ほしい物リストより、お線香ありがとうございました

お仏壇の輪灯の灯し方.#216

第216回目のラジオ配信。「輪灯のつけ方と消し方」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ内容まとめ
  • 輪灯はお仏壇に吊られているお光を灯す仏具
  • 今はLED電球と電気のタイプが当たり前だが、油から灯す家もある
  • 必要な道具は油皿(灯明皿)、灯心、油、灯心の押さえ
  • 植物由来の油ならなんでもOK
  • 灯心は50本で1000円くらいでお仏壇屋にある
  • 灯心にはしっかり油を染み込ませる
  • 灯心は繰り返し使える

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをする音声配信です。

今回はお仏壇の輪灯の明かりの灯し方について話していきます。

今回が2024年2回目の配信となります。

ちょっと前まで年末年始、三が日でしたが、早いもので2024年も2週目の週になりました。

皆様ももうだいたいの方が、お仕事を始められたのではないでしょうか。

お坊さんの私はお正月休みというのはほとんどなくて、 お正月1日や2日からお祥月参りや法事に行ってきました。

あんまり皆さん、年末年始や正月三が日の時にお祥月まいりや法事なんてするもんなんかなと思うかもしれませんが、それがご命日のおあたりの日に当たっていれば、丁寧な家ではたとえ正月三が日でも年末年始であっても お坊さんを招いて、家族みんな揃って、仏事をつとめます。

今年は、私は正月一日や2日に法事のおつとめに行ってきました。

それでいいますと、日をずらさずに、正月一日や2日に法事をする家というのは、お仏壇のお飾りもしっかりと丁寧にされているなあというように感じました。

今ではあまり見ることがなくなりましたが、輪灯に油を注いで本物の炎を灯していました。

輪灯とはお仏壇の中に吊られているお灯明、お光を灯す仏具のことです。

最近では、輪灯の灯りは電球、LEDと電気の灯りになっているご家庭が多いですが、それでもいまでも油を注いで、火を灯されるご家庭もあります。

私のところの円龍寺のご門徒さんでいえば、輪灯に火を灯される家は、ふだんのお祥月参りだと5軒ぐらいでしょうか。法事のときにつけるのは10軒あるかないかぐらいだと思います。

火を灯していた昔のことを覚えていて、せめて法事のときにでもと輪灯に火を灯そうとされる家もありますが、なかなか久しぶりにしても上手く火を灯すことができないようです。

そこで今回は輪灯の灯し方について、話していきます。

油をいれて火をつけるだけでしょ、簡単じゃないのと思われるでしょうが、慣れていないと意外と難しいものです。

さてそれではつけ方を紹介していきます。

必要な道具は、油をいれる油皿、灯明皿ともいいます。それと火がつけられる灯心という紐と、油と、あと意外と大事な灯心の押さえです。

これらの道具が必要です。

まず油についてですが、植物由来の油でしたらどんな油でも大丈夫です。

おそらく一番よく使われるのは菜種油でしょうが、ゴマ油でもオリーブ油でもヒマワリ油でもサラダ油でも、植物由来の油でしたらなんでもOKです。

それでその油を油皿にいれるわけなんですが、いれるのはちょっと待ってください。

先に火を灯す灯心の紐をお皿に入れておいた方が個人的にはやりやすいです。

灯心は一本だけでも火は灯されるんですが、私の体感的に一本よりも2本の方が火がつきやすいですし、お灯明の明かりの調整もしやすいので、2本そろえてつけた方がいいと思います。

灯心はお仏壇屋さんに行けば売られています。お値段はだいたい50本で1000円ぐらいです。

それでお灯明に使うときは、一本の灯心を半分の長さに折って重ねて、そのまま二本分にそろえてつかっていただいてOKです。

鋏や指で半分の長さに切る必要はないです。

切らずに半分に折って重ねるのでOKです。

それで半分に折って二本分にした灯心を油皿のなかにいれて、灯心の押さえを重り代わりに灯心の上に置きます。

灯心の紐をしっかりとおさえるように、灯心の紐の上に灯心の押さえを置いてくださいね。

それから油を注ぎます。

油をお皿にそそいで、灯心の紐全体に油を含ませます。

これが大事で、よくある失敗で、いざ灯心に火を灯そうとしても、あっという間に灯心の紐が燃え尽きてしまって、お灯明の火が続かないというケースがあります。

これは灯心に油が染みてなくて、紐が油を吸い上げられていないからです。

紐が浸かるように油を十分にいれて、灯心の紐にはしっかりと油を染み込ませておきましょう。

さてそれでお光を灯すときには、灯心の押さえを動かして、灯心の紐の先端をお皿の縁から出します。

皆さん火をつける時は怖がって、数ミリくらいしか出さない人もいますが、お皿の縁から1㎝くらいは出した方が火がつきやすいですし、最初の炎が安定すると思います。

(お光の大きさの調整は後からできるので、最初は小指の爪の長さくらいは出してつけてください。)

