こんばんは。 真宗興正派の僧侶かっけいです。
私は非常に汗っかきなのでお参りの時にはご門徒さんから「お坊さんは衣をたくさん着ているから熱いんでしょうね」と言われます。
はい。本当に熱いです。夏は本当に辛いです。
お坊さんは10月になると衣替えの時期になります。私も先日、冬用の服装に替えました。
するとまたまたご門徒さんから「あれ衣が変わりましたね。まだ暖かいのに熱くないんですか?」と尋ねられました。
いやいや暑いんですけども、そういう決まりなので。
今回は私が着ている服装(法衣)が夏用から冬用に替わったので、どのような感じなのか写真で紹介します。
夏服と冬服を並べて比較。
【道服編】お坊さんが良く着る服。
畳んだ状態だとどちらが夏用でどちらが冬用かわかりにくいですね。
上の写真では左側のやや光沢のある方が冬用の道服(どうぶく)です。道服とは移動用に着る服のことです。浄土真宗のお坊さんにとってはこれがお参り時の一般的な服装です。
衣の生地の厚さが違いますので、手を透けてみます。
上の写真のように、冬用の道服だと生地が厚いため肌が見えません。冬場の寒い寒風も遮断してくれます。
一方で、夏用の道服では非常に生地が薄く通気性に優れており、肌が見えています。
夏用の道服を吊ってみますとどれだけ薄いのかが分かります。
【色衣・五条袈裟編】法要用の服装。
続けてお坊さんが法要時(年忌法事・葬儀式など)に着る服装について紹介します。
これも先ほどの道服と同様に、左が冬用の生地の厚い色衣(しきえ)と五条袈裟で、右が夏用の生地の薄い色衣と五条袈裟です。
左の冬用の色衣では手が透けて見えませんが、右の夏用の色衣では手が透けて見えます。
写真ではわかりにくいですが、五条袈裟も冬用のは生地の厚みが増しやや重たくなっていますが、夏の五条袈裟は薄く軽いです。
お坊さんの衣替えの時期はいつ?
冒頭でも触れましたが、お坊さんの冬用の衣替え時期は10月です。
仏教宗派によっては異なるでしょうが真宗興正派や浄土真宗本願寺派などでは、10月から冬用の服装、6月から夏用の服装に替えることになっています。
地域によっても異なるでしょうが、一般的な学生服や企業の制服の衣替えの時期と同じですね。
また一応、一日から衣替えとなっていますが、曖昧なもので熱くなったり寒くなったり状況に応じて現実的には2週間程度かけて徐々に衣替えをしていきます。
もちろん、本山や別院などでの正式な法会がある場合は、6~9月は夏用、10~5月は冬用ときちっと整えますよ。
個人的な服装に関する感想。
お坊さんの服装って、結構熱がこもるんですよ。
下着を身につけてから白襦袢(しろじゅばん)を着て、白衣(はくえ)を着て白帯で締め、最後に道服を着ます。
夏場は生地の薄い道服を着ても汗がポタポタ落ちるほど熱が衣の中にこもります。
ですから6月から夏用の衣体になると言っても、本当はもう少し早めの5月前から衣替えしたいですし、10月から冬用の衣体になると言っても、本当はもう少し遅めの11月程度から衣替えをしたいです。
どちらかというと、お坊さんの衣は夏よりも冬を過ごすように作られているように感じます。
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さいごに。
さて今回はお坊さんの夏用と冬用の服装について紹介しました。
季節によって服装が変わることを衣替え(ころもがえ)とも更衣(こうえ)とも呼びます。
普段よく着ている道服と法要時の色衣・五条袈裟の夏・冬仕様について紹介しました。
実は白衣や白襦袢も冬用のは生地が少し厚くなります。熱を逃さないために。
ただ白足袋や草履は冬仕様・夏仕様はないので、足元だけは冬も夏も同じです。お寺の本堂の縁を冬に歩くのは寒いんですね。
今から11月の肌寒い日がやってくるまで、冬用の衣を着ている私には辛い時が続きます。