がだいぶ有名(名物)になっています。私は骨付鶏がだだ塩辛い食べ物にしか感じないので食べないのですが、香川県の夕方6時10分ごろから放送される「ゆう6かがわ」でもクリスマスの料理に紹介するほどです。
先に結論を言いますと、お寺の人間は仏教徒ですので、クリスマスのお祝いを基本的にしません。
でもお寺でもクリスマスに何かしていないの。
お寺の人間はクリスマスのお祝いをしないのですが、お寺によってはクリスマスのお祝いをしていたりします。
お寺の人はお祝いしないのに、お寺ではお祝いするってどういうこと?
これは主に子供のためですね。
例えばお寺によっては幼稚園をされているところがあります。
子供にとって大切なのはいろんな文化に出あうことです。お宮さん参りであったり、お寺の法要で発表会をしたり、今の時代で言えばハロウィーン、そしてクリスマスですね。他にもいろんなイベントがあります。
クリスマスツリーやサンタクロースだってあります。
これはお寺が運営している幼稚園でも同じことですね。小さい子供にとっては宗教毎の行事の違いなんて分からないですし、大人の事情で決めつけるものでもないですね。何よりも仏教というのは「他の宗教を批判しない気持ち」が根底にあります。(する人もいるそうですが……。)
クリスマスにお寺でイベントをするとところもあります。お寺でクリスマスに遊戯をだったりサンタクロースを呼んで本格的なクリスマス会をしていたりします。中には音楽コンサートをするお寺もあります。
子供は多くの行事を通して様々な文化に触れ、経験を積んで大きく育っていきます。お寺という仏教施設でクリスマスをするのは子供のためです。
お寺でのクリスマスイベントは現代の寺院事情が関係しています。
現代ではお寺へのお参りがかなり減少しています。
それは特に若い世代に目立ちます。若い世代と言っても20代~60代くらいの人を指します。お寺で様々なイベントをしているのは少しでもお寺との接点を作ってもらおうという気持ちからです。
クリスマスをお祝いしているのは主にお父さん・お母さん世代の人たちなんですよね。小さな子供たちの親世代に馴染みがあり、参加しやすい行事をお寺ですることで、お寺にも親しみを持ってもらう必要があります。
お寺も世の中の流行りは積極的にイベントとして取り入れたりしています。
お寺が寛大・寛容だからクリスマスをしているのではなく、お寺に来てもらいたいからやっているんですね。
つまりはクリスマスを宗教行事ではなく、季節催事として取り入れているのです。
お寺にクリスマスって関係ある?ない?
ここまででお寺はクリスマスのお祝いをしないと言ってたんですけど、実は関係があったりします。
もう一度言いますが、クリスマスとはイエス・キリストの降誕を記念するお祝いの日ですよね。仏教でも誕生日というのは非常に大切なイベントです。
仏教では春八日(はるようか)がお釈迦様の誕生日とされています。この4月8日は仏教徒にとって非常に大切なお祝いの日で、宗旨や地域によって灌仏会(かんぶつえ)・花祭り・降誕会(ごうたんえ)などなど様々な呼び方があります。
キリスト教徒の人たちがクリスマスにお祝いするように、仏教でも同じように釈迦仏(お釈迦様)の誕生をお祝いします。ですので誕生を盛大にお祝いする気持ちは全く同じです。関係はちょっとありますね。
広告 - Sponsored Links
さいごに。まとめ。
「仏教徒がクリスマスのお祝いをしても大丈夫なんですか」ってすごく真剣に質問される方がいるのですが、私からすると「大丈夫って何?」という感じです。クリスマスのお祝いがしたいのであれば、したらよろしいではないですか。何かとんでもないことが起こると思っているのですか。
今年も私の所はクリスマスのお祝いはしませんでした。普段通りの白飯と白菜を煮たものが晩御飯でした。
「お寺さんも家でクリスマスのお祝いをしてますよね」と得意げに話される方もいますが、僧侶にもいろんな人がいるのでクリスマスをお祝いする人がいてもいいじゃないですか。きっとお子さんがいるんじゃないですかね。ケーキやおもちゃでもプレゼントしないといけない事情もあるのでしょう。
まとめ
クリスマスがキリストの降誕を祝うのと同様に仏教徒がお釈迦様の誕生をお祝いする点においては、仏教と関係があると言えます。
お寺の人間はクリスマスを祝うことはしないのですが、クリスマスの日にイベントをしてるところもあります。