赤と白のロウソクの使い分け方.#268

第268回目のラジオ配信。「赤と白のロウソク」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

内容まとめ
  • 仏事の作法は仏教宗派や地域によって違う
  • 浄土真宗の興正派は一周忌の法要から赤色のロウソクを使う
  • 赤色は節目のお勤め・大切な仏事で使う
  • 白色はその逆で、普段のお参りのときに使う
  • 亡くなってすぐ、葬儀中陰のときは白色
  • 蝋燭は腐らないので、赤色と白色のロウソクの箱を買っておこう
  • お坊さんの私は赤色のロウソクを持ち歩いている

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。

今回は、赤と白のロウソクの使い分けのお話しをします。

先日、アマゾンほしい物リストより赤色のロウソクが届きました。

浄土真宗では赤い色のロウソクを使うことがよくあります。

特に私の属している宗派、浄土真宗の興正派では亡くなって一年後の法事、一周忌法要から赤色のロウソクをお供えします。

赤色のロウソクはよく使いますので、今回、たくさん贈っていただいたのは大変ありがたいです。さっそくお供えさせていただきました。

ちなみに浄土真宗の興正派とは、京都にある興正寺を本山とする宗派で、全国に500弱あります。

とくに香川県には200余りのお寺があり、香川県の浄土真宗の2つに1つが浄土真宗の興正派です。

なので香川県の浄土真宗のご門信徒の皆様は、赤色のロウソクを目にする機会が多いのではないでしょうか。

それでは赤色と白色のロウソクの使い分けをお話しますね。

さて、まず前提として大切なことをお話しますね。

仏事の作法は、宗派によって、またそれぞれの地域ごとによって違っています。

なので絶対にこれが正しいという答えはありません。

先ほども言いましたように、浄土真宗の興正派は一周忌の法要から赤色のロウソクをお供えします。

一方で、聞いた話だと、浄土真宗の本願寺派では亡くなって6年目の法事七回忌から赤色のロウソクを使い、大谷派では49日法要の後、100か日法要から赤色のロウソクを使うらしいですね。

本願寺派と大谷派、西と東の本願寺はお寺の数が多く、二つ合わせて全国の浄土真宗の90%くらいを占めると思いますが、その二つの宗派でも、七回忌からと100か日からとで、全然赤色のロウソクを使うタイミングが違いますよね。

そんな風に、おんなじ浄土真宗でも、仏事の作法が全く異なります。

さてそれで、白と赤のロウソクの使い分けをお話ししますね。

赤い色のおロウソクは節目のお勤めに使います。

節目のお勤めというのは、大切な仏事ということです。

例えば、一周忌や三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌といった年忌の法事です。

他にも例えば、新年の一番最初のお参りであったり、お仏壇を初めて迎えるお勤めであったり、結婚式であったりとそういう特別なときに使うのが赤色のロウソクです。

宗派を開かれた宗祖のご命日も大切な時ですよね。特別なお参りのときに、赤色を使います。

白色のロウソクはその逆ですね。平生のとき、つまり毎日のお参りのとき、日々の生活の中で、家族だけでお仏壇やお墓にお参りするようなときに、白色のロウソクを使います。

だから普段参りのときは白、それ以外のお坊さんを招き、お参りの人が来られるときは赤色のロウソクをお供えするんだと覚えていただけたらと思います。

ただ注意点として、亡くなってすぐのとき、枕のお勤めや葬儀、49日までの中陰のときは、白色を使うのが一般的です。

なので、葬儀・中陰の仏事は特別だからといっても、この時だけは白色のロウソクを使うのが一般的です。

もちろん最初に注意点として言いましたが、仏事の作法は仏教宗派や地域によって違います。

赤色のロウソクを全く使わないところもあると思います。

自坊円龍寺のご門徒さんでも、赤色のロウソクは50回忌のときだけと思っている人もいるようです。

どこから50という数字が出てきたのかは分かりませんが、それぐらい赤色のロウソクは使われないものだと思われているのかもしれませんね。

でも浄土真宗だと赤色のロウソクは比較的よく見かけると思いますよ。

浄土真宗では、年忌の法事は、亡くなられた方をご縁として、こちらに残された私たち一人ひとりが仏様の教えに触れる仏事です。

南無阿弥陀仏のお念仏にであい、その教えによろこぶご縁となる大切なお参りです。

その大切なご縁を表現しているのが様々な色で彩られたお花でありお供物であり、色のついた打ち敷であり、そして赤色のおロウソクだと思うわけです。

浄土真宗にとって、年忌の法事は不幸な悲しい出来事ととらえるのではなくて、亡き人は先に仏さまのお浄土に生まれた方であり、そのおかげで仏さまの教えに出あうという大変ありがたいご仏縁です。

普段参りする白色ではなく、赤いお蝋燭をおそなえいただいて、年忌の法事といったその特別な仏事にお参りいただけたらなあと思います。

もしも赤と白、どちらを使ったらいいかわからない場合は、お参りに来られるお坊さんに聞いてみてください。

あるいは、お仏壇のとこに、赤色のおロウソクと白色のおロウソクを両方ご用意してください。お参りに来たお坊さんが、今日の仏事にあった適当な色の方を教えてくれるでしょう。

以上で、今回の白と赤のロウソクの使い分けのお話を終えますね。

蝋燭は腐るものではないので、赤色のおロウソクも白色のおロウソクもそれぞれ一箱買っておくことをおすすめしますね。

ちなみに円龍寺では、住職も私もお参りのカバンの中に赤色のロウソクをなるべく入れるようにしています。

まだまだ法事のときに赤色のロウソクをご用意され忘れているご門徒さんも多く、そういうときのために、住職と私は赤色のロウソクをなるべく持ち歩くようにしています。

そういう点でも、今回のほしい物リストから贈られたたくさんの赤色の蝋燭は助かります。

私のところの浄土真宗の宗派では赤色のお蝋燭をしょっちゅう使いますからね。

浄土真宗の場面ごとの飾り方、水引の色の早見表
お飾りの早見表
赤と白の使い分け(浄土真宗の興正派)
  • 赤色のロウソク:一周忌以降の年忌法要、報恩講、元日など
  • 白色のロウソク:日常する普段のお参り、祥月命日など。他、葬儀・中陰の間

赤色(朱蝋燭)と白色(白蝋燭)の他、金色と銀色のロウソクも正式には使います。

ただ金の代わりに赤、銀の代わりに白のロウソクが使われることが多いです。

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