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法事には赤いろうそくを準備しましょう。真宗僧侶が赤の意味を説明します。

こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。

皆さんはお仏壇にお参りをするときにろうそく(蝋燭)をお飾りしていますか。

燭台にただ刺すだけじゃなく、きちんと火を灯しましょうね。ろうそくに火を灯すことを灯明(とうみょう)とも献灯(けんとう)とも言います。

ろうそくには色がついていることを知っていますよね。

白色のろうそくが一般的ですが、その他には、赤色や銀色や金色のろうそくがあります。

仏事(法事・法要・通夜・葬式・初盆など)には、これらの色付きのろうそくを場面に応じて使い分けています。

特に浄土真宗では赤いろうそくを使う機会が割と多いです。

ですので、浄土真宗のお坊さんである私は「一家に一箱は赤ろうそく(朱ろうそく)のケースを用意してくださいね」とアドバイスしています。

しかしですね、不思議なんですが、近くのスーパー・コンビニではどこに行っても赤いろうそくが売られていないんですよ。ほとんど白色ろうそくばっかり。

それはさておき、今回は浄土真宗と赤いろうそくについてお話します。

なぜ赤いろうそくを使うのか、いつ用意するのかも説明します。

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仏教にろうそくの色に関するルールはない。

一般的には仏事には白色のろうそくが使われています。次に、赤色ですね。

浄土真宗では赤色のろうそくを使う場面が多いのですが、他宗では必ずしもそうではありません。

同じ浄土真宗でも派によって法事の種類によって使われるろうそくの色は異なります。

例えば、私の属している真宗興正派を例に挙げてみます。

ろうそく 白

白蝋(はくろう)

一般法要・法事など  

ろうそく 赤

朱蝋(しゅろう)

  • 年忌法要
  • 慶讃法要
  • 報恩講法要
  • 永代経法要など
 

ろうそく 銀

銀蝋(ぎんろう)

  • 通夜
  • 葬式
  • 告別式など
白蝋で代用可

ろうそく 金

金蝋(きんろう)

  • 仏前結婚式
  • 慶讃法要などの慶事
朱蝋で代用可

一応、真宗興正派ではこのように決まっていますが、使用場面に「など」と添えられていますように、絶対的なルールではありません。

例えば、白色のろうそくは一般法要・法事などで使ってくださいと勧められていますので、日常のお仏壇参りでは白色のろうそくを使うことになります。その他にも例えばお盆参りであったり、お墓参りでも白色のろうそくを使うことになりますね。

一方で赤いろうそくは年忌法要などで使うことが勧められています。

ですので真宗興正派では故人の最初の年忌法要である一周忌法要から赤ろうそくを使うんですよ。(知ってましたか?)

しかし同じ浄土真宗でも派によっては、3回忌以降であったり、7回忌以降で赤ろうそくをお飾りすることもあります。

ちょっとややこしいことを言いましたが、要はろうそくの色は白・赤・銀・金が基本にあるが、仏教宗派によってお飾りする場面は違いますし、絶対に守らなければならないという決まりでもないということです。(厳格に守っているところがあったらごめんなさい)

浄土真宗では赤いろうそくをお飾りすることが多い。

さて浄土真宗では赤いろうそくを仏事・法事に使うことが多いです。

上の真宗興正派の使用例を見ていただいたらわかりますように、白いろうそくは一般法要・法事で使われるので、どのような場面でも使うことができます。気軽に使えるのが白色ろうそくの特徴です。

でも赤いろうそくの所をみると、年忌法要・慶讃法要・報恩講法要・永代経法要などで使われますね。

つまり一周忌・3回忌・7回忌・13回忌・17回忌‥‥‥といった年忌法要で赤ろうそくは使い、お仏壇やお墓を新しく迎えたといった慶讃法要でも赤いろうそくを使い、親鸞聖人のご命日をお勤めする報恩講法要・報恩講参りでも赤いろうそくを使い、春秋の永代経法要でも赤いろうそくを使います。

