こんばんは。 僧侶のかっけいです。
近頃では『坊主バー』や『坊主カフェ』と呼ばれる飲食店が話題になっています。
お寺の施設を開放してお坊さんがコーヒーを接待したり、アルコール飲料を提供したりして、人生相談や法話をするらしいです。
どうも一般の人によっては「お坊さんの飲み物=お茶」というイメージを持っているようですが、いやいや、お坊さんは何でも飲みますよ。
今回は「お坊さんはコーヒー好き」というお話です。
お坊さんにはなぜお茶を出すのだろうか。栄西と千利休が原因?
お坊さんに差し出す飲み物はお茶というイメージが強いようです。
なぜそうなったのだろうか。
私の考えられる理由としては、とある歴史上のお坊さんが原因なのではないだろうか。
その人とは鎌倉時代に生きた臨済宗の開祖栄西です。
このお坊さんは中国から茶種を持ち帰り日本での栽培を勧め、『喫茶養生記』という書物を著し喫茶を普及したようです。
日本では栄西以前にもお茶を飲んでいたようですが、栄西によりお茶が良薬として認知されるようになったらしい。
またその400年後、戦国時代に生きた千利休が茶人として非常に有名であり、ひょっとすると現代人は「お坊さん=お茶」という先入観を持っているのではないだろうか。
お茶は飲みやすい。
さて、お坊さんに限らず、例えば勤め人に接客するならば何をだすだろうか。
やっぱりお茶が無難だろうか。
家庭訪問に行ったときや、取引先に行ったときにお茶が出るのが嬉しいのかそれともコーヒーが出るのが嬉しいのか。
それは人によって好みが違うかもしれないが、やはりお茶を出すことが多い気がします。
それはお茶が誰にでも受け入れられやすいの飲み物だからではないだろうか。
例えばお坊さんである私がお参り先で今までに出された飲み物は次のものがあります。
- お茶(ほうじ茶・煎茶・緑茶など)
- コーヒー
- 紅茶
- 白湯
- 生姜湯
- 昆布茶
お茶やコーヒーが圧倒的に多いですが、実際にはそれ以外の飲み物も出してくれます。中には喉を気遣ってくださって手作り柚子蜂蜜ジュースをふるまってくれる家もあります。
お茶が出されやすいのは、用意しやすいことと間違いがないからですね。
お茶を嫌いな日本人は少ないでしょうし、飲むとなんとなしに落ち着きます。飲みやすさの点ではお茶がダントツの安定感ですね。
でもコーヒー好きのお坊さんも多いよ。
お坊さんのお参りにはどこに行ってもお茶を振舞ってくださいます。
もちろんお茶が無難であり美味しい飲み物であり、お茶を出すことに文句を言う人はいないでしょう。
でも意外とコーヒー好きのお坊さんも多いんですよ。
例えばお寺の法要の時にお坊さんは控室に集まります。
その時に、決まってお茶を出すお寺もあれば、決まってコーヒーを出すお寺もあります。
これは私の印象ですが、お茶を出す場合は飲み切らないお坊さんが多いですが、コーヒーの場合は飲み切っているような気もします。
お茶に飽きているお坊さんが多いのではないのでしょうかね。
コーヒーをぽっと出してくれると「ああ嬉しいなあ」と飲んでくれるような気もします。
ただコーヒーは癖があるし、たくさん飲めないよね。
こんな話をしている私はコーヒー好きなお坊さんだということです。
ただ当然お坊さんの中にはコーヒー嫌いなお坊さんもいるでしょう。
家によってはミルクを添えておらず、ブラックコーヒーで飲まなければならないところもあります。
美味しいのですが、コーヒーは体調によっては飲みのがつらい時もあります。
お坊さんのように次々と家にお参りをし、衣だから気軽にトイレに行けない人にとっては、お茶の方が嬉しい人もいやもしれません。
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さいごに。接待はもてなしの心。
話のまとめ方がふわふわしていますが、私が今回伝がえたかったのは次の2点です。
- お坊さんには必ずしもお茶を出すと決まっているわけではないよ。
- 私のようにコーヒーが好きなお坊さんもいるよ。(紅茶も好き)
ただやっぱり接待にはお茶が無難なのかもしれませんね。お茶を飲めない・嫌いな人は少ないでしょうから。
ですのでお坊さんに出す飲み物について疑問を持っている方にアドバイスを一つします。
ぜひお参りのお坊さんに尋ねてください。
「コーヒーがいいですか、お茶がよろしいですか」、「熱いのがいいですか。冷たいのがいいですか」、「お勤めの最中にもお出ししましょうか」などと声をかけてください。
その気遣い・もてなしが嬉しいものです。