打敷の飾りは法事法要の時だけ!普段は片づけとこうね

こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。

先日自坊円龍寺の報恩講法要が無事に勤修できました。

さて、大切なご仏事が終わったから後はのんび~りと年を越せるのかと思いきや、そんなことはありません。

何があると思いますか。

そうですね。お飾り(荘厳)の後片付けですね。

今回のお話は自坊の報恩講の片付け風景と、プラス打敷(うちしき)の扱い方について説明します。

案外打敷を片づけずにそのままお飾りしっぱなしの家が多いんですよ。

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片付け前の報恩講のお飾り様子。

①本堂内陣の様子。

寺での報恩講法要のお飾り片付け前②本尊阿弥陀仏像周辺のお飾り。

報恩講のお飾り。5具足さてちょっと説明しますね。

報恩講という行事は浄土真宗にとって最も大切な法事です。それは宗祖親鸞聖人のご命日を偲ぶお勤めだからですね。

そのため日常よりも豪華に仏前を彩りますし、永代経法要やお彼岸やお盆のお勤めよりもさらにお花やお供物をボリュームアップしていきます。(よくお坊さんは3具足から5具足にしてくださいと言いますよね。)

豪華にお飾りしていますが、報恩講が終わったのでさっさと片付けていきます。

後でなぜさっさとお飾りを片付けないといけないのかも説明します。

まずは経机やお供えを仕舞いました。

打敷を片付ける前には先に経机や果物・お餅などのお供物を仕舞いましょう。これは一般家庭のお仏壇も同様ですよ。

打敷は大きな布なので色んなものに引っ掛けやすてしまうと傷める恐れがあるので、できるだけ仏さまの周辺はサッパリしておきましょう。

寺院法要に使う礼盤

最初に導師が座る礼盤(らいばん)の片付け。見るからに打敷の片付けを邪魔しそうですよね。

礼盤だけでなく塗香器や柄香炉、磬といった仏具も片づけます。

続いて経机を片付けます。

お寺で法中用の経机を片付け。

経机もお経文を置くためだけの道具なので普段は仕舞っておきます。

お供え物も下ろしたら続いて打敷を片付けていきます。

打敷は折りたたんで、たとう紙に収納。

畳んだ打敷を収めるたとう紙

打敷は広げたままだと場所を非常に必要とするので折りたたんで収納していきます。

包むのは「たとう紙(たとうし)」と呼ばれる紙です。

和紙のたとう紙は通気性がよくて湿気を取り除くのに優れているので、着物や衣また打敷のような金襴をあしらった布を保管するのに最適なんですね。

(一般家庭でたとう紙がない場合は、打敷を購入した袋に防虫剤と一緒に入れておけばOKです。)

寺の仏事で使う三角打ち敷お寺で使われている打敷は一般家庭のお仏壇で使用する打敷よりも巨大なサイズでしょう。

でも大きなだけで使用目的や扱い方は何にも変わらないんですよ。

折りたたみ方も豪華な金襴を内側にして畳むだけです。

仏壇にお飾りする水引(水引)。打敷の一種

浄土真宗は三角形の打敷しか使わないと思っている人も多いかもしれないですが、そんなことはありませんよ。

上の写真のような四角形の敷物もしますよ。

正式名称は「水引(みずひき)」と言います。豪華なお飾りにする時に打敷の下に敷く布です。(贈答品の包み紙に使う帯紐とおんなじ名称ですね)

他にも檀巻(壇敷)や台敷といった四角形の打敷もあります。

浄土真宗も長方形・四角形の打敷は使うんだからね。

打敷などを片付けた後のご仏前の様子。

法要後の仏前の風景。

寺の法要後片付け後のお飾り。

本当は5具足から3具足にしないといけないのですが、まだまだお花が綺麗なのでしばらくの間は「花・蝋燭・香炉・蝋燭・花」の5具足のままにしておきます。

白い布は金箔に埃が溜まらないように覆っています。それと傷防止ですね。軽くこすっても金箔が剥がれなくなります。

仏さま周辺のお飾りが少なくなりだいぶシンプルになりましたね。日常の家庭でのお仏壇もこれくらいサッパリとしておきましょう。

以下、打敷について説明していきます。

打敷とは何なのか。どんな時に使う?

打敷とは敷物を張るという意味と、敷物をするという意味があります。

打という漢字には張るという意味があり張り敷くことからだそうです。また打という漢字にはその動作をする意味があり敷物をする動作の事を意味するようです。

なぜ打敷を法事法要時のご仏前にお飾りするのかはわかりません。

一説にはお釈迦様が説法される高座を珍宝や妙衣で荘厳しており、そのことが打敷の起源となったとも言われています。

浄土真宗本願寺派の中央仏教学院の次のURL(http://www.chubutsu-tsukyo.jp/season/打敷%EF%BC%88うちしき%EF%BC%89)で打敷について詳しく説明されています。よろしければ確認してください。

次にどんな時に打敷を使うのかを説明します。

普段はお飾りせずに、一周忌などの年忌法要、報恩講やお彼岸・お盆といった節目の仏事の時だけ使いましょう。

仏教行事をするときのみ用意するんだと覚えていただければ十分です。普段は仕舞っておくことです。

理由は単純で、打敷とは仏さまのお飾りだからです。

打敷は常時掛けるのではなのく、法要の時など丁寧にお勤めする時に飾ります。

打敷は金襴を使っており非常にきらびやかなデザインを施しております。

これは仏さまのお浄土の様子を表しているからです。お花も豪華にしてお供えも多くしますよね。仏さまへの供物のような意味合いもあります。

ただ打敷とはお仏壇の調和を保たなければなりません。

ですので葬儀や中陰の時は白色や銀色の打敷を使い、派手な打敷は控えましょう。


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さいごに。打敷の片付けは面倒なのが現実。

  • 打敷は普段は仕舞っておきましょう。
  • 仏事法事の時だけ仏さまにお飾りします。
  • 法事が終わればすぐに片付けましょう。

しかし現実には打敷をお仏壇に掛けっぱなしの家ばかりです。お参りに行っていつも感じます。

そして打敷に埃がだいぶ溜まっているんですね。

最近では防火用の打敷・敷物が仏壇屋で売られているので、「ああ、打ち敷ってテーブルクロス的な役割なのね」と勘違いされているようにも感じます。

いいえ違います。仏さまへのお飾りです。

お仏壇が汚れないために敷いているんじゃあありません。

打敷は仏さまを安置している空間を豪華に彩り、私たちに仏さまの世界を想い起こさせるためでもあります。

打敷を片付けるためには、まずお供え物や仏具を片付ける必要があり、面倒なことから敷きっぱなしかもしれません。

でも打敷にはメリハリをつける意味合いもあります。法事に打敷を用意することで今日のこのお仏事がまた一層有難いご縁だと感じられると思います。

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