つまりは、とりあえず赤いろうそくを準備しておけば、OKなのです。

白いろうそくは日常的な仏さん参りや、月命日といった普段から継続して仏様にお飾りするときに使うのです。

祥月命日では赤いろうそくがあるのが好ましいので、分からない場合はとりあえず法事にの時には赤と白のろうそくを両方を用意してください。

なぜ赤いろうそく(朱ろうそく)を準備するのか。赤(朱)色の意味は。

最初にお断りしておきますが、赤色(朱色)に明確な意味があるわけではありません。

昔から伝統的に仏様のお飾りに使用されてきたのが、白色のろうそくであり、赤色のろうそくなのです。

でも色の使い分ける場面、作法は違っていますよね。なぜでしょうか。

一つには、赤色(朱色)は「めでたい」という意味があります。

ありがたいなあ・もったいなあ・大切な縁だなあと頂けるのがこの赤色の役割です。

例えば日本には紅白(こうはく)という風習が今も強く残っていますよね。

仏教的な風習でもお布施などを包む水引には、赤・白を使いますよね。

なぜ紅白がお祝い事に使われる色のかははっきりとわかっていないのですが、日本時には古くから赤と白の二つにはおめでたいという感覚があったのです。

ですので例えば仏様にお供えするお仏飯は基本は炊いた白米を準備するのですが、家によってはお赤飯をお供えするところもあります。

一つには、昔は朱色が貴重だったと言われているから。

ここまでの説明で赤ろうそくのことをたびたび朱蝋燭(しゅろうそく)と表現していました。読みにくかったかもしれません。

しかし実はお坊さんは赤ろうそくと呼ばすに、朱蝋燭または朱蝋と呼ぶのが一般的なのです。

赤色ではなく朱色だと言っているのです。

朱色は古くから尊い色・貴重な色とされてきました。墨の色に対する色として重宝されもいましたので朱肉として利用することもありましたし、壁画などにも使われていたようです。

朱色は古くから貴重な色とされていたので、大切な仏事には赤いろうそくを使おうとしたとも言われています。

一つには、節目を設ける意味から。

確かに朱色は貴重な色・尊い色なのですが、日本人は独自に鉱物や植物から様々な赤色系統の色を作りました。

例えば朱色・緋色・茜色以外にも桜色・桃色・紅梅・唐紅などの紅花系の色がどんどん増えていきました。

白色と比べて赤色のろうそくの方が貴重で高価だったのですがそれだけの意味ではなく、白いろうそくは日常的なお参りに使い、大切な年忌のお勤めには赤色を使い節目を設けたとされています。

これは別にろうそくに限った話ではありません。

例えば、普段のお仏壇のお飾りには打ち敷きをしないですし、花瓶・香炉・燭台もひとつずつの三具足にします。そして法事の時にはお仏壇を豪華にお飾りして、打ち敷きもかけ、五具足にし、お供えもしっかりします。

年忌法要・慶讃法要・報恩講法要・永代経法要に赤いろうそくを用意するのは、このお勤めが私にとっての有難い・めでたい仏事だったんだなあと気付いていく意味もあります。

その他、赤は邪気を払うという意味から。

浄土真宗的ではありませんが、赤色(朱色)には邪気を払うという意味もあるそうです。

古いお寺や神社の柱は赤色のことがありますね。

理由は色々ありそうですが(防腐剤的な)、一つには赤色が魔力・災厄を防ぐ色と考えられていたことや神様の力を発揮するといった呪術的な意味もあるそうです。

法事は人によってはめでたいことだと感じれないこともあり、邪気を払う赤色のろうそくが使われたのかもしれません。(私の推測)


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さいごに。法事には赤いろうそくを準備しましょう。

赤ろうそくの箱。法事で使うので準備すること。

さて皆さんは法事で使うろうそくと言えば白色を思い浮かべるでしょうが、お坊さんからすれば(特に浄土真宗のお坊さんからは)赤色のろうそくもよく使います。

祥月命日のお参りには赤ろうそくを用意しなくても大丈夫ですが、親戚が集まる年忌法要などでは赤ろうそくを用意してください。

宗派によって白いろうそく、赤いろうそくを使う場面が違うかもしれませんが、分からない場合は両方用意していだたければお参りに来たお坊さんがその場で説明してくれるでしょう。

真宗興正派では一周忌から赤いろうそくを使います。(49日法要や百か日法要で使うお寺さんもいます。)

赤いろうそくをいつ使うのか皆さん知らないようなので、需要が少ないそうです。

そのためコンビニやスーパーマーケットの売り場には置かれていないケースが多々あり、お仏壇屋(仏具店)に行かないと購入できないかもしれません。最近では通販で買う人もいるのかな。(私の住んでいるところはスーパーにはありません。もちろん100均にもありません。)

赤ろうそくの箱を一箱購入しておけば、使う頻度にもよりますが十年以上は事足りるでしょう。

赤色のろうそくは法事に必要なお供えですので、ぜひ準備しておいてください。

欲を言えば、洋ろうそくよりも和蝋燭(和ろうそく)の方が仏事にはふさわしいとされています。やや高価ですが、ゆらゆらと揺れる炎はなんとも言えない趣きを仏事の場に与えてくれます。

(余談ですが、日常のお参りでも赤ろうそくは使っていいですよ。禁止事項じゃないので。仏様にお参りするのにあんまり堅苦しく考えずに気楽にね。)

(別に赤ろうそくがあった方がよい場面でも、お坊さんはそのまま白ろうそくで代用してお勤めをしますので)

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