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門徒式章を着用してお参りできる人は素晴らしい

こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。

先日自坊に、とあるお寺のご住職とその総代さんらがお参りに来られました。

さすが本願寺派のお寺だなあと感心したのが、6名の総代さんらが全員、門徒式章(総代式章)を着用してお参りされてたんですね。

自坊を振り返ってみますと、なかなか式章を身に着けてお参りされている人は少ないように感じます。

今回は「門徒式章(もんとしきしょう)」についてお話します。

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門徒式章とは何?

門徒式章とはその名の通り、門徒が身に着ける式章のことです。そのため略して式章とも言います。

一見するとお坊さん(僧侶)が首からかけている布、すなわち輪袈裟(わげさ)と非常に似ています。

しかし輪袈裟はお坊さん身に着けるお参り時の服装であり、お坊さんでない人は身に着けることができません。

そこで一般の人がお参り時に使えるのが式章と呼ばれるものとなります。

真宗大谷派では式章のことを略肩衣(りゃくかたぎぬ)と呼び、浄土真宗本願寺派や真宗興正派では門徒式章と呼んでいます。(浄土真宗以外では、半袈裟(はんげさ)や門徒袈裟(もんとげさ)と呼ぶこともあります)(ただ浄土真宗では、式章は袈裟ではないことを説明しています)

門徒式章とはいつでも身につけておくべきものではなく、お寺にお参りに行くときやお仏壇にお参りするときに着用するものです。

例えばお寺で永代経法要・報恩講法要があった時や、家で3回忌などの年忌法要があった時、朝夕の日常のお仏壇参りの時、葬儀の時など仏様にお参りする時に着用します。

イメージとしてはお坊さんが輪袈裟を着用している時には、同じように着用していることが望ましいです。

門徒式章を着用することで簡単に正装になる。

門徒式章とはお寺にお参りするときや、お仏壇にお参りするときに身に着けます。

お坊さんも同じですね。輪袈裟を身に着けます。

なぜ輪袈裟や門徒式章を身に着けるのですかね?

それは身に着けることで仏様に敬意を表していることになるからです。つまりはお参り時の正装になるということです。

仏様にお参りするときに必要なものはなんでしょうか。

  • 身なりを整えた服装
  • 合掌時の念珠(ねんじゅ)
  • そして肩からかける式章

服装を整えるといってもなかなかきちっとした正装をするのは難しいです。多くの人にとってはスーツを着ることが精一杯でしょう。

しかしそこに式章を身に着けると急に引き締まった服装になるのです。

例えばですがお坊さんをイメージしてください。

お坊さんが黒い衣を着てお参りに来たとしますよね。どことなくボケた雰囲気だとは思いませんか。

ですが首から輪袈裟を掛けていたらどうなりますか。急にカチッとした趣きなって、「さあ、ご仏前に参ろうか」という雰囲気になるでしょう。

お坊さんの服装も、念珠や衣だけでなく輪袈裟も大事なのです。

門徒式章をつけなくてもお参りには何ら問題ありません。しかしですね、門徒式章をつけることで簡単にお参り時の服装が正装になり、さらには気持ちが引き締まり仏様にお参りする気持ちが起きやすくなります。

門徒式章には総代式章や坊守式章などもある。

門徒式章とは浄土真宗のご門徒さんがお参り時に身に着ける式章です。

しかし実は他にも種類があり、総代式章や坊守式章、寺族式章などがあります。

機能・役割は全く同じなのですが、単純にその人の立場が式章の見た目を変えることで視覚的にわかるようにしているんですね。

総代さんは門徒の代表者ですね。

坊守とは一般的に住職の妻をさし、寺族とはお寺を預かる住職の家族をさします。

なぜ坊守式章や寺族式章があるかと言えば、必ずしもお寺の坊守や家族が僧侶の資格を持っているとは限らないからです。

繰り返しますがお参り時に身に着けられる袈裟とはお坊さん(僧侶)だけです。僧侶でないお寺の人はご門徒と同様に仏様参りには式章を身に着けるのです。

参考「真宗興正派の式章。URL:http://www.koshoji.or.jp/books.php

現実には式章を身に着けるご門徒は少ない。

門徒式章は法名を授かる帰敬式(おかみそり)の時に記念品としていただくこともあれば、檀那寺や本山に依頼して手に入れることができます。

門徒式章とは仏様にお参りするときの最低限のマナーなのですが、現実的には着用している人は少ない印象です。(私のお寺だけ?)

イメージとしてはノーネクタイの状態で上司に会うような感じでしょうか。

でも人って不思議なもので仏様にお参りするときは式章をつけるものだと教えられても、なかなか現実には身に着けられないのです。

理由もいろいろあって、

  • 身に着ける人が少ないから恥ずかしい。
  • 式章つけていたら格好つけているみたいだ。
  • 式章をどこに片づけたのか思い出せない。無くした。

などと様々です。

お坊さんも身に着けていない人がいたとしても、あんまり服装に拘ると「お寺って面倒なところだなあ」と思われたくないので口に出すことを控えるんですね。

その点、大谷派や本願寺派のお寺は立派ですね。式章を着用されているご門徒さんや総代さんが多いように感じます。

思えば本願寺の朝の晨朝勤行にお参りに行ったとき、お参りの人の中にチラホラと式章を着用されている人がいました。さすがだなあと感じました。

式章とは人によく見られようとするために着用するのではないのですが、お坊さんが袈裟を身に着けることでお参りの雰囲気が厳かとなるのと同様に、式章を身に着けてお参りする人がいることでそのお勤めの雰囲気が厳粛な雰囲気にもなるように感じます。

仰々しいように思われるかもしれませんが、もしもお参りの人全員が式章を身に着けてお参りされたならば、その法要の雰囲気は本当に浄土をイメージさせるような厳かな雰囲気になるやもしれません。

阿弥陀経の中には功徳荘厳(くどくしょうごん)という文言があります。仏様にお参りするときの荘厳(厳かな雰囲気)をきちっとすることも大切な功徳となるでしょう。


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さいごに。式章とは仏様にお参りする時はいつでも身に着ける。

門徒式章とは、浄土真宗のご門徒であることを示す証であり、さらには仏様にお参りするときの正装でもあります。

そのためいつ・どのような時に式章を使うんだろうと悩むのではなく、いつでも身に着けてくださいとお願いしたいです。

もしもお寺の法要にお参りするときや法事・仏事に着用するのは他の人に見られて恥ずかしいと思うのであれば、まずはご自宅にあるお仏壇にお参りするときに着用してみてはいかがでしょうか。

お仏壇にお参りして勤行するときにも式章を身に着けてください。

式章を身に着けることで仏様への敬意を表し、念珠を手にし合掌しお勤めをすること。これが阿弥陀様を敬う最高のお姿になります。

門徒式章には各宗派の紋が施されていますので、求められる人は檀那寺に相談されれば間違ることなく手に入れられます

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