もう一つこの時の注意点としては、灯心の動かし方があります。

灯心の押さえをつまんで下に敷いている灯心の紐を動かすわけですが、灯心の押さえは持ち上げないようにしてください。灯心の紐を押さえながらスライドさせて動かしてください。

灯心の押さえはおもったよりも軽くて、動かそうとすると持ち上げてしまいがちですが、そうすると、重ねた灯心の紐がズレてしまうかもしれません。

灯心の紐がズレないように、灯心の押さえは持ち上げずに、軽くスライドさせて紐の長さを調整してください。

灯したお灯明の火は、お皿の縁から出した紐の長さと太さの分に応じた大きさになります。

火はお皿の縁よりも内側に入ってこないので、油皿の油には直接火はつきません。

また火は油を吸い続けて灯されているので、紐の長さはそんなに変わりません。

一度お灯明のお光の大きさが安定すると、後はお皿の油が切れない限り、お光の大きさはほとんど変わらないですし、灯心の紐の長さを調整する必要はありません。

ちなみに灯心の紐は一本当たり50円ほどですが、お光を灯しても紐の長さはそれほど変わらないので、一本の灯心の紐でも繰り返し、何度でもお光を灯すことができます。

なので、もしも紐を買うときは、数本売りのバラ売りで買うのでいいと思います。

それと最後に、火の消し方についてもご紹介しておきますね。

消し方は3つあります。

一つは油を使い切る方法です。

お仏壇の輪灯に使われる油皿はそんなに大きくないので、油をしっかりいれてもだいたい2時間ほどで油がなくなると思います。

油がなくなると当然火は消えますので、法事のさいご、油を使い切るまで輪灯を灯していただくのが火を消す一つの方法です。

もうひとつは、お皿の縁から出した灯心の紐を、灯心押さえをスライドさせてお皿の内側に引っ込めて、油の中にいれるという方法です。

油皿の中に油がたくさん残っている場合は、油のなかに灯心の先端がすっぽり浸かるようにひっこめて、油がのこりわずか少量で油の中に紐をすっぽり入れられない場合は、灯心の先端をお皿の内側に入るようにひっこめると消すことができます。

炎を油の方に近づけるので、怖い感じがしますが、おそらくこの消し方が一般的だと思います。

最後は、灯心の紐の先端をつまむ方法です。

灯心の紐をお皿の内側に引っ込めるのが怖いという人はこの方法で消すか、油を使い切る方法になります。

灯心の先端は指でもいいですし、お箸みたいなものでもいいので、炎の根本をつまんで、油が吸い上げられないようにしたら消すことができます。

どうでしょうか。

お仏壇の輪灯に油を使って火を灯す、お灯明をつける方法と、消す方法が上手く伝わりましたでしょうか。

言葉だけで説明しているので、分かりにくいところもあったかもしれません。

動画サイトのYouTubeの方でお仏壇の輪灯に油を使って灯す方法を紹介しているのがあれば、この音声を載せているブログページにて参考としてリンクをはっておきます。

もしも参考になりそうなYouTube動画がなければ、私が自分で撮影してブログページの方にのせておきます。

それとさいごに、今回のお話は、けっしてお仏壇の輪灯に油を使ってお光をお供えしましょうと強く勧めるためにしているのではありません。

今では電気で輪灯に灯りをつけることが当たり前になっていますし、電気の方が火事になる心配もありません。

ただ、大切なご法事の際に、昔のように輪灯に火を灯したいというご門徒さんも少なからずいらっしゃいますので、その方たちがいざ輪灯に火をつける際に参考になればと思って、今回、輪灯のつけ方についてお話しました。

輪灯を使う際の注意点

油を用い火を灯す輪灯を使う場合、火事にならないように気をつけましょう。

燭台のロウソク、香炉のお線香も同じことがいえます。

お仏壇のそばを長く離れるときは、かならず火を消してください。

火の取り扱いには細心の注意を払いましょうね

Q
なぜ植物性の油を使うのか?
A

動物性の油と比べて、香りがきつくなく、ススが出にくいらしいから

一般的なランプの材料のガソリンや灯油や燃料用アルコールは使わないでください。また植物性でもアマニ油は自然発火の可能性もあるらしいので、アマニ油は使わないでください。

参考になりそうな動画
「浄楽寺でございます。」の動画

灯明を消すシーンは3分40秒~にあります。

灯心押さえをスライドして、灯心を油の中にいれています。

「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。



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