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第269回目のラジオ配信。「お勤め時間の短いお経」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。
お仏壇があるご家庭では朝夕、あるいは一日に一度はお仏壇にお参りするのが理想です。もっと言えば、手を合わすだけでなくて、お経を読んでいただけたらなおいいです。
ただそうは言っても、お仏壇にお参りされている家は少ないと思います。
先日このような質問を受けました。
「時間がない時、お仏壇で何を読めばいいのでしょうか?」と。お参りの仕方を教えてほしいとのことです。
その方は毎日夕方に必ずお仏壇の前でお勤めをされているそうです。普段から熱心にお参りされている方です。朝は忙しいので、夕方以降の落ち着いた時間帯にお参りしお経を読んでいるそうです。
いつもは何を読んでいるのか聞きましたら、その方は「お正信偈」を読んでいるとのことです。
お正信偈は浄土真宗で特に有名な読み物ですよね。時間があるときには、お正信偈を読むことをお寺もおすすめしています。が、これを読もうとすると20分ほどかかってしまいます。お正信偈の後の6首の念仏和讃も含めますと、30分ほどの時間がかかってしまいます。
これでは毎日する普段参りのお勤めが相当な負担に感じられてしまうでしょう。
それじゃあ代わりに何を読んだらいいのでしょうか?
それが今回のお話です。
浄土真宗以外の仏教宗派では般若心経が有名なんでしょう。およそ260文字の短いお勤めで5分もあれば読めるでしょう。浄土真宗でも読んだらダメというわけではないですが、もっとふさわしい読み物があるので、般若心経以外のものを読むのをおすすめします。
時間がない時におすすめするのは、次の3つです。
- 重誓偈(じゅうせいげ)
- 帰三宝偈(きさんぽうげ)
- 讃仏偈(さんぶつげ)
の3つです。
重誓偈は220文字、帰三宝偈は280文字、讃仏偈は320文字と、どのお勤めもゆっくり読んでも5分以内に読み終わります。無理なくよどみなく読むと、2分で読むことができる短いお勤めです。
これらはご門信徒の皆様がお持ちの一般ご家庭用のお経本の中に入っていると思います。
浄土真宗のご門信徒の皆様は、お時間がないときの普段のお参りのときは、これらの重誓偈・帰三宝偈・讃仏偈の中からどれか一つをピックアップしてお勤めしていただけたらなあと思います。
もしもう少しお時間がとれるのであれば、さらに南無阿弥陀仏のお念仏とお経の本に書かれている和讃もプラスして読んでいただけたらと思います。それらすべてを合わせてもトータルで5分もかからずにお仏壇のお参りが終わるでしょう。
これなら毎日するお参りでも、そこまで負担がないと思います。
今回は、時間がない時のお勤め。重誓偈、帰三宝偈、讃仏偈のどれかを読みましょうということをお話しました。
これらは2分ほどで読み終わります。どれを読んでもいいので、日によって読むものを変えてもOKです。
どのようなことが書かれているかは、また「かっけいの円龍寺ブログ」の方で紹介しようと思います。
ちなみに普段参りではお正信偈が読まれることが多いですが、仏説阿弥陀経を読むのもいいですね。1900文字ほどの短いお経で、お祥月参りに来たお坊さんもよく読んでいることでしょう。15分から20分ほどで読むことができるので、お時間がある時はこちらを普段のお参りで読んでもOKです。
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浄土真宗では一日に2度、「朝と夕の勤行」をすすめています
なぜ朝と夕方にお参りするのか、お釈迦様がいたときのことが由来とされます
- 重誓偈:『仏説無聊儒教』の中にある文。あらゆる人びとをもれなく救うと48の願いで誓われた阿弥陀仏が、その願いを3つの誓いにまとめられた偈文。
- 帰三宝偈:浄土真宗の七高僧の一人である善導大師が書かれた偈文。私たちは仏法僧の三宝を敬い、阿弥陀仏の本願を聞き、ともにお念仏の道を歩むことをすすめている。
- 讃仏偈:『仏説無量寿経』の中にある文。阿弥陀仏が菩薩だったとき、師の世自在王仏の教えを聞き、師を讃え、自身もあらゆる衆生を救うすぐれた仏となることを誓われた偈文。
- 仏説阿弥陀経:お釈迦様が舎利弗をはじめとした弟子たちに、阿弥陀仏の浄土の尊い姿を示し、仏さまの徳を讃え、私たちにお念仏による極楽往生をすすめたお経文。
- 正信偈:浄土真宗宗祖の親鸞聖人が書かれた偈文。阿弥陀仏のはたらきによって私たちが救われること、そして阿弥陀様の教えを私に伝えてくださったお釈迦さまや七高僧の徳を讃え、その教えを信じ、聞法念仏の生活をすすめている。
読経音声を紹介
下は私が円龍寺ラジオで配信した「重誓偈」と「阿弥陀経」です。
そしてこれは真宗興正派の西讃教区の有志僧侶によって収録された「正信偈」